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第2章

36話 魔剣と聖剣

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魔剣と聖剣




兄さんたちと武器屋に来たが、すごいものが目の前にある。それは、聖剣と魔剣だ。これは、一対となっている短剣らしく聖剣と魔剣が一対となるのは珍しい。聖剣と魔剣は、本に持ち主を選ぶと書いてあった。聖剣の場合は、もし持ち主として選ばれなければ本来の聖剣としての力が発揮されない。魔剣は、聖剣と違い持ち主に選ばれたもの以外が使用目的に触ると相手の魔力を喰らい尽くす。そして、それが今目の前にあるのだ。

「えっと、モーリスさん。これを僕にってことですか?」
「そうだ。多分坊主になら使える。なぜだかわからないがそう感じるんだ。」

モーリスさんが真剣に話してきたので、触ってみた。すると、聖剣と魔剣が、光始め魔力が吸われていく感じがしたが無理やり吸われていく感じはなく俺たちのことを使ってくれそんな風に感じた。数分間魔力を吸われた。普通の人間なら多分魔力切れで倒れているだろうが、シオンの場合は魔力が多すぎて8割以下になることはなかった。


「おお!やはりその剣が坊主を認めたか。その剣の名前はわからん。だから坊主が付けてやってくれ。」
モーリスさんは聖剣と魔剣を孫を見るように見ていた。

「この剣いくらですか?さすがに、あまり高すぎると買えないんですが。」
申し訳なさそうにグロス兄さんがいってきた。そりゃそうか聖剣と魔剣は、国にも1本あるかないかぐらいの貴重なものだ。それを同時に二つ買うのと同じことなので値が張るはずだ。そう思っているとモーリスさんがとんでもないことを言ってきた。

「それの代金はいらん。というよりそれは、売り物じゃない。これはな、鍛冶神からいただいたものだ。これを使えるものが現れた時その者に渡しなさい。と言われたんだ。神が作ったものに価値を付けちゃいかんし、それに価値を付ける価値もわしにはない。」

シオンは、鍛冶神という言葉でわかってしまった。絶対に、神々の加護の中に鍛冶神が入っていることに。だが今は気にしないことにした。

「では、これはもらいますね。ただ、今まで大事に保管してもらっていたので少しですがもらってください。これは、剣の価値ではなく貴方が、大切に保管していたことに対する対価ですから。」

そう言って無理やり黒金貨1枚を渡した。


「そうか、ありがたく受け取っておくよ。」
モーリスさんは心底嬉しそうな顔をしていた。俺は、それを見て自分まで嬉しくなった。
それから少し世間話やモーリスさんの愚痴を聞いた。

「それでは、僕たちはこれで失礼します。」
「剣は明後日取りに来る。」
「お邪魔しました。また来ます。」
それぞれ、挨拶をして帰ることにした。
「おう。また来いよ!」


シオンたち兄弟は、夕日に照らされながら王都の屋敷まで手をつないで帰るのだった。



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