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旅の少女編
ep47 銀髪の魔剣使い②
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「お、お前はいったい......何者なんだ!」
しばらく続いた戦闘の後、あきらかに怯えと動揺の色を浮かべた仮面の魔術師が声を上げました。
視界の範囲内で見るかぎり、無事に立っている〔フリーダム〕は彼だけです。
夜の街路は地に伏した〔フリーダム〕の人たちと破損した器物で散乱しています。
くわえて火の上がった建物、壊された壁などを見ると、まさしく一年前に終わった戦争の再現です。
「クソォ!クソクソクソォッ!
こうなったら最大出力で放ってやる。
これならさすがにお前でも防げないだろう」
仮面の魔術師は杖を両手でグッと握ると、上空に向けて掲げました。
「深淵なる万物万象の源泉よ。我が劤と為り、彼の者に裁きの雷を墜し給へ〔アルカーナ・フルメン〕
次の瞬間です。
ピカァァァ!と目がくらむような閃光が瞬いたかと思うと、ドガァァァン!と銀髪の人に落雷が直撃しました。
「あぁ!!」
ぼくは悲鳴を上げました。
終わった、と思ったからです。
あんな雷の一撃を喰らって、助かるわけがありません。
「そ、そんな......」
僕はガクッと膝をつきました。
もくもくと舞いあがる煙が晴れたとき、きっと焼け焦げた銀髪の人の無惨な姿が見えるのでしょう......。
ところがです。
煙が晴れてこの目に映ったのは......
「あっ!」
剣を高々と掲げて威風堂々と立つ、無傷の魔剣使いさまです。
「ま、まさか!今のも斬ったのか!?」
仮面の魔術師が恐怖にも近い声を上げました。
「こ、これって...!」
ぼくは魔剣使いさまの足元を見て気づきました。
彼のまわりの地面が、彼だけを避けるようにして焼け焦げているのを。
つまり、魔剣使いさまは、雷撃を一閃のもとに斬り裂き見事に被弾を免れたのです。
「す、スゴすぎる......」
ぼくは強烈な感動すら込み上げている自分に気づきました。
そして、ぼくはこう思ったのです。
この人こそ......ぼくにとっての英雄だと!
「お、お前......本当に何者だ!?まさか!魔王軍の!?いや、そんなヤツがこんなところにいるはずもない!クッ......!」
もはや仮面の魔術師は完全に狼狽し、すっかり気圧されてしまっているようです。
そんな彼に向かい、魔剣使いさまは剣尖を突きたてます。
「終わりだ。〔フリーダム〕のクソヤロー」
「く、クソッ!こうなったら...」
「観念しろ」
「撤退だ!まだ残っている者はいるか!?いるならお前達も全員撤退だ!」
仮面の魔術師は撤退命令を下しました。
ぼくには「思ったよりもずいぶんとあっさり撤退するんだな」と思えました。
しかしそれは、敵も馬鹿じゃないという以上に、魔剣使いさまの脅威がそれだけのものなのでしょう。
その時です。
「オイ!あぶねぇ!」
髭面のおじさんの叫び声が上がったと思ったら、ドン!とぼくは彼に横から突き飛ばされました。
なにがなんだかわからないまま、ぼくは地面にバタンと転がりました。
ぼくはキョトンとしておじさんへ振り返ると、ハッとしました。
「お、おじさん!矢が!肩に!」
おじさんの右肩に矢が射たれていたのです。
転瞬、屋根の上から、
「ぐわぁ!」
悲鳴が上がったかと思うと、ドサッと人が地面に落下する音が聞こえました。
音の方向にある建物の屋根上を見ると、魔剣使いさまが立っています。
「フリーダム!他にもまだいるか!?」
魔剣使いさまは威嚇するように鋭く声を放ちました。
「何をやっている!撤退だと言っただろうバカが!撤退だ!撤退しろ!」
仮面の魔術師は罵り声を上げながら逆方向に逃げ去っていきます。
しばらく続いた戦闘の後、あきらかに怯えと動揺の色を浮かべた仮面の魔術師が声を上げました。
視界の範囲内で見るかぎり、無事に立っている〔フリーダム〕は彼だけです。
夜の街路は地に伏した〔フリーダム〕の人たちと破損した器物で散乱しています。
くわえて火の上がった建物、壊された壁などを見ると、まさしく一年前に終わった戦争の再現です。
「クソォ!クソクソクソォッ!
こうなったら最大出力で放ってやる。
これならさすがにお前でも防げないだろう」
仮面の魔術師は杖を両手でグッと握ると、上空に向けて掲げました。
「深淵なる万物万象の源泉よ。我が劤と為り、彼の者に裁きの雷を墜し給へ〔アルカーナ・フルメン〕
次の瞬間です。
ピカァァァ!と目がくらむような閃光が瞬いたかと思うと、ドガァァァン!と銀髪の人に落雷が直撃しました。
「あぁ!!」
ぼくは悲鳴を上げました。
終わった、と思ったからです。
あんな雷の一撃を喰らって、助かるわけがありません。
「そ、そんな......」
僕はガクッと膝をつきました。
もくもくと舞いあがる煙が晴れたとき、きっと焼け焦げた銀髪の人の無惨な姿が見えるのでしょう......。
ところがです。
煙が晴れてこの目に映ったのは......
「あっ!」
剣を高々と掲げて威風堂々と立つ、無傷の魔剣使いさまです。
「ま、まさか!今のも斬ったのか!?」
仮面の魔術師が恐怖にも近い声を上げました。
「こ、これって...!」
ぼくは魔剣使いさまの足元を見て気づきました。
彼のまわりの地面が、彼だけを避けるようにして焼け焦げているのを。
つまり、魔剣使いさまは、雷撃を一閃のもとに斬り裂き見事に被弾を免れたのです。
「す、スゴすぎる......」
ぼくは強烈な感動すら込み上げている自分に気づきました。
そして、ぼくはこう思ったのです。
この人こそ......ぼくにとっての英雄だと!
「お、お前......本当に何者だ!?まさか!魔王軍の!?いや、そんなヤツがこんなところにいるはずもない!クッ......!」
もはや仮面の魔術師は完全に狼狽し、すっかり気圧されてしまっているようです。
そんな彼に向かい、魔剣使いさまは剣尖を突きたてます。
「終わりだ。〔フリーダム〕のクソヤロー」
「く、クソッ!こうなったら...」
「観念しろ」
「撤退だ!まだ残っている者はいるか!?いるならお前達も全員撤退だ!」
仮面の魔術師は撤退命令を下しました。
ぼくには「思ったよりもずいぶんとあっさり撤退するんだな」と思えました。
しかしそれは、敵も馬鹿じゃないという以上に、魔剣使いさまの脅威がそれだけのものなのでしょう。
その時です。
「オイ!あぶねぇ!」
髭面のおじさんの叫び声が上がったと思ったら、ドン!とぼくは彼に横から突き飛ばされました。
なにがなんだかわからないまま、ぼくは地面にバタンと転がりました。
ぼくはキョトンとしておじさんへ振り返ると、ハッとしました。
「お、おじさん!矢が!肩に!」
おじさんの右肩に矢が射たれていたのです。
転瞬、屋根の上から、
「ぐわぁ!」
悲鳴が上がったかと思うと、ドサッと人が地面に落下する音が聞こえました。
音の方向にある建物の屋根上を見ると、魔剣使いさまが立っています。
「フリーダム!他にもまだいるか!?」
魔剣使いさまは威嚇するように鋭く声を放ちました。
「何をやっている!撤退だと言っただろうバカが!撤退だ!撤退しろ!」
仮面の魔術師は罵り声を上げながら逆方向に逃げ去っていきます。
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