世界樹を巡る旅

ゴロヒロ

文字の大きさ
上 下
116 / 248

第116話

しおりを挟む
 積もっていた雪が溶けた道を歩きながら魔境を目指して進んでいく。泥っぽくなっている地面を走り魔境の手前に着いた

 泥がはねてブーツやズボンに付いた泥が気になったが綺麗にするのは帰るときに綺麗にすればいいと思いピョンピョンと跳ねて移動するヒスイが隣に着地する時にまた跳ねた

 魔境に入ると魔境で活動しているモンスターたちも雪が積もっていた頃よりも活発に活動しているみたいで動き回っているのが感じられる

 「遭遇するモンスターが多くなってきたな」

 『雪も溶けて冬が終わる季節ですからね。モンスターたちも春になるまで活発に動いて食べ物を探しているんですよ』

 ナビィが言うには春になると多くの植物が芽吹き草食のモンスターが食べる植物も増えるが今はまだそれをほど生えておらず魔境の周囲の草食のモンスターが魔境に集まりそれを食べる肉食のモンスターも活発に動くらしい

 「魔力だけでも生きていられるのにそこまでモンスターも食べるのに必死なんだな」

 『それでもお腹は空きますからね。餓死するほどでもないので危険性は少ないですけど』

 倒したゴブリンの魔石を解体して取り出しながらナビィと話していると周囲の警戒を頼んだヒスイから念話で呼ばれた

 「ヒスイ、どうしたんだ?」

 『これみて!ハルト!』

 ヒスイが触手で指した場所を見ると丸くなっている何かがそこにはあった。世界樹の棒で突いて見ると固いグミの様な感触がそれからした

 「なんだこれ?」

 『ハルト!これスライムなんだよ!』

 「そうなのか?ヒスイ」

 『うん!』

 その後ナビィから教えて貰うとスライムは寒い時期には身体を小さく凝縮して凍らない様にして暖かくなると溶けた雪の水を吸ってまた元のサイズに近い大きさに戻る様だ

 「じゃあこのスライムは雪溶け水を吸えなくて元に戻れなくなったスライムなのか」

 『そうでしょうね』

 『ヒスイもハルトとけいやくするまえはさむいときはこんなふうになっていたんだよ。ハルト、このスライムにみずをあげてもいい?』

 この状態のスライムは何も出来なく後は水分を得られないとそのまま死ぬしかない様でそれが可哀想に感じたのかヒスイはこのスライムを助けてあげたいみたいだ

 スライムくらいならそれほどの脅威にもならないし助けても別にいいかと思う

 「ヒスイ、スライムに水をあげてもいいぞ」

 『いいの?』

 「あげていいぞ」

 ヒスイにスライムに水をあげる許可をするとヒスイは魔法を使い水属性魔力から水を生成する。生成した水を凝縮したスライムに掛けていくと少しずつスライムの身体は元のプルプルとした粘体状に戻ってきた

 元に戻ったスライムはプルプルと震えながらハルトとヒスイを見つめてくるだけで何もしてこなかった

 「スライムも元に戻ったしヒスイ、行くぞ」

 『うん!』

 また魔境探索に戻り崖に向かっているとハルトとヒスイの後ろを先ほど水をあげたスライムが付いて来ていた

 「あのスライム付いてくるな」

 『敵意は感じませんから攻撃してくる事はないかと思います。ヒスイ、あのスライムがなんで付いてくるのか聞いて来てください』

 『わかった』

 ナビィがヒスイにスライムがなんで付いて来るのか聞いてくる様に言うとヒスイは付いて来たスライムの方に向かった

 その後戻ってきたヒスイが言うにはあのスライムはどうやら俺たちの仲間になりたいそうで付いて来ていたみたいだ

 ハルトはナビィとヒスイにあのスライムを仲間にするのかどうかを相談した結果、仲間にすることになりハルトはスライムと契約する事にした

 契約したスライムの名前を決めようとナビィとヒスイに聞くとヒスイが決めた名前のプルンに決まった

 プルンのステータスを見るとプルンはまだ生まれてから一年も経っていない様で所持しているスキルも少なくあと一ヶ月で旅に出る事を考えると少しでも強くなってもらう為に泉に向かいこの一週間はプルンのスキルの取得に時間を使おうと思い移動速度が遅いプルンを抱えて泉まで急いで向かった
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。

モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。 日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。 今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。 そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。 特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。

念動力ON!〜スキル授与の列に並び直したらスキル2個貰えた〜

ばふぉりん
ファンタジー
 こんなスキルあったらなぁ〜?  あれ?このスキルって・・・えい〜できた  スキル授与の列で一つのスキルをもらったけど、列はまだ長いのでさいしょのすきるで後方の列に並び直したらそのまま・・・もう一個もらっちゃったよ。  いいの?

異世界転生漫遊記

しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は 体を壊し亡くなってしまった。 それを哀れんだ神の手によって 主人公は異世界に転生することに 前世の失敗を繰り返さないように 今度は自由に楽しく生きていこうと 決める 主人公が転生した世界は 魔物が闊歩する世界! それを知った主人公は幼い頃から 努力し続け、剣と魔法を習得する! 初めての作品です! よろしくお願いします! 感想よろしくお願いします!

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 ***************************** ***毎日更新しています。よろしくお願いいたします。*** ***************************** マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ

ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。 見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は? 異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。 鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。

処理中です...