11 / 15
初恋のハナシ
しおりを挟む皆さんの初恋はいつですか?
誰しもある、甘酸っぱい想い出。
ハツコイ。
たいていは実らない、ハツコイ。
お相撲さんは、ドスコイ。
さて、ひと滑りしたところで......。
私の初恋は、中学一年生のときでした。
しかも、完全にひと目惚れです。
二重まぶたのパッチリした瞳。
線は薄く、優しい雰囲気の、可憐に明るい美少女。
ひと目見て「めちゃくちゃ可愛い!」と思いました。
他に理由などありません。
その瞬間から好きになったと思います。
彼女こそ、この世に降臨せし麗しき天使。
私の心は心臓ごと鷲掴みされ奪われたのです。
一番最初の席替えで彼女と隣同士の席になれた時は、オカシクなりそうでした。
「こ、これは運命か!!?」
心の中で血を吐くほど絶叫し、狂喜乱舞しました。
ところがどっこい。
隣同士になれたかといって、そんな気軽に話しかける事などとてもじゃないができません。
アイ・アム・ウブ寄りのウブ。
アイ・アム・奥手ボーイ。
授業中にそれとなく彼女の横顔を見ては「可愛いなぁ」と思って胸をキュンとさせるのが関の山です。
そんなある日のこと。
私が授業中に、自分のノートに友達と落書きをし合って遊んでいた時です。
それを見ていた彼女が「貸して」と言って微笑みかけてきたのです。
ノートを渡すと、彼女はそこへ、実に女の子らしいタッチの絵を落書きしてくれて、私に返しました。
私はそのノートを見て、ワナワナと震えます。
「おおお俺のノートに、俺の所有物に、かかか彼女の手で書かれたものがある!!!!」
もう~私は目から血を流してしまうぐらい嬉しくなりました。
しかし表向きは「何も気にしていないよ。むしろ、なんだよ?」ぐらいの態度を取り繕いました。
無論、家に帰ってから部屋でひとり、ノートに刻まれた彼女の落書きを見ては
「はぁぁぁぁ......」
と、胸を熱くして想いを募らせたのは言うまでもありません。
そうして......。
彼女への想いがどんどんどんどん強くなるにつれて、私は今まで以上に彼女とマトモに話せなくなってしまいました。
気持ちとは相反する態度しか取れないのです。
それだけじゃありません。
やがて彼女に話しかけてくる男子はみんな彼女の事が好きなんじゃないかとまで思うようになりました。
情けない私は、卑屈に彼女と距離を置いて嫉妬心をぐつぐつ燃やし、必死にそれを抑えようとひたすらもがき苦しみました。
そうこうしているうちに......。
結局。
何もできないまま、二年生のクラス替えで、私と彼女とは別々のクラスになってしまい、それっきりになってしまいました。
これが私のハツコイです。
やはり初恋というのは特別なもののようです。
今でも、この初恋の彼女と似たような雰囲気を持った人がいると、つい目が止まってしまいます。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
【Vtuberさん向け】1人用フリー台本置き場《ネタ系/5分以内》
小熊井つん
大衆娯楽
Vtuberさん向けフリー台本置き場です
◆使用報告等不要ですのでどなたでもご自由にどうぞ
◆コメントで利用報告していただけた場合は聞きに行きます!
◆クレジット表記は任意です
※クレジット表記しない場合はフリー台本であることを明記してください
【ご利用にあたっての注意事項】
⭕️OK
・収益化済みのチャンネルまたは配信での使用
※ファンボックスや有料会員限定配信等『金銭の支払いをしないと視聴できないコンテンツ』での使用は不可
✖️禁止事項
・二次配布
・自作発言
・大幅なセリフ改変
・こちらの台本を使用したボイスデータの販売
ポケっこの独り言
ポケっこ
エッセイ・ノンフィクション
ポケっこです。
ここでは日常の不満とかを書くだけのものです。しょーもないですね。
俺の思ってることをそのまま書いたものです。
気まぐれ更新ですが、是非どうぞ。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
なんか、にっき
べりーべりー
エッセイ・ノンフィクション
なんか色々思ったことを書いています。全ては個人の感想です。表紙はhttps://www.pixiv.net/artworks/87576574様からお借りしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる