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第104話 暗い部屋
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椿はお皿にリンゴやメロンなどの果物が丁寧に切っており、その切った果物を並べて綺麗に置いていた。椿はそれを出雲の前に持っていくと、出雲に剣をしまいなさいと言う。
「あれ? その剣ってあの試験の時のやつ?」
椿がそう聞くと、出雲はそうだよと返答をした。
「あの時のと少し色合いや形が違う気がするけど?」
椿の言葉を聞いた出雲は、そうかなと小首を傾げる。しかし出雲は気にしてはいなかった。
「まぁいいでしょ! この剣の名前は桜花って名前らしいよ!」
出雲が剣を掲げて言うと、椿は早くしまってと再度言った。その言葉を聞いて出雲は分かったよと言って腕輪に変化をさせた。
「それでいいのよ。 ほら、今は果物でも食べなさい。 晩ご飯は運ばれてこないから、少しでも栄養を取りなさい」
椿の言葉を聞いた出雲は、晩御飯でないのと驚いていた。
「晩御飯の時間過ぎてるし、手術後で目が覚めなかったから出なかったんじゃない? 雫さんに感謝ね!」
そう言い椿は雫の方を見ると、雫は気にしないでくださいと言っていた。
「美桜様を助けるために負った怪我だということですし、出雲君が美桜様のことを好きなのは見ていて分かりますからね」
雫の言葉を聞いた出雲は、そんなに分かるのと驚いた顔をして言う。すると雫はバレバレですと微笑して言う。出雲が果物を食べて楽しく談笑をしていると、部屋の扉が開いて初老の医師と若い女性の看護師が入ってきた。
「あ、黒羽さん! 目が覚めたんですね!」
看護師が駆け寄りながら出雲に言う。医師は雫を見ると、目が覚めたなら知らせてくださいと注意をしていた。
「申し訳ありません。 目が覚めたのが嬉しくて話をしていました」
そう聞いた医師は何かあったら大変ですからねと言い、出雲に聴診器や眼に光を当てますねと話しかけていた。
「はい。 お願いします」
出雲の言葉を聞いた医師は出雲の身体に聴診器を当てて、眼に光を当てていく。数分が経過すると、医師は問題ありませんねと言った。
「この分なら明日には退院できるでしょう」
そう聞いた出雲は良かったと言い喜んでいた。
「いつも孫と仲良くしてくれてありがとうね。 これからもよろしく頼むよ」
そう言いながら初老の医師は部屋を出て行き、看護師もそれに続いて部屋を出て行く。
「孫って……もしかしてあの人が琴音さんのお爺さんか!」
出雲がそう気がつくと、こちらこそお世話になっていますと声を上げて答えていた。医師から問題なしと聞いた出雲達は、退院準備をしようと決めた。出雲はベットから起きて、椿が切ってくれた果物を全部食べ終えた。出雲は雫と椿と共に少ない荷物を纏めて、明日の退院の準備をした。
「さて、退院の準備も終わったし後はゆっくり休んでね。 私はこれで帰ります!」
椿は出雲と雫に挨拶をすると、部屋を出て行った。雫は椿が出て行くのを見ると、出雲に退院後に貴族会議で決まったことをお伝えしますと言うと部屋を出て行った。
「美桜どうしているんだろう……何もされていいないといいけど……」
出雲は心配をしながらベットに横になって寝始めた。出雲が寝ている最中、日本にあるどこかの弦十郎の研究施設の地下にて、美桜は鎖に繋げられて暗い部屋の中に一人でいた。
美桜は周囲を見渡すも眼が慣れつつあっても暗い部屋を全て見ることは出来ない。どの位置に何があるか、自身が部屋のどの位置にいるかすらも分からなかった。美桜は両手両足を鎖で結ばれて地面に座らされていると、誰かが近寄ってくる足音が聞こえていた。
「誰? 誰かいるの?」
美桜は暗い部屋の中で周囲を見渡すも、人の気配を少し感じてる程度で誰かは分からなかった。
「あれ? その剣ってあの試験の時のやつ?」
椿がそう聞くと、出雲はそうだよと返答をした。
「あの時のと少し色合いや形が違う気がするけど?」
椿の言葉を聞いた出雲は、そうかなと小首を傾げる。しかし出雲は気にしてはいなかった。
「まぁいいでしょ! この剣の名前は桜花って名前らしいよ!」
出雲が剣を掲げて言うと、椿は早くしまってと再度言った。その言葉を聞いて出雲は分かったよと言って腕輪に変化をさせた。
「それでいいのよ。 ほら、今は果物でも食べなさい。 晩ご飯は運ばれてこないから、少しでも栄養を取りなさい」
椿の言葉を聞いた出雲は、晩御飯でないのと驚いていた。
「晩御飯の時間過ぎてるし、手術後で目が覚めなかったから出なかったんじゃない? 雫さんに感謝ね!」
そう言い椿は雫の方を見ると、雫は気にしないでくださいと言っていた。
「美桜様を助けるために負った怪我だということですし、出雲君が美桜様のことを好きなのは見ていて分かりますからね」
雫の言葉を聞いた出雲は、そんなに分かるのと驚いた顔をして言う。すると雫はバレバレですと微笑して言う。出雲が果物を食べて楽しく談笑をしていると、部屋の扉が開いて初老の医師と若い女性の看護師が入ってきた。
「あ、黒羽さん! 目が覚めたんですね!」
看護師が駆け寄りながら出雲に言う。医師は雫を見ると、目が覚めたなら知らせてくださいと注意をしていた。
「申し訳ありません。 目が覚めたのが嬉しくて話をしていました」
そう聞いた医師は何かあったら大変ですからねと言い、出雲に聴診器や眼に光を当てますねと話しかけていた。
「はい。 お願いします」
出雲の言葉を聞いた医師は出雲の身体に聴診器を当てて、眼に光を当てていく。数分が経過すると、医師は問題ありませんねと言った。
「この分なら明日には退院できるでしょう」
そう聞いた出雲は良かったと言い喜んでいた。
「いつも孫と仲良くしてくれてありがとうね。 これからもよろしく頼むよ」
そう言いながら初老の医師は部屋を出て行き、看護師もそれに続いて部屋を出て行く。
「孫って……もしかしてあの人が琴音さんのお爺さんか!」
出雲がそう気がつくと、こちらこそお世話になっていますと声を上げて答えていた。医師から問題なしと聞いた出雲達は、退院準備をしようと決めた。出雲はベットから起きて、椿が切ってくれた果物を全部食べ終えた。出雲は雫と椿と共に少ない荷物を纏めて、明日の退院の準備をした。
「さて、退院の準備も終わったし後はゆっくり休んでね。 私はこれで帰ります!」
椿は出雲と雫に挨拶をすると、部屋を出て行った。雫は椿が出て行くのを見ると、出雲に退院後に貴族会議で決まったことをお伝えしますと言うと部屋を出て行った。
「美桜どうしているんだろう……何もされていいないといいけど……」
出雲は心配をしながらベットに横になって寝始めた。出雲が寝ている最中、日本にあるどこかの弦十郎の研究施設の地下にて、美桜は鎖に繋げられて暗い部屋の中に一人でいた。
美桜は周囲を見渡すも眼が慣れつつあっても暗い部屋を全て見ることは出来ない。どの位置に何があるか、自身が部屋のどの位置にいるかすらも分からなかった。美桜は両手両足を鎖で結ばれて地面に座らされていると、誰かが近寄ってくる足音が聞こえていた。
「誰? 誰かいるの?」
美桜は暗い部屋の中で周囲を見渡すも、人の気配を少し感じてる程度で誰かは分からなかった。
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