家族もチート！？な貴族に転生しました。

第2章

28話 準備

28話 準備


「シオン、おはよう。体調は大丈夫かしら。」
あのまま、朝までぐっすりだったシオンはエミリアに起こされ目を覚ました。
「おはようございます。大丈夫です。」
シオンの声と共に、“グー”というお腹の音が鳴る。
「あら、お腹が空いたのね。朝ごはんを食べましょうか。」
恥ずかしくなり耳まで真っ赤にしているシオンを見てエミリアがダイニングに行こうと提案する。シオンは、すぐに着替えをしてエミリアとダイニングに向かった。

ダイニングでは、アルフレッドやアリティア、グロス、グレンもそろっていた。
「シオン、もう大丈夫なのか？」
アルフレッドが心配そうに声をかけてきた。アリティアや兄2人も心配なようでこちらを見ていた。
「はい、もうすっかり良くなりました。ご心配をおかけしました。」
「大丈夫ならそれでいいんだ。さぁ、ご飯を食べようか。」
大丈夫といったことでアルフレッドも安心したのか堅かった顔が柔らかくなっているような感じがした。

「そいう言えば今日、祝福の日なのですよね？」
「そうだよ。無理に行く必要はないけど、行けるのなら行った方がいいね。」
本当は、何があっても行くことが決められているのだがやはり侯爵としての権力と今回の件でブレイブの方がどうにかするだろうということから無理する必要な無いということらしい。
「大丈夫です。行けます。」
「そうか、それならご飯を食べ終わった準備をしたら向かおうか。全員でそれでいいね？」
「ん？全員？3人で行くのではないのですか？」
全員という言葉に疑問を持つ。
「本当ならそうするつもりだったんだがな...」
「シオンの晴れ姿だよ？行くに決まってるじゃん。」
「そうだよ。俺たちだけ行けないというのはね。」
「いいじゃない？多い方が緊張しないし。」
「...ということだ。」
エヴァンズ家は、シオンのことを溺愛していたみたいだ。その結果、全員が行くことになった。
「多い方が楽しいですしね。」
仕方ないか、と楽しい方向に持っていく。

「それじゃあ各自準備をするんだよ。」
朝食を食べ終わった一同は各自準備をするため自室に戻った。シオンは、着替えるだけでほかにすることが無く着替え終わるとすぐに屋敷のエントランスに向かった。
「シオン早いな。」
一番乗りかと思っていたグレンが先に来ていたようだ。
「グレン兄様も早いですね。」
「まぁ、特にすることがないから。もうすぐ、兄さんも来ると思うよ。」
そんな話をしているとグロスもやってきた。続いて、アルフレッドがやってくる。どこの世界でも女性の身支度には時間がかかるようで待つこと20分ほどでエミリアとアリティアがやってきた。女性の身支度で20分程度なら早い方だろう。
「よし、そろったところで出発しよう。」
6人程度なら乗ることが出来る大きな馬車で教会に向かった。