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銀の鳥籠SS
004 緊張?
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■ 読んでくださった方が書きこんでくれた? ルイとカエデが二人でいたらどうなるか? の疑問に答えたお話です。
オレは今、クレハさんとある場所を見てる。どこを見ているかというと、ルイとカエデさんだ。年末年始にオレの実家に滞在して、ルイの実家に移動。まだ、ぎこちないのは仕方ないとはいえ、ルイが凄く戸惑ってる。二人で食事を作るのは当たり前になってきてるし、話も自然にできるようにはなってるけどさ。こう、カエデさんと二人にされるとルイが固まるんだよな。
「あれはカエデのせいだな」
クレハさんが小さく息を吐き出した。ルイは色をカエデさんに貰って、容姿はクレハさんに貰ったんだろうな。三人で立つと確かに二人の特徴を持ってはいるけど。
「大好きオーラ出しすぎだよな」
「やはり、そう思うか?」
「思う」
他人に寄せられる好意には慣れていても、親に向けられるあからさまな好意に慣れてねぇんだとは思う。しかも、カエデさんはそれを隠してもいない。全面で主張している。それを感じ取ったルイが緊張する。見ている分には楽しいけどさ。本人にはたまったもんじゃねぇだろうな。
元はと言えば魔法省がいけないんだしさ。完全に距離を置くように言われて、カエデさんは相当我慢したんだと思うんだよ。クレハさんもだろうけど。カエデさんが側にいたから、ブレーキがかかるんだろうな。それは、ルイ的にはありがたいことなんだろうけど。
「クレハさんはルイの側に行かなくていいのかよ?」
「あれだけ緊張しているのに側に行ってみろ。確実にテンパって、更に無口になるだろう」
「……だよな」
オレはガックリと肩を落とした。カエデさんの問題点は、幼かったルイといられなかった時間が問題なんだ。ルイはもう、魔法使い的には成人年齢。でも、カエデさんの中では完全に幼児扱い。そのギャップが。
「カエデさんには赤ちゃんが必要なんじゃねぇの」
オレとルイで作った卵はまだ、手元にあって、寮の部屋でキンとギンに守られてる。一定年齢に達すると与えられる卵を、オレとルイが卒業するまで与えるのを凍結された状態では、渡すことができねぇからな。
「どう考えたって、年齢の逆行は無理だしさ。いくら魔法使いでも、それはできねぇし」
「当たり前だ。今のルイは過去があるからこその存在だからな」
「クレハさんは認めてるのか?」
「当たり前だ。悩んで苦しんだからこそだろう。もし、俺達が育て直したとしても、今のルイにはなりえない」
確かにそうだけどさ。あ……、ルイがカエデさんの攻撃に屈した。机に突っ伏し、降参体勢だ。まあ、カエデさんが変わることはないんだし、ルイが慣れるしかねぇよな。クレハさんが客観的に見てくれるからまだ、マシなんだと思うけど。気が付いてねぇだろうな。
終わり。
オレは今、クレハさんとある場所を見てる。どこを見ているかというと、ルイとカエデさんだ。年末年始にオレの実家に滞在して、ルイの実家に移動。まだ、ぎこちないのは仕方ないとはいえ、ルイが凄く戸惑ってる。二人で食事を作るのは当たり前になってきてるし、話も自然にできるようにはなってるけどさ。こう、カエデさんと二人にされるとルイが固まるんだよな。
「あれはカエデのせいだな」
クレハさんが小さく息を吐き出した。ルイは色をカエデさんに貰って、容姿はクレハさんに貰ったんだろうな。三人で立つと確かに二人の特徴を持ってはいるけど。
「大好きオーラ出しすぎだよな」
「やはり、そう思うか?」
「思う」
他人に寄せられる好意には慣れていても、親に向けられるあからさまな好意に慣れてねぇんだとは思う。しかも、カエデさんはそれを隠してもいない。全面で主張している。それを感じ取ったルイが緊張する。見ている分には楽しいけどさ。本人にはたまったもんじゃねぇだろうな。
元はと言えば魔法省がいけないんだしさ。完全に距離を置くように言われて、カエデさんは相当我慢したんだと思うんだよ。クレハさんもだろうけど。カエデさんが側にいたから、ブレーキがかかるんだろうな。それは、ルイ的にはありがたいことなんだろうけど。
「クレハさんはルイの側に行かなくていいのかよ?」
「あれだけ緊張しているのに側に行ってみろ。確実にテンパって、更に無口になるだろう」
「……だよな」
オレはガックリと肩を落とした。カエデさんの問題点は、幼かったルイといられなかった時間が問題なんだ。ルイはもう、魔法使い的には成人年齢。でも、カエデさんの中では完全に幼児扱い。そのギャップが。
「カエデさんには赤ちゃんが必要なんじゃねぇの」
オレとルイで作った卵はまだ、手元にあって、寮の部屋でキンとギンに守られてる。一定年齢に達すると与えられる卵を、オレとルイが卒業するまで与えるのを凍結された状態では、渡すことができねぇからな。
「どう考えたって、年齢の逆行は無理だしさ。いくら魔法使いでも、それはできねぇし」
「当たり前だ。今のルイは過去があるからこその存在だからな」
「クレハさんは認めてるのか?」
「当たり前だ。悩んで苦しんだからこそだろう。もし、俺達が育て直したとしても、今のルイにはなりえない」
確かにそうだけどさ。あ……、ルイがカエデさんの攻撃に屈した。机に突っ伏し、降参体勢だ。まあ、カエデさんが変わることはないんだし、ルイが慣れるしかねぇよな。クレハさんが客観的に見てくれるからまだ、マシなんだと思うけど。気が付いてねぇだろうな。
終わり。
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