世界樹を巡る旅

第89話

　腕を組んだライアンに向かい弱体化のイメージを乗せた呪魔法の玉を世界樹の棒の先端から放ちながらライアンに接近して世界樹の棒を振るい攻撃していく

　「ふんっ！！こんな物効かんぞ！」

　放たれた呪魔法の弱体化玉は腕に魔力を纏わせたライアンの一撃で消し飛んでいった

　それに動揺したがナビィに精神を抑制されて落ち着くと世界樹の棒を振るい攻撃していく

　連続で攻撃していく俺の攻撃にライアンは地面に刺した大剣を引き抜いて受け流していく

　（大剣でこんな事が出来るのか！）

　『ライアンの動きは無駄のない動きです。それには大剣を自在に動かせる力と器用さがないとあの動きは出来ません』

　（試験官だけあって凄腕だな）

　『ヒスイもこうげきするよ！』

　追いついたヒスイが身体から五つの触手を出すとそれぞれを操り俺の邪魔をしないようにしながらライアンに攻撃していく

　どの触手にも先ほどの反省点を活かした魔力を混ぜ込めた酸が触手の先端に纏わせていてその攻撃を見抜いたライアンはヒスイの触手は避けながらヒスイが攻撃しにくい様に俺を利用できる位置に移動する

　『ハルトはそのままライアンと戦ってください』

　（ヒスイの邪魔になってるけどいいのか？）

　『構いません。それを利用するだけです』

　ナビィの指示通りにライアンに世界樹の棒だけではなく魔力弾や拳や蹴りを使用した近接格闘も仕掛けていきながら戦っていく

　「どの攻撃もCランクのモンスターには通用するくらいは出来るみたいだな！次はモンスターからの攻撃を防げるか見てやろう！！」

　俺とヒスイの攻撃を数回ほど受けたライアンはそう言って攻勢に出た

　コンパクトに振るわれる速い大剣の一撃を重量変化で重くした世界樹の棒で受ける

　（重い！速くて受け流せなかった）

　振るわれた一撃を防いだがその後ライアンの素早く振るわれる大剣の連続攻撃をギリギリで防ぐのがやっとでヒスイの攻撃をライアンが回避する時がしっかりと呼吸が出来る時だ

　「はぁ、はぁ……」

　『ハルト、防いでいるだけではいけません。私が魔法を使いますからその時に反撃をしてください』

　（分かった……ヒスイ、いけるな）

　『だいじょうぶだよ！』

　「ハルトいくぞ！！」

　息を整え健康魔法を使用して身体を回復しながら俺たちが作戦を決めているとまたライアンが攻めてきた

　先ほどの様にコンパクトにしてくるライアンの攻撃を防いでいく。重量を重くしたお陰でライアンの攻撃をなんとか防いでいるが先ほどよりも防ぐ事が出来そうにない

　『ハルト、魔法を使います！ヒスイもいいですね！』

　（わかった）

　『いいよ！』

　『ではいきますよ！』

　連続攻撃をしてくるライアンに向かいナビィが魔法を使用した。ナビィが使用した魔法は呪魔法混じりの水魔法で粘ついたその澱んだ水はライアンの顔面に当たり顔に張り付いている

　「なんだ！この水は！」

　粘着きながらライアンの顔中に蠢めいている水にライアンは驚き怯んだ。ナビィが放った蠢めく水を受けたライアンの纏っていた魔力の密度が減っているのに気付いてその隙に俺とヒスイは攻撃を仕掛けていく

　「はぁあぁぁっ！！」

　『おりゃ！』

　ライアンにもう攻撃をさせないように連続で攻撃を仕掛けていった

　「ぐはっ！」

　俺とヒスイの連続の攻撃により隙が出来てその隙にまともにダメージを与えられる一撃をライアンに食らわせた

　余裕のつもりか防具を着込んで来なかったライアンの鳩尾に世界樹の棒の突きが入り硬直したライアンに向かい攻撃をしていく

　「うぐっ……ぐぅ……ッッ……あぐっ……」

　一撃を入れてから隙が増えてきたライアンにダメージを与えていくがヒスイの攻撃はライアンも頑なに受けない

　「うぉぉおぁあ！！」

　ライアンは攻撃を俺の攻撃は受け続けながら大剣を大きく振りかぶって振り抜いてきた