世界樹を巡る旅

第91話

　Cランク試験で疲れた身体で冒険者ギルドを出て大熊亭に向かって行った。疲れたのかグデっとしているヒスイを抱えて大熊亭の中に入るとサーヤが受け付けでお手伝いをしていた

　「あっ！おかえり、ハルトお兄ちゃん！Cランク試験どうだったの！」

　「ただいまサーヤちゃん。Cランクになれたよ」

　「すごい！合格したんだね！」

　自分のことの様に喜んでいるサーヤを見ているとこちらも少しは元気が出てくる

　「部屋の鍵いいかな」

　「うん、ちょっと待っててね！」

　部屋の鍵を取りに向かったサーヤの後ろ姿を見ながら受け付けカウンターに下ろしたまだグデっとなっているヒスイをプニプニしながらサーヤが鍵を持って来てくれるのを待つ

　「鍵持ってきたよー！はい！」

　「ありがとうサーヤちゃん」

　サーヤから部屋の鍵を受け取ると昼食を一緒に食べる約束をして部屋に帰る

　部屋に入ると自身とヒスイに健康魔法と浄化魔法をかけて体調を整えて身体や着ていた防具を綺麗にすると着ていた防具を脱いで手入れをしていく

　手入れが終わった防具をアイテムボックスに仕舞い少しベットに横になる

　「ナビィ、眠ってしまったら昼ごはんの前に起こしてくれ」

　『分かりました』

　『ヒスイもいっしょにねるー！』

　ベットに横になった俺の隣にヒスイが跳び乗ってきて脇の間に入ってきた

　ヒスイの柔らかボディを指先でプニプニとしながらあくびをして目を閉じてゆっくりとしているといつの間にか眠ってしまった

　『ハルト、起きてください。昼食の時間になりますよ』

　そんなナビィの声を聞いて目を覚ました

　「ありがとうナビィ。どれくらい寝ていた？」

　『一時間くらいですね。もう少ししたら昼食の時間になります』

　俺が身体を起こすと隣で横になっていたヒスイも起き出していた

　アイテムボックスからコップを取り出して渇いた喉を潤すとヒスイを連れて部屋を出る時に丁度外から鐘の音が聞こえてきた

　一回に着くとサーヤと合流して食堂に向かった

　「ハルトお兄ちゃん！お父さんがね！ハルトお兄ちゃんがCランク冒険者になったからってお祝いに昼ごはんを豪華にしてくれるって！」

　「そうなのか？それならトーヤさんにお礼を言わないとな」

　「お母さーん！ご飯ちょうだーい！」

　「分かったわ。ハルト君も一緒なのね。ちょっと待っててね」

　「はい」

　厨房に向かったサーシャを見送る

　「ハルトお兄ちゃんは座って待っててね！」

　「分かったよ」

　サーヤに言われた通りに座って待っているとサーヤは厨房に向かって行くと大きなコップを二つ持って戻ってきた
　
　「はいこれ！」

　「サーヤちゃん、これってなんなのかな」

　紫色に近い色の飲み物がコップには入っていた

　「ハルトお兄ちゃん、疲れていたから治癒の実のジュースだよ！」

　『これは治癒の実のジュースですか。これはどの様な味なのでしょうね。ハルト、飲んでください』

　コップに入った治癒の実のジュースを飲んでみると確かに治癒の実の味もして美味しい

　「サーヤちゃん、これ美味しいよ」

　「でしょー！今の時期にしかないからね！」

　『これは治癒の実だけではなくオオカンの果汁も入っていますね。それに少量でしょうがハチミツも入っていて甘酸っぱくて美味しいですね』

　オオカンの果汁も入っていたのか。気づかなかったな

　『ハルト！ヒスイものんでみたい！』

　膝の上にいたヒスイが念話でそう訴えてきた。コップをヒスイの前に持って来るとストロー状にした触手でヒスイは治癒の実ジュースを飲んでいった

　「ヒスイ、美味しいか？」

　『ハルト！美味しいよ！』

　「ハルトお兄ちゃん！ヒスイちゃんも美味しいって？」

　「美味しかったって言ってるぞ」

　「そうなんだ！よかった！」

　治癒の実のジュースを飲みながら昼食を待っているとようやくサーシャが昼食を持ってこちらにきた