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魔剣使いの闘い~サンダース編
ep99 魔剣使いクロー
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【登場人物】
クロー・ラキアード
主人公の青年。銀髪の魔剣使い。転生前は中年男。
シヒロ・モリセット
作家を目指す十六歳の少女。魔法が使える。
トレブル
背の低い金髪のチンピラ。武器はダガーナイフ。
ブースト
スキンヘッドの肥満体系のチンピラ。武器は鈍器。
カレン・ホールズワース
国際平和維持軍特別部隊隊長。紅髪の美人魔法剣士。勇者の妹。
キラース
〔フリーダム〕の幹部。紫髪の爆破魔術師。狡猾で残忍。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「間に合ったみたいだな」
俺は安堵の言葉を吐いて建物の屋根にスタッと着地した。
『まったく......強引な〔空間転移〕はワタクシへの負担が大きいと何度も言ったでしょう』
『だって今回はしょうがないだろ』
『いつまでもワタクシに頼っているといつか取り返しのつかないことになってしまいますよ』
『わかったわかった、わかってるよ』
『〔空間転移〕からの流れるような連動......かなり力を使いこなせるようになったのは事実ですが』
『なんかシヴィスとの戦い以降、調子が良い気がするんだが、なぜだろう』
『〔魔導剣〕は振えば振るうほど強くなる。シヴィスが強敵だったのでその分成長できたのでしょう』
『そして今回もまた、一筋縄ではいかなそうな相手だな』
俺は上空の敵を見上げる。
その時。
「お前は、まさか......」
背後から声が聞こえた。
クルッと振り向くと、俺の目に映ったのは紅髪の女騎士。
「あんたは...」
「私は国際平和維持軍特別部隊隊長、カレン・ホールズワースだ」
「国際平和維持軍!?」
「なんだ?我々に対しなにか後ろめたい気持ちでもあるのか?」
「いや、そんなこともないけど...」
「さきほどの力にその剣と銀髪。お前は魔剣使いだな?」
「あ...ああ~どうなんすかねぇ」
俺はテキトーにとぼけてみせる。
「魔剣使い。お前は我々の捕縛対象だ。大人しく連行される気はあるか?」
カレン隊長とやらは俺に向かって剣尖をスチャッと突き立てる。
とぼけた意味は皆無だった。
「見逃してもらうことはできないもんかな」
「それは無理な相談だな」
カレン隊長はブレない。
このお堅そうな女隊長......どうしたものか。
上空には魔物もいるし街にはまだフリーダムもいるだろう。
ここでモメている場合じゃないのに。
ん?上空?
上空......あれ!魔物じゃん!
そういえば生ではじめて見るぞ!
スゲー!
今日はダークエルフだけでなく魔物にまで遭遇するとは!
スゴイ一日になったな。
「おい。なぜボーッとしている?」
カレン隊長が怪訝に問いかけてきた。
「あっ、いや、なんでない」
途端に俺は我に返った。
それから知っている声が届いていることに気づく。
「クローさぁぁぁん!!」
「ダンナぁ!!」
「おーいダンナぁ!!」
シヒロたちだ。
「悪い!遅くなった!」
俺がシヒロたちへ応えると、それに反応するように上空から声が届く。
「オメーは魔剣使いだなぁ?俺のオモチャはどーした?」
見上げると、紫色の髪をなびかせた男が魔物の上から俺を見下ろしていた。
「オモチャ?なんの話だ?」
単純に言動の意味がわからなかったので訊き返した。
「オメーがここにいるってことは、あのオンナは死んだのかってきいてんだ」
「ダークエルフはお前の部下か」
「部下じゃねぇ。オモチャだ」
「そんなことはどうだっていい。お前はフリーダムの幹部か?今回の襲撃の首謀者か?」
「オレはキラース。オメーの言うとおりフリーダムの幹部だが、シヴィスのダチって言ったほうがわかりやすいか?魔剣使いのクローさんよ」
「......仇討ちか?」
「仇討ち?オレが?マジで言ってんの?」
「??」
「ならそーゆーことにしといてもいいぜぇ。クックック」
キラースはなにやら残忍な笑みを浮かべた。
どうも背筋がぞくっとするような嫌悪感を覚える男だ。
「......」
俺は敵を意識しつつ周囲の様子を見渡した。
まず上空には複数の魔物とキラース。
地上には多数のフリーダムがいるのだろうが、国際平和維持軍もいる。
市民は徐々に避難を進めている。
俺のやるべきは......
「魔物とキラースを倒す...だな」
だがどうする?
〔発閃〕だけで全部を仕留めるのは難しい。
仮に仕留めたとしても、避難する人たちへあの巨体が落下していったらどうなる?
今後の復興を考えると街への余計な被害もできるだけ減らしたいところ。
いや、この期に及んで考えが甘いか?
じきにアイツもここに来るだろうし、急いだほうがいいな。
クロー・ラキアード
主人公の青年。銀髪の魔剣使い。転生前は中年男。
シヒロ・モリセット
作家を目指す十六歳の少女。魔法が使える。
トレブル
背の低い金髪のチンピラ。武器はダガーナイフ。
ブースト
スキンヘッドの肥満体系のチンピラ。武器は鈍器。
カレン・ホールズワース
国際平和維持軍特別部隊隊長。紅髪の美人魔法剣士。勇者の妹。
キラース
〔フリーダム〕の幹部。紫髪の爆破魔術師。狡猾で残忍。
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「間に合ったみたいだな」
俺は安堵の言葉を吐いて建物の屋根にスタッと着地した。
『まったく......強引な〔空間転移〕はワタクシへの負担が大きいと何度も言ったでしょう』
『だって今回はしょうがないだろ』
『いつまでもワタクシに頼っているといつか取り返しのつかないことになってしまいますよ』
『わかったわかった、わかってるよ』
『〔空間転移〕からの流れるような連動......かなり力を使いこなせるようになったのは事実ですが』
『なんかシヴィスとの戦い以降、調子が良い気がするんだが、なぜだろう』
『〔魔導剣〕は振えば振るうほど強くなる。シヴィスが強敵だったのでその分成長できたのでしょう』
『そして今回もまた、一筋縄ではいかなそうな相手だな』
俺は上空の敵を見上げる。
その時。
「お前は、まさか......」
背後から声が聞こえた。
クルッと振り向くと、俺の目に映ったのは紅髪の女騎士。
「あんたは...」
「私は国際平和維持軍特別部隊隊長、カレン・ホールズワースだ」
「国際平和維持軍!?」
「なんだ?我々に対しなにか後ろめたい気持ちでもあるのか?」
「いや、そんなこともないけど...」
「さきほどの力にその剣と銀髪。お前は魔剣使いだな?」
「あ...ああ~どうなんすかねぇ」
俺はテキトーにとぼけてみせる。
「魔剣使い。お前は我々の捕縛対象だ。大人しく連行される気はあるか?」
カレン隊長とやらは俺に向かって剣尖をスチャッと突き立てる。
とぼけた意味は皆無だった。
「見逃してもらうことはできないもんかな」
「それは無理な相談だな」
カレン隊長はブレない。
このお堅そうな女隊長......どうしたものか。
上空には魔物もいるし街にはまだフリーダムもいるだろう。
ここでモメている場合じゃないのに。
ん?上空?
上空......あれ!魔物じゃん!
そういえば生ではじめて見るぞ!
スゲー!
今日はダークエルフだけでなく魔物にまで遭遇するとは!
スゴイ一日になったな。
「おい。なぜボーッとしている?」
カレン隊長が怪訝に問いかけてきた。
「あっ、いや、なんでない」
途端に俺は我に返った。
それから知っている声が届いていることに気づく。
「クローさぁぁぁん!!」
「ダンナぁ!!」
「おーいダンナぁ!!」
シヒロたちだ。
「悪い!遅くなった!」
俺がシヒロたちへ応えると、それに反応するように上空から声が届く。
「オメーは魔剣使いだなぁ?俺のオモチャはどーした?」
見上げると、紫色の髪をなびかせた男が魔物の上から俺を見下ろしていた。
「オモチャ?なんの話だ?」
単純に言動の意味がわからなかったので訊き返した。
「オメーがここにいるってことは、あのオンナは死んだのかってきいてんだ」
「ダークエルフはお前の部下か」
「部下じゃねぇ。オモチャだ」
「そんなことはどうだっていい。お前はフリーダムの幹部か?今回の襲撃の首謀者か?」
「オレはキラース。オメーの言うとおりフリーダムの幹部だが、シヴィスのダチって言ったほうがわかりやすいか?魔剣使いのクローさんよ」
「......仇討ちか?」
「仇討ち?オレが?マジで言ってんの?」
「??」
「ならそーゆーことにしといてもいいぜぇ。クックック」
キラースはなにやら残忍な笑みを浮かべた。
どうも背筋がぞくっとするような嫌悪感を覚える男だ。
「......」
俺は敵を意識しつつ周囲の様子を見渡した。
まず上空には複数の魔物とキラース。
地上には多数のフリーダムがいるのだろうが、国際平和維持軍もいる。
市民は徐々に避難を進めている。
俺のやるべきは......
「魔物とキラースを倒す...だな」
だがどうする?
〔発閃〕だけで全部を仕留めるのは難しい。
仮に仕留めたとしても、避難する人たちへあの巨体が落下していったらどうなる?
今後の復興を考えると街への余計な被害もできるだけ減らしたいところ。
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