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魔剣使いの闘い~狂戦士編
ep156 事後
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*
「ん......」
目が覚めて、むくりと上体を起こすと、宿屋のベッドの上だった。
「......!クローさぁぁぁん!!」
「クロー!大丈夫!?」
シヒロとエレサが抱きついてきた。
「あれ?俺は......」
たしか最後の記憶は......マーリスを斬って、会話を交わして......。
「クローさんは街の反対端で倒れていたんです!」
「戦闘が終わった後、ここに運ばれてきたんだよ!」
「それから丸一日ずーっと眠ってたんですよ!」
「本当に心配したんだから!」
そうか。
俺はあの後すぐに倒れてしまったのか。
やはり無理が過ぎたようだ。
それはそうだよな。
ジェイズとの死闘からとうに限界を超えて戦い続けていたんだ。
「でも、良かった......」
シヒロとエレサはほっと安堵した表情を浮かべた。
ふたりの様子を見て俺も安堵しかけた時、はたとした。
「戦いはどうなった!?」
ふたりの説明によれば......。
街全体に及んでいた毒の炎煙が取り払われた後は、結局こちら側が押し切って勝利したとのこと。
相手にとっての一番の敗因は、消耗しきっていたと思われたジェイズの活躍だろう。
魔王をして〔狂戦士〕と言わしめた男はやはり伊達じゃなかった。
そこに世界最高の魔法剣士とダークエルフが加わったんだ。
敵としても想像しがたい強さだったに違いない。
そして......俺が一番気がかりだったことはどうなったのか。
「キラースは?」
奴はマーリスが俺にやられたことを悟り、退却の機会をうかがっていたらしい。
それでも爆破魔術を行使しようとするもアイが封殺。
やがて鳥獣に乗って逃げ出そうとしたところをいち早くカレンが気づき、エレサとふたりで撃墜。
間もなく戦いは終結。
マーリスとキラースの一部の部下たちには鳥獣に乗って逃げられたが、あとの魔物どもは残らず撃滅。
「無事、勝って生き残ったんだな......」
ちなみに戦闘終了後はシヒロが活躍したそうだ。
「傷ついた人間をカレンとシヒロが中心になって治癒してまわっていたんだけど、シヒロの魔法にはカレンも感心していたよ」
エレサの説明にシヒロは照れくさそうに顔を伏せた。
「よくやったな」
俺はシヒロを労ってからエレサにも言葉をかけた。
「キラースを倒せてよかったな」
「うん。最後はわたしの攻撃で倒した」
「そうか」
「でも、奴はまだ生きている」
「逃げられてはいないんだよな?」
「奴はヘッドフィールドで捕らえてから国際平和維持軍に引き渡すって」
「カレンの意向なのか?」
「ジェイズとカレンで話し合って決めていた。今後を考えるとそれがベストだって」
「残念か?その手で仕留められなくて」
「ううん。今では奴にも感謝しているし」
「えっ、いくらなんでも感謝することなんてあるのか?」
「クローと出逢えたから」
エレサは俺の腕にひしと抱きついた。
彼女の胸の感触が腕から伝わってきた。
「クローさぁん」
シヒロがすねた顔をした。
「シヒロ。わたしはクローを譲らない」
エレサが小悪魔な目つきで言い放った。
反射的にシヒロはキッとなり、
「べ、べつに、そういうのじゃないですから!そういうのじゃ、ないですから......」
なぜかすぐにしょんぼりしてしまった。
そんな時。
ガチャッと部屋のドアが開いた。
「起きているな」
そう言って入ってきたのはアイだった。
「ボスからお前に話がある。今から来てくれないか」
「ん......」
目が覚めて、むくりと上体を起こすと、宿屋のベッドの上だった。
「......!クローさぁぁぁん!!」
「クロー!大丈夫!?」
シヒロとエレサが抱きついてきた。
「あれ?俺は......」
たしか最後の記憶は......マーリスを斬って、会話を交わして......。
「クローさんは街の反対端で倒れていたんです!」
「戦闘が終わった後、ここに運ばれてきたんだよ!」
「それから丸一日ずーっと眠ってたんですよ!」
「本当に心配したんだから!」
そうか。
俺はあの後すぐに倒れてしまったのか。
やはり無理が過ぎたようだ。
それはそうだよな。
ジェイズとの死闘からとうに限界を超えて戦い続けていたんだ。
「でも、良かった......」
シヒロとエレサはほっと安堵した表情を浮かべた。
ふたりの様子を見て俺も安堵しかけた時、はたとした。
「戦いはどうなった!?」
ふたりの説明によれば......。
街全体に及んでいた毒の炎煙が取り払われた後は、結局こちら側が押し切って勝利したとのこと。
相手にとっての一番の敗因は、消耗しきっていたと思われたジェイズの活躍だろう。
魔王をして〔狂戦士〕と言わしめた男はやはり伊達じゃなかった。
そこに世界最高の魔法剣士とダークエルフが加わったんだ。
敵としても想像しがたい強さだったに違いない。
そして......俺が一番気がかりだったことはどうなったのか。
「キラースは?」
奴はマーリスが俺にやられたことを悟り、退却の機会をうかがっていたらしい。
それでも爆破魔術を行使しようとするもアイが封殺。
やがて鳥獣に乗って逃げ出そうとしたところをいち早くカレンが気づき、エレサとふたりで撃墜。
間もなく戦いは終結。
マーリスとキラースの一部の部下たちには鳥獣に乗って逃げられたが、あとの魔物どもは残らず撃滅。
「無事、勝って生き残ったんだな......」
ちなみに戦闘終了後はシヒロが活躍したそうだ。
「傷ついた人間をカレンとシヒロが中心になって治癒してまわっていたんだけど、シヒロの魔法にはカレンも感心していたよ」
エレサの説明にシヒロは照れくさそうに顔を伏せた。
「よくやったな」
俺はシヒロを労ってからエレサにも言葉をかけた。
「キラースを倒せてよかったな」
「うん。最後はわたしの攻撃で倒した」
「そうか」
「でも、奴はまだ生きている」
「逃げられてはいないんだよな?」
「奴はヘッドフィールドで捕らえてから国際平和維持軍に引き渡すって」
「カレンの意向なのか?」
「ジェイズとカレンで話し合って決めていた。今後を考えるとそれがベストだって」
「残念か?その手で仕留められなくて」
「ううん。今では奴にも感謝しているし」
「えっ、いくらなんでも感謝することなんてあるのか?」
「クローと出逢えたから」
エレサは俺の腕にひしと抱きついた。
彼女の胸の感触が腕から伝わってきた。
「クローさぁん」
シヒロがすねた顔をした。
「シヒロ。わたしはクローを譲らない」
エレサが小悪魔な目つきで言い放った。
反射的にシヒロはキッとなり、
「べ、べつに、そういうのじゃないですから!そういうのじゃ、ないですから......」
なぜかすぐにしょんぼりしてしまった。
そんな時。
ガチャッと部屋のドアが開いた。
「起きているな」
そう言って入ってきたのはアイだった。
「ボスからお前に話がある。今から来てくれないか」
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