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月の箱庭
21 街
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「どうだった」
薄闇の中、良く通る声が響く。
「情けないですね。まあ、彼奴に成果を求めるのは無理でしょうが」
冷静な声が答えた。
「仕方あるまい。あれに求めているのは死なずに存在し続けることだ」
隠ったような笑いが聞こえてくる。
「確かに」
仕方ないというように、同意した。
†††
一行は建物が建ち並ぶ街の外れに辿り着いた。本来なら活気にあふれているであろう場所は廃墟となり、風が吹く度に土埃が舞う。
先の戦闘で体力と気力を削ぎ取られ、一行は疲れはてていた。手頃な場所を物色し、おそらく、宿屋であった場所にアシャンティは結界を張った。
ゼディスはグロウの背のデュナミスを抱え上げた。右頬に走る傷は血が乾き少し盛り上がっていたが、たいしたものではないようだった。
「また、足止めね」
グウェンティアは落胆する。
「仕方あるまい。あれはお前でも怯んだだろう」
グロウの言葉にグウェンティアは肩を竦めた。あの四凶は強いわけではないのだろう。ただ、存在し、醜悪な姿と悪臭で怯ませ、永遠とも言える生命力を持ち、確実に相手を疲れさせる。もし、あの場所に別の四凶がいたら決して勝てないだろう。単独であったからこそ、逃げ切れたのだ。
「デュナミスは良く耐えたよ」
ゼディスはアシャンティが何処からか持ってきたシーツの上にデュナミスを横たえた。
「最後の最後に顔付きが変わったな」
グロウはデュナミスを見下ろすと言い切った。
デュナミスはあの戦いで自分の置かれた状況に初めて気が付いたのかもしれないと、グウェンティアは解釈した。今までは良く判っていなかったのだろう。
「地下にこんな物がありました」
アシャンティは両手に何かの袋を抱えていた。中に入っていたのは、携帯食なのか堅く焼きしめたパンと干し肉が入っている。
「よく残っていたわね」
グウェンティアは呟いた。逃げ惑い人々は持てる物を全て持ち逃げた筈だ。残っているという事は、逃げ遅れたのか忘れていたのかのどちらかになる。
「今は有り難いわね。でも、大丈夫かしら」
グウェンティアはアシャンティが手に持つ食物に手を伸ばした。ゼディスは二人に近づきアシャンティが見つけてきた物を吟味する。
「普通の携帯食みたいだな。大丈夫じゃないか」
ゼディスはぶっきらぼうに言った。
「手元の食料は乏しいんだ。手に入ったならそれでいいのではないか」
グロウは警戒の視線を建物の外に向け気配を探る。
「休息は必要だ」
ゼディスは置いてある椅子に腰掛けた。先の旅では日差しを遮る物がなかったが、今回は荒廃はしていても屋根のある建物がある。
それは精神的に有り難かった。陽射しが強ければ休んでいたとしても、体は常に無理をしている状態になる。疲れが癒えることなく、次の行動に移らなくてはならなかったが、今回はとりあえず屋根がある。
「で、目的地はここから近いのか」
ゼディスはグウェンティアを見上げた。この国を最も良く知っているのはグウェンティアだけだ。
「近くはないわね。丁度、修道院の真逆に位置しているから」
グウェンティアは肩を竦めた。この国の土地はそれ程、広くはない。元々が結界内にあったのだから、広い筈はないのだ。もし、正常に結界と封印が機能していたなら広くなっただろう。
しかし、不完全であったために再生された土地は狭い範囲であった。しかも、目的地が造られたのは千年前だ。城を中心に全てが作られたと考えると、狭い範囲に固まっている。
「ただ、問題は森の存在なのよね」
グウェンティアは呟く。
「どういう事だ」
ゼディスは眉を顰めた。
「結界と外界の境界線は森なのよ」
つまり、大地が正常化すると結界は広がる。結界の端が森になるため、森に造られた建物は合わせるように移動する。
「森にあるものは森の中から出ない訳よ」
グウェンティアは続けた。目的の場所は南の森の中にある。修道院が北に位置しているので、移動距離は長くなる。
「城を迂回する道を進まなくてはいけないけど、逃げるのに必死でそこまで考えていなかったわ」
溜め息と共に肩を落とした。
「あのう」
アシャンティは躊躇いがちに口を開いた。彼女は目的地が何処であるのかを知らないのだ。
「目的地は何処なんですか」
これは訊いても問題ないとアシャンティは判っていた。
グウェンティアはアシャンティに視線を向け軽く目を見開いた。自分が知っていると、他者も知っていると思い込むことがあるが、グウェンティアがまさにその状態だった。
「忘れていたわ。教えてなかったわね」
「はい、教えていただけますか」
アシャンティはグウェンティアを見上げた。
「勿論よ。知っていてもらわないと大変だわ」
グウェンティアは自分の落ち度に嫌気が差した。腰に右手を当て、左手で顔を覆う。
「目的地は仮祭殿よ」
グウェンティアは顔を上げ、アシャンティに視線を戻す。
「仮祭殿」
アシャンティは首を傾げた。
「問題は仮祭殿は森の中にあるのよ」
グウェンティアは二人に語り出す。仮祭殿は外森の中にある。外森にあるという事は、日々、城から遠ざかっているわけだ。だが、今は結界と封印が不完全で距離は延びてはいない。問題は今いる場所にある。
「城に近付きすぎているのよ。まだ、城に行くわけにはいかないのに」
グウェンティアは吐き捨てるように言った。
「初代王がそこにいるのは間違えないだろうな。紅の予言書に記載されていた」
ゼディスは付け加えるように言った。
「紅はやはり予言していたのね」
グウェンティアは今更ながらに紅の三日月が持つ先見の力が凄ましかったことを痛感した。
「紅は何処まで先見したの」
グウェンティアは目を細めた。ゼディスは肩を竦める。
「仮祭殿までだ。そこからは破り取られていた」
ゼディスが知っているのは仮祭殿までで、その先は知らないのだという。
「故意に破り捨てたか、もしくは、知らないうちに失われたのか、村の人間は知らなかったからな」
紅が見ることが出来るのは先見であり、過去を見ることは出来ない。先見の力も完全ではない。
今回の事にしても、四凶がいることが判っていれば回避の方法もあった筈だ。
「最も重要な事柄のみだからな」
ゼディスは自虐的に笑った。
「四凶が地上に出てくることは予言書には載っていない」
「つまり、仮祭殿には行き着けるって事かしら」
グウェンティアは問う。
「行き着ける事になっていたな。だが、絶対じゃない。的中率は高いが、稀にはずれる時もある」
ゼディスは四凶が目の前に立ちはだかった時、紅の予言の穴をまざまざと感じたのだ。
「仮祭殿に行かなくてはいけないし、初代王を元の位置に戻さなくては、結界と封印を完成させられない」
グウェンティアは爪を噛む。
「初代王は何なのですか」
アシャンティは遠慮がちに問い掛けた。
「要なのよ」
グウェンティアは一言で答える。
「要なら、動かされたら結界も封印も安定せずに……」
アシャンティは思わず自身を抱き締めた。
「崩壊するわね。だから、急いでいるのよ」
グウェンティアは低い声音で呟く。時間は無いが、あわてて事を起こせば必ず失敗する。判っていたからこそ、慎重になったのだ。たが、予想外な事柄が次々と襲いかかってきた。
「デュナミスが倒れたのは仕方ないわ。外の世界を知らずにいたし、あれだけの魔物に襲われて生きていたのは奇跡よ」
グウェンティアの言葉にゼディスも同意した。本当に良く死なずに済んだと思っていた。
「ここは修道院から一番近い街よ。この先に村と街を合わせると三つ街道沿いにあるわ。でも、迂回しなくてはならないから、東か西に進むしかない」
グロウは黙って聞いていたが、少し唸り声を上げた。三人は何事かとグロウの見ている視線の先を見た。外は薄暗くなり、薄い闇が覆い始めている。
「グロウ」
グウェンティアは胸騒ぎを覚えた。
「何か来るぞ」
ゼディスも腰を浮かせて剣に手をかける。アシャンティはあわてて弓に手をかけた。
「何が」
グウェンティアも身構えた。何かが一行に近づいてくる気配が濃くなり、それと共に空気が変化した。その気配は、今まで感じたことの無いような、禍々しいものだった。
薄闇の中、良く通る声が響く。
「情けないですね。まあ、彼奴に成果を求めるのは無理でしょうが」
冷静な声が答えた。
「仕方あるまい。あれに求めているのは死なずに存在し続けることだ」
隠ったような笑いが聞こえてくる。
「確かに」
仕方ないというように、同意した。
†††
一行は建物が建ち並ぶ街の外れに辿り着いた。本来なら活気にあふれているであろう場所は廃墟となり、風が吹く度に土埃が舞う。
先の戦闘で体力と気力を削ぎ取られ、一行は疲れはてていた。手頃な場所を物色し、おそらく、宿屋であった場所にアシャンティは結界を張った。
ゼディスはグロウの背のデュナミスを抱え上げた。右頬に走る傷は血が乾き少し盛り上がっていたが、たいしたものではないようだった。
「また、足止めね」
グウェンティアは落胆する。
「仕方あるまい。あれはお前でも怯んだだろう」
グロウの言葉にグウェンティアは肩を竦めた。あの四凶は強いわけではないのだろう。ただ、存在し、醜悪な姿と悪臭で怯ませ、永遠とも言える生命力を持ち、確実に相手を疲れさせる。もし、あの場所に別の四凶がいたら決して勝てないだろう。単独であったからこそ、逃げ切れたのだ。
「デュナミスは良く耐えたよ」
ゼディスはアシャンティが何処からか持ってきたシーツの上にデュナミスを横たえた。
「最後の最後に顔付きが変わったな」
グロウはデュナミスを見下ろすと言い切った。
デュナミスはあの戦いで自分の置かれた状況に初めて気が付いたのかもしれないと、グウェンティアは解釈した。今までは良く判っていなかったのだろう。
「地下にこんな物がありました」
アシャンティは両手に何かの袋を抱えていた。中に入っていたのは、携帯食なのか堅く焼きしめたパンと干し肉が入っている。
「よく残っていたわね」
グウェンティアは呟いた。逃げ惑い人々は持てる物を全て持ち逃げた筈だ。残っているという事は、逃げ遅れたのか忘れていたのかのどちらかになる。
「今は有り難いわね。でも、大丈夫かしら」
グウェンティアはアシャンティが手に持つ食物に手を伸ばした。ゼディスは二人に近づきアシャンティが見つけてきた物を吟味する。
「普通の携帯食みたいだな。大丈夫じゃないか」
ゼディスはぶっきらぼうに言った。
「手元の食料は乏しいんだ。手に入ったならそれでいいのではないか」
グロウは警戒の視線を建物の外に向け気配を探る。
「休息は必要だ」
ゼディスは置いてある椅子に腰掛けた。先の旅では日差しを遮る物がなかったが、今回は荒廃はしていても屋根のある建物がある。
それは精神的に有り難かった。陽射しが強ければ休んでいたとしても、体は常に無理をしている状態になる。疲れが癒えることなく、次の行動に移らなくてはならなかったが、今回はとりあえず屋根がある。
「で、目的地はここから近いのか」
ゼディスはグウェンティアを見上げた。この国を最も良く知っているのはグウェンティアだけだ。
「近くはないわね。丁度、修道院の真逆に位置しているから」
グウェンティアは肩を竦めた。この国の土地はそれ程、広くはない。元々が結界内にあったのだから、広い筈はないのだ。もし、正常に結界と封印が機能していたなら広くなっただろう。
しかし、不完全であったために再生された土地は狭い範囲であった。しかも、目的地が造られたのは千年前だ。城を中心に全てが作られたと考えると、狭い範囲に固まっている。
「ただ、問題は森の存在なのよね」
グウェンティアは呟く。
「どういう事だ」
ゼディスは眉を顰めた。
「結界と外界の境界線は森なのよ」
つまり、大地が正常化すると結界は広がる。結界の端が森になるため、森に造られた建物は合わせるように移動する。
「森にあるものは森の中から出ない訳よ」
グウェンティアは続けた。目的の場所は南の森の中にある。修道院が北に位置しているので、移動距離は長くなる。
「城を迂回する道を進まなくてはいけないけど、逃げるのに必死でそこまで考えていなかったわ」
溜め息と共に肩を落とした。
「あのう」
アシャンティは躊躇いがちに口を開いた。彼女は目的地が何処であるのかを知らないのだ。
「目的地は何処なんですか」
これは訊いても問題ないとアシャンティは判っていた。
グウェンティアはアシャンティに視線を向け軽く目を見開いた。自分が知っていると、他者も知っていると思い込むことがあるが、グウェンティアがまさにその状態だった。
「忘れていたわ。教えてなかったわね」
「はい、教えていただけますか」
アシャンティはグウェンティアを見上げた。
「勿論よ。知っていてもらわないと大変だわ」
グウェンティアは自分の落ち度に嫌気が差した。腰に右手を当て、左手で顔を覆う。
「目的地は仮祭殿よ」
グウェンティアは顔を上げ、アシャンティに視線を戻す。
「仮祭殿」
アシャンティは首を傾げた。
「問題は仮祭殿は森の中にあるのよ」
グウェンティアは二人に語り出す。仮祭殿は外森の中にある。外森にあるという事は、日々、城から遠ざかっているわけだ。だが、今は結界と封印が不完全で距離は延びてはいない。問題は今いる場所にある。
「城に近付きすぎているのよ。まだ、城に行くわけにはいかないのに」
グウェンティアは吐き捨てるように言った。
「初代王がそこにいるのは間違えないだろうな。紅の予言書に記載されていた」
ゼディスは付け加えるように言った。
「紅はやはり予言していたのね」
グウェンティアは今更ながらに紅の三日月が持つ先見の力が凄ましかったことを痛感した。
「紅は何処まで先見したの」
グウェンティアは目を細めた。ゼディスは肩を竦める。
「仮祭殿までだ。そこからは破り取られていた」
ゼディスが知っているのは仮祭殿までで、その先は知らないのだという。
「故意に破り捨てたか、もしくは、知らないうちに失われたのか、村の人間は知らなかったからな」
紅が見ることが出来るのは先見であり、過去を見ることは出来ない。先見の力も完全ではない。
今回の事にしても、四凶がいることが判っていれば回避の方法もあった筈だ。
「最も重要な事柄のみだからな」
ゼディスは自虐的に笑った。
「四凶が地上に出てくることは予言書には載っていない」
「つまり、仮祭殿には行き着けるって事かしら」
グウェンティアは問う。
「行き着ける事になっていたな。だが、絶対じゃない。的中率は高いが、稀にはずれる時もある」
ゼディスは四凶が目の前に立ちはだかった時、紅の予言の穴をまざまざと感じたのだ。
「仮祭殿に行かなくてはいけないし、初代王を元の位置に戻さなくては、結界と封印を完成させられない」
グウェンティアは爪を噛む。
「初代王は何なのですか」
アシャンティは遠慮がちに問い掛けた。
「要なのよ」
グウェンティアは一言で答える。
「要なら、動かされたら結界も封印も安定せずに……」
アシャンティは思わず自身を抱き締めた。
「崩壊するわね。だから、急いでいるのよ」
グウェンティアは低い声音で呟く。時間は無いが、あわてて事を起こせば必ず失敗する。判っていたからこそ、慎重になったのだ。たが、予想外な事柄が次々と襲いかかってきた。
「デュナミスが倒れたのは仕方ないわ。外の世界を知らずにいたし、あれだけの魔物に襲われて生きていたのは奇跡よ」
グウェンティアの言葉にゼディスも同意した。本当に良く死なずに済んだと思っていた。
「ここは修道院から一番近い街よ。この先に村と街を合わせると三つ街道沿いにあるわ。でも、迂回しなくてはならないから、東か西に進むしかない」
グロウは黙って聞いていたが、少し唸り声を上げた。三人は何事かとグロウの見ている視線の先を見た。外は薄暗くなり、薄い闇が覆い始めている。
「グロウ」
グウェンティアは胸騒ぎを覚えた。
「何か来るぞ」
ゼディスも腰を浮かせて剣に手をかける。アシャンティはあわてて弓に手をかけた。
「何が」
グウェンティアも身構えた。何かが一行に近づいてくる気配が濃くなり、それと共に空気が変化した。その気配は、今まで感じたことの無いような、禍々しいものだった。
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