上 下
31 / 87

ep31 マットプレイ

しおりを挟む
 そうして......。


「お二人とも、靴を脱いでマットの上に乗りましたね」
「う、うん」
「は、はい」

 マットの上で並んで体育座りをする俺と学級委員長さん。

「では、まずフミヒロ様は仰向けになってください。それから、伊野上さんはフミヒロ様に乗ってください」

 ネーコは淡々と説明した。

「馬乗りってそういうこと??」
「あ、あの、袮絵子さん!わたし、今ひとつわからないんですけど......」

 どうやら学級委員長さんは理解が追いついていない様子。
 ネーコはそんな彼女に向かってニッコリと微笑む。

「では端的に言いますね。騎乗位になってください」

「端的すぎるわ!」

 ツッコむ俺。

「き、きじょーい?」

 学級委員長さんは理解できていない。

「さすが伊野上さん。安定の天然カマトト娘ですね。それでは今から私がレクチャーいたしましょう」

 などと失礼なことを言いながら、ネーコは俺たちへ接近してきて手取り足取り説明を始める。

「まず、フミヒロ様に仰向けになっていただきす」

「えっ、本当にやるの?なんのために?」

「いいからフミヒロ様。損はさせません」

「いや損得の問題か?」

「さあ早く」

 俺はネーコに強引にマットへ寝かされた。

「続いては伊野上さん。フミヒロ様の上に乗ってください。馬に乗るように、です」

「で、でも、どう座ればいいんですか?」

 おろおろする学級委員長さん。
 ネーコはニヤリとする。

「フミヒロ様のムスコに、伊野上さんのアワビを押しつけるように乗せるのです」

「え?むすこ?あわび?え?え?」

 ますます混乱してあわあわする学級委員長さん。

「ちょっと待てぇぇ!!」

 思わず俺は上体を起こして叫んだ。

「どうしたんですか?フミヒロ様」

「学級委員長さんに変なことやらすなぁ!!
 ムスコ?アワビ?マットプレイ?アホか!
 ん?ムスコ、アワビ、マットプレイ......はっ!
 もしかして、さっきネーコがしりとりで言っていたワード!?」※ep28参照

「やっと気づきましたか?
 そうです。
 私は周到に伏線を張っていたのです。
 そして今...その伏線が回収されるとき!!」

「そんな伏線回収いらんわぁ!!」

「わ、わたし...勇気を出して乗ります!井藤くん!もう一回寝て!」

 なぜか学級委員長さんは覚悟の形相で決心をかためた。

「いやここ勇気を出すところじゃないから!そんな場面じゃないから!」

 俺は必死にマジメな学級委員長さんを制止した。

「その勇気...素晴らしいですよ伊野上さん!そうしましたら、せっかくなのでお二人で相舐あいなめをしましょうか?」
 
 ネーコが謎の提案をした。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

就職面接の感ドコロ!?

フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。 学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。 その業務ストレスのせいだろうか。 ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。

スケートリンクでバイトしてたら大惨事を目撃した件

フルーツパフェ
大衆娯楽
比較的気温の高い今年もようやく冬らしい気候になりました。 寒くなって本格的になるのがスケートリンク場。 プロもアマチュアも関係なしに氷上を滑る女の子達ですが、なぜかスカートを履いた女の子が多い? そんな格好していたら転んだ時に大変・・・・・・ほら、言わんこっちゃない! スケートリンクでアルバイトをする男性の些細な日常コメディです。

校長先生の話が長い、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。 学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。 とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。 寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ? なぜ女子だけが前列に集められるのか? そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。 新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。 あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

[完結済み]男女比1対99の貞操観念が逆転した世界での日常が狂いまくっている件

森 拓也
キャラ文芸
俺、緒方 悟(おがた さとる)は意識を取り戻したら男女比1対99の貞操観念が逆転した世界にいた。そこでは男が稀少であり、何よりも尊重されていて、俺も例外ではなかった。 学校の中も、男子生徒が数人しかいないからまるで雰囲気が違う。廊下を歩いてても、女子たちの声だけが聞こえてくる。まるで別の世界みたいに。 そんな中でも俺の周りには優しいな女子たちがたくさんいる。特に、幼馴染の美羽はずっと俺のことを気にかけてくれているみたいで……

処理中です...