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『魔法の “無” 詠唱について』 【リクエスト】
しおりを挟むさて続きである。
前回記したように、『魔法の詠唱』は
マンガ的、ラノベ的表現と非常に【相性が悪い】
正直『作者の自己満足』を除けばデメリットしか無いと
云っても過言ではない。
では、今現在はどうなっているかというと、
提案者の『見地話せんり』様の云う通り
詠唱をしない【無詠唱】が主流となっている。
本来必要な筈の「詠唱」をしないのだから
必然、『最強能力』としてソレは位置づけられる。
あぁ、なるほど、先達の「過ち」を繰り返さず、
設定の問題点を見抜いて今のラノベ作家も
少しは成長したのだな、 ではない。
事実はもっと残酷というか低俗、
【単に “詠唱” 考えるのがメンドクサイ】
だけなのである……('A`)
ワタシも拙作で魔法 の『詠唱』は何度も描いた。
(問題点は全部省いてありますからまぁお楽しみに(≧▽≦))
コレは存外、骨の折れる作業であり、
一つの魔法の詠唱を描いていたらいつのまにか
日が暮れていた、というコトも珍しくはない。
『魔法の詠唱』はただの『作者の自己満足』に過ぎないとは言ったが、
『自己満足』は自己満足なりに気苦労があるモノである。
・古典的 (古文的) 表現にしなければならない。
・元となる『形式 (歌なり詩なり)』 が無いと筆が続かない。
・「現代語」が使えないから必然、
他の「単語 (物名) 」もそのまま使えない。
・場合によっては一見意味の解らない、
オリジナルの『独唱』なども入れる必要が在る
(例-「ザーザード・ザーザード~」「カンダ・ロエストラタ~」等)
・故に「雑学的」な、多様な「知識」も同時に必要とされる。
↑ざっとでコレだけの要素が無ければ描けないモノを
『推敲』もロクにしない 「なろう作家」 が好き好んで描くだろうか?
答えは【断じて否!】 であり、故に往きつく先は
【無詠唱 (最強) 】という安易な設定に縋らざる負えないのである。
『詠唱を考えなくても良い言い訳』が初めから用意されているのであり、
『推敲』しない「毎日更新」にこれほどありがたい存在も無い。
まぁ最も、その【因果応報】というか【自業自得】は
“天網恢恢疎にして漏らさず” とやらで、
他のキャラや敵も総じて【無詠唱】になるという
本末転倒な展開が後に鎌首擡げているわけだが。
(故に「〇〇は~~の詠唱をした」のような、
稚拙な描写しか書けなくなる)
更に酷いのになると、「力の根源足る~~が命じる」等、
最早『詠唱』にもなってないモノがお慰み的に付けられる事もあり、
【描けないなら最初から描かなければ?】
と最早怒りを通り越して虚しさすら漂ってくる……('A`)
畢竟、『魔法の詠唱という設定』は、云わば【高等技術】であり、
センスも知識もスキルも無い者が
(またソレを『磨く』気もない者が)
気軽にホイホイ扱えるモノではないのだ。
構造的、構成的に複雑な多層構築となっており、
ヘタに手を出すと大火傷を負う【危険性】すら在る。
嘗ての『ファンタジーブーム』はコレが一端で滅びた。
描けないなら、『詠唱』も【無詠唱】も出すべきでは無いのである。
最初から無いモノを一体どうやって【無くす】コトが出来るのだ?
もうこの時点で既にパラドックスは発生しているのである。
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