世界樹を巡る旅

ゴロヒロ

文字の大きさ
上 下
86 / 248

第86話

しおりを挟む
 あれから数度モンスターの襲撃があったがどのモンスターも今の俺からすると格下のモンスターで二人の冒険者を見張りながらでも対処は出来ていた

 魔境から出ると外はだいぶ日が暮れ始めてもうそろそろ夕日になりそうだ

 「急がないと日が暮れる。今から走るから付いてこいよ。分かったか」

 後ろの襲ってきた冒険者たちにそう言うと震えながら返事を返してきた

 「ヒスイ、コイツらが遅れたら後ろから叩いてやれ」

 『わかった!』

 「行くぞ」

 日が暮れる前に町に戻りたいので冒険者たちを縛っている魔法で作った蔦を引っ張りながら走り始める

 最初は付いて来れていた冒険者たちも段々と走るスピードを落としていき遅くなってきた。そうすると後ろからヒスイが身体を伸ばした触手で背中を叩き痛みで強制的に走らせていく

 後ろで痛みを訴えてくる冒険者たちを無視して引きずりながらなんとか夕日が落ちる前に門まで着くことができた

 「そこで止まれ!こっちに来い!」

 門まで来ると門兵が止めてきて門兵のところまで向かう

 「それで後ろの縛られている奴らはなんだ?」

 「魔境で襲われたので倒して連れて来ました」

 俺は門兵の質問に正直に答える。門兵は俺の返事を聞いた後後ろの冒険者たちに話しかけた

 「そう言っているがお前らは襲ったのか?」

 「襲ってない!コイツがスライムを使って襲わせたんだ!!」

 「そうだ!コイツらいきなり俺たちを襲ってきて!それにビンスを殺したんだ!」

 冒険者たちは門兵の質問に対して嘘をついて答えていく。襲ってきたのはお前らだろうと苛つき身体から魔力が感情と共に身体の外に放出されていく

 「ひいぃ!」

 「殺さないでくれっ!」

 「落ち着いてくれ!その威圧を抑えてくれ!」

 『ハルト、魔力の放出をやめてください』

 どうやら苛つきと共に魔力を使用した威圧を放っていた様だ。ナビィの言う通りに魔力の放出を止めると辺りに放っていた威圧がなくなっていった

 「ふぅ、いきなり威圧するのはやめてくれ!……それでコイツらとは話が違うが何かあるか?」

 「そいつらが嘘をついているだけでしょう」

 「う、嘘じゃない!」

 冒険者たちを見てそう言うと一人は完全に怯えて黙っているがまだもう一人は怯えながらも反論してくる

 「どっちが言っている方が正しいのか真偽の結晶を使うから少し待て……おーい真偽の結晶を持ってきてくれ!」

 (ナビィ、真偽の結晶ってなんだっけ?)

 『真偽の結晶は嘘を見破る事ができる結晶ですよ。ほら、最初に町に入る時に使用したでしょ』

 (思い出した!アレのことか)

 どうやら最初にこの町に来た時に使った真偽の結晶を使うようだ。それから少し待ち別の門兵が真偽の結晶を持ってきた

 「これを持って質問をするぞ。この冒険者たちとお前が殺した冒険者が襲って来たんだな」

 「はい、そうです」

 答えると渡された結晶が青い光を放った

 「お前は嘘を言っていないようだな。次はお前たちだ!」

 真偽の結晶を門兵に返すと今度は襲ってきた冒険者たちに使わせていく

 「お前らがあの冒険者を襲ったのか!」

 「俺たちは襲ってねえ!」

 反論してきた冒険者がそう返答すると真偽の結晶は赤く光を放った

 「嘘をついているな。次はお前だ!お前も襲ったのか!」

 「ああ、そう、だ」

 怯えている冒険者が言うと真偽の結晶は青い光を放つ

 「どうやらお前たちが襲ったようだな。おい!コイツらを連れて行け!」

 「違う!俺は襲いたくなかったんだ!ビンスの奴が!!」

 「…………」

 反論していた冒険者は騒いで連れて行かれているがもう一人は項垂れて何も言わずに連れて行かれた

 「アイツらがお前のことを襲ったようだな。アイツらはなにも装備をしていないが魔境に捨てたのか?」

 「ここに入っています」

 アイテムボックスのスキルはバレたくないから収納袋を叩いて門兵に教える

 「なるほど収納袋か……その中に冒険者ギルドカードがあれば渡してくれ。アイツらは盗賊として処理するから盗賊の討伐の証として使う」

 「分かりました」

 収納袋から出す振りをしてアイテムボックスから三つの冒険者ギルドカードを渡した
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

人の身にして精霊王

山外大河
ファンタジー
 正しいと思ったことを見境なく行動に移してしまう高校生、瀬戸栄治は、その行動の最中に謎の少女の襲撃によって異世界へと飛ばされる。その世界は精霊と呼ばれる人間の女性と同じ形状を持つ存在が当たり前のように資源として扱われていて、それが常識となってしまっている歪んだ価値観を持つ世界だった。そんな価値観が間違っていると思った栄治は、出会った精霊を助けるために世界中を敵に回して奮闘を始める。 主人公最強系です。 厳しめでもいいので、感想お待ちしてます。 小説家になろう。カクヨムにも掲載しています。

スライムマスター

ゴロヒロ
ファンタジー
魔力を放出する事が出来ない病に犯されたカナタ そんなカナタは十歳の誕生日の日に神々からの祝福を受ける儀式を行なう そうして得た神々からのギフトにより病を克服したカナタの冒険が始まる カクヨムでも投稿してます

ゴミスキルでもたくさん集めればチートになるのかもしれない

兎屋亀吉
ファンタジー
底辺冒険者クロードは転生者である。しかしチートはなにひとつ持たない。だが救いがないわけじゃなかった。その世界にはスキルと呼ばれる力を後天的に手に入れる手段があったのだ。迷宮の宝箱から出るスキルオーブ。それがあればスキル無双できると知ったクロードはチートスキルを手に入れるために、今日も薬草を摘むのであった。

プラス的 異世界の過ごし方

seo
ファンタジー
 日本で普通に働いていたわたしは、気がつくと異世界のもうすぐ5歳の幼女だった。田舎の山小屋みたいなところに引っ越してきた。そこがおさめる領地らしい。伯爵令嬢らしいのだが、わたしの多少の知識で知る貴族とはかなり違う。あれ、ひょっとして、うちって貧乏なの? まあ、家族が仲良しみたいだし、楽しければいっか。  呑気で細かいことは気にしない、めんどくさがりズボラ女子が、神様から授けられるギフト「+」に助けられながら、楽しんで生活していきます。  乙女ゲーの脇役家族ということには気づかずに……。 #不定期更新 #物語の進み具合のんびり #カクヨムさんでも掲載しています

二度目の転生は傍若無人に~元勇者ですが二度目『も』クズ貴族に囲まれていてイラッとしたのでチート無双します~

K1-M
ファンタジー
元日本人の俺は転生勇者として異世界で魔王との戦闘の果てに仲間の裏切りにより命を落とす。 次に目を覚ますと再び赤ちゃんになり二度目の転生をしていた。 生まれた先は下級貴族の五男坊。周りは貴族至上主義、人間族至上主義のクズばかり。 …決めた。最悪、この国をぶっ壊す覚悟で元勇者の力を使おう…と。 ※『小説家になろう』様、『カクヨム』様にも掲載しています。

伯爵家の三男は冒険者を目指す!

おとうふ
ファンタジー
2024年8月、更新再開しました! 佐藤良太はとある高校に通う極普通の高校生である。いつものように彼女の伶奈と一緒に歩いて下校していたところ、信号無視のトラックが猛スピードで突っ込んで来るのが見えた。良太は咄嗟に彼女を突き飛ばしたが、彼は迫り来るトラックを前に為すすべも無く、あっけなくこの世を去った。 彼が最後に見たものは、驚愕した表情で自分を見る彼女と、完全にキメているとしか思えない、トラックの運転手の異常な目だった... (...伶奈、ごめん...) 異世界に転生した良太は、とりあえず父の勧める通りに冒険者を目指すこととなる。学校での出会いや、地球では体験したことのない様々な出来事が彼を待っている。 初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。 誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。 1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。

異世界転生漫遊記

しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は 体を壊し亡くなってしまった。 それを哀れんだ神の手によって 主人公は異世界に転生することに 前世の失敗を繰り返さないように 今度は自由に楽しく生きていこうと 決める 主人公が転生した世界は 魔物が闊歩する世界! それを知った主人公は幼い頃から 努力し続け、剣と魔法を習得する! 初めての作品です! よろしくお願いします! 感想よろしくお願いします!

処理中です...