世界樹を巡る旅

ゴロヒロ

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第160話

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 翌日、朝起きると敷布団の代わりにしていた沢山の毛皮から身体を起こす

 「ふぁああ、ふぅ」

 あくびを一つすると、いつものように浄化魔法と健康魔法も使って身支度を済ませていく

 「ナビィ、おはよう」

 『おはようございます。ハルト』

 「軽く身体を動かすからその間にナビィに朝食を頼んでいいか?」

 『構いませんよ。メニューは私が食べたい物でもいいですよね?』

 「いいぞ。ナビィが好きな物で。じゃあ、少し離れた場所で身体を動かしてくるよ」

 ナビィが魔力を使い魔力腕を複数、生み出して操って、更にアイテムボックスから食材を出していくのを見ながら水分補給を済ませたハルトは、魔法で作り出した調理場から離れた場所に移動すると身体を動かしていく

 ナビィが調理している場所から離れたハルトは最初に身体を軽く動かしてから、アイテムボックスから取り出した世界樹の棒を使い素振りをしていく

 『ハルト、おはよう!』

 『プルプル!』

 そして世界樹の棒で素振りから次の幾つかの形稽古を始めていくハルトにヒスイから念話が届いた

 テント側の方を見るとヒスイと身体を揺らしてアピールするプルンが目に入った

 「ヒスイとプルンもおはよう。ナビィが朝食を作り終えるまで二人も身体を動かすか?」

 『うん、そうするよ!』

 『プルン!』

 そうしてヒスイとプルンも混ざったメンバーで身体を動かしていると、ナビィが朝食を作り終わりそうなのか、念話が来る

 『朝食があと少しで出来ますから綺麗にしてから来てください』

 「うん、分かった。じゃあ、そっちに向かうよ。ヒスイ、プルン。終わりにしてごはんに行くぞ」

 魔法を使い綺麗にしたハルトは、ヒスイとプルンを連れて行くと、既にテーブルには料理が盛られた皿が置かれていた

 今日の朝食は丸いパンとトマトのスープ、ソーセージに厚切りベーコン、サラダに目玉焼き、飲み物は甘い香りがするので水蜜桃の果汁が入った桃水だろう

 「これが今日の朝食か」

 『早く食べましょう!ハルトもお腹が空いているでしょう?』

 「そうだな。いただきます」

 『いただきます』

 『いただきまーす!』

 『プルプルン!』

 ハルトたちは朝食を食べ始める。そして朝食を食べ終わると、サルダンの町に帰るための準備を始める

 アイテムボックスに仕舞う物は仕舞って、調理場や浴槽などの土魔法で作った物はすべて土に戻していく

 「よし全部終わったな。ナビィ、何か忘れていることはないか?」

 『特にはないかと……あっ、でもサルダンの町に帰る前に洞窟の入り口に掛けた結界は解いておいた方がいいですよ。ハルトが結界魔法を使えるのがバレてしまいますから』

 確かにアイテムボックスだけではなく結界魔法も使えることが、冒険者ギルドにバレれしまうな。黙っていてくれると言うが、それでもどこからそう言った話が漏れるかは分からない

 「分かった。じゃあ、結界を解いておくよ。これ以外はないよな?」

 『私からはありませんよ』

 「ヒスイ、プルン。何かあるか?」

 『ないよ!』

 『プルプルン!』

 「なら結界を解いたらサルダンの町に帰るぞ」

 プルンはナビィの通訳でないと分かると、ハルトは安全地帯を作るために張った結界を解く。洞窟の出入り口の結界も解いておくとサルダンの町を目指して山を降りていった

 『ハルト、サルダンの町に着くのは夕方頃になるでしょうから、今日は少し遠回りしてサルダンに行きませんか?一泊野宿をして明日の午前中にサルダンに着いて冒険者ギルドで依頼の報告をするのはどうですか?』

 「まぁ、依頼もまだ期日には日にちがあるからな。なら、そうするか」

 冒険者ギルドで受けた依頼の期日はまだまだ余裕がある。それでハルトたちは、山からサルダンまでの道のりを行きとは違う場所を通って進んでいくことにした

 
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