世界樹を巡る旅

ゴロヒロ

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第65話

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 ゴブリンたちを倒し終わりアイテムボックスにゴブリンが使っていた武器をアイテムボックスに収納するとゴブリンの狩猟証明と魔石を解体して取っていく

 「解体も終わったしここを離れるか。ヒスイ、さっきはありがとう」

 ヒスイにそう言うと俺の周りをピョンピョンと跳ね回っている

 それから昼食を警戒しながら食べていき食べ終わると真っ直ぐに魔境を探索していると岩肌が剥き出しの崖のある場所に着いた

 「これでやっとこの魔境ゴブリン森林の中心近くまで来れたのか?」

 『中心の近くまでは来れてはいますがこの魔境が作られた魔力の穴である魔穴から魔力が噴き出ている場所まで行くにはこの崖を登る必要がありますね』

 「そうか。この、崖を登るのか」

 十メートルくらいありそうな崖を見上げていると騒がしく喋っているゴブリンたちが現れた

 急いで木の影に隠れてゴブリンたちの様子を確認する。ゴブリンたちを見ると新品の様な剣を持つゴブリンが一匹、丈夫そうな弓を持っているのが一匹、錆びている斧を持っているのが一匹、先端な向けて捻じ曲がりながら先端がこぶの様になっている杖を持っているのが一匹、そして倒しただろう鹿のモンスターを木と蔓を使って運んでいるゴブリンがニ匹いた

 (新品みたいな武器を持っているゴブリンたちは今までと比べると全然違って強そうだ)

 『強いと思いますよ。それにあの杖を持っているゴブリンは魔法を使って攻撃してくるでしょうね。注意してください』

 (どうやってあのゴブリンたちを倒そうか。どうしたらいいと思う、ナビィ)

 『やはり魔法でしょうね。ハルト、私も全力でサポートしますから木属魔法を使って攻撃しましょう』

 (分かった。でもどんなイメージで魔法を使えばいいか)

 『それなら世界樹の棒を地面に突き刺しそこからゴブリンたちに向かい地下から根を伸ばしていき地面から大量の根をゴブリンたちの足下から生やしてゴブリンたちを突き刺しながら絡みたくイメージはどうですか。こんなイメージです』

 ナビィの念話でそう言うと頭の中にゴブリンたちが突然地面から突き出してきた木の根で刺されながら絡みつかれて締め上げられるイメージがしている

 (これさっき念話で言っていたナビィの魔法のイメージなのか)

 『そうです。このイメージをしてください』

 (分かった。じゃあやるぞ!ナビィ)

 『やりますよ、ハルト。ヒスイは取り逃したゴブリンに向かい魔法で攻撃しながらこちらに来たゴブリンを止めてください』

 足下でプルプルとヒスイも震えながら伸ばした触手を動かしている

 先ほどのイメージを頭の中に浮かべながら世界樹の棒に魔力を送り込み魔法を使う

 世界樹の棒を地面に突き刺し魔法を発動する。根が地下から伸びていきゴブリンたちの下にまで行くとそこから広がっていき地面からゴブリンたちに向かい沢山の鋭い根が勢いよく生えてゴブリンを突き刺した

 ゴブリンたちはそのまま根による絡みつきが身体を締めていき苦痛に悲鳴を上げていった中そこから逃げ出せたゴブリンがいた

 生えた根はゴブリンたちに刺さったが剣持ちのゴブリンだけは身体を捻って躱し襲ってくる根をその剣で斬り払いながら木の根が生えた範囲から脱出した

 その剣持ちゴブリンは辺りを警戒しながら仲間のゴブリンを助けようと木の根を取ろうとしている時にそのゴブリンに向かいヒスイは火魔法を放った

 放たれた火魔法に気づいたゴブリンはそれを避けるとこちらに向かって襲ってきたが避けた事でゴブリンの背後にいた仲間のゴブリンたちに当たり木の根に引火して燃えていく

 接近してこようとしてくるゴブリンにヒスイは触手で応戦する。ヒスイはゴブリンの剣で触手が切られないように気をつけながらゴブリンの剣を捌いていき触手の表面に生成した酸で腐食して剣の耐久を落としていく

 世界樹の棒を地面から抜くと俺もヒスイの援護をしにゴブリンに向かい世界樹の棒を横に振り抜く

 それをゴブリンは剣で防ごうとしたが酸で耐久性が落ちた剣は折れてそのまま世界樹の棒はゴブリンの腰に当たり骨を折った感触が俺の手に感じた

 ゴブリンは攻撃が当たり地面に倒れた。ヒスイは倒れたゴブリンの首に触手を絡めるとそのまま首を絞めていく

 俺は木魔法を使い攻撃したゴブリンたちの方を見るとゴブリンたちは全身の皮膚が焼けていて一部は焦げついていた

 「倒し終わったみたいだな」

 『ハルト、この場所から急ぎ離れた方がいいです。アイテムボックスにゴブリンとゴブリンが使っていた武器を収納したらここから離れましょう』

 「分かった。そうするよ、ナビィ。ヒスイはそのままそのゴブリンにトドメを刺しておいてくれ」

 ヒスイが首を絞めているゴブリンを頼むと木魔法を攻撃したゴブリンたちに向かい熱さを我慢しながらゴブリンを収納していく

 次に武器を収納しようと思ったが弓や杖は燃えて残骸になっており斧だけアイテムボックスに仕舞う事が出来た

 ヒスイが倒したゴブリンと武器を収納するとヒスイと共に急いで先ほどいた場所を離れていった

 「ナビィ、やっぱりあそこに居たらモンスターに襲われるのか?」

 走って移動してだいぶ離れた所でナビィにそう聞く

 『そうですね。火魔法を使いあそこまで煙や臭いがしたならゴブリンたちがあの場に向かって来ていても可笑しくはありませんからね。ゴブリンはあの崖に穴を掘って巣を作っていると思いますから』

 「そうか、あそこに巣があるからか。自分の家の近くで火事があったら見にも来るか」

 町に帰る事にした俺たちは魔境を出る為に進んでいく。その途中でナビィが採取する様にいった植物やまだ食べられそうにない固く青い木の実なんかを採取して魔境を出る川に向かい今日倒したモンスターの解体をしていく

 解体が終わり浄化魔法で綺麗にした時に空を見ると夕暮れになりそうな空の色をしていた

 魔力を魔脈に多く送って身体活性をすると急いで町まで走っていく。ヒスイもこの前取得した跳躍スキルによるジャンプで進んでいく

 町の近くまで来るとアイテムボックスから今日の依頼分の解体したモンスターを入れた袋を担ぐと門兵にギルドカードを見せて町に入り解体場に向かい中に入っていく

 受け付けを済まして番号が呼ばれるのを待っていると見知らぬ冒険者に話しかけられた

 「僕の名前はビンスだ。それで君がこの前Dランクになったスライム使いのハルトかな」

 「スライム使いですか?」

 「ほら君はそのスライムをテイムしているから」

 「それでスライム使いですか。それで俺に何の用があるんですか」

 「君はスライムと魔境に入っているだろう。それじゃあ危ないと思ってね。僕たちのパーティーに入らないかい」

 似た様なことが前にもあった様な気がするがまあパーティーなんて組んでも報酬が減るだけだし断るか

 「すいませんが貴方のパーティーには入りません」

 「なんでなのかな。他のパーティーに誘われているからなのかい」

 「いえ、違いますが俺は一人で十分ですから」

 「そうかい。それじゃあ僕たちのパーティーには入らないんだね」

 「はい」

 「そうか、君たちが強くても魔境では何が起こるか分からないからね。十分注意する事だね。スライム使い」

 最初はにこやかにしていた冒険者ビンスだったが最後はこっちを睨みながらパーティーメンバーたちと共に去っていった

 (ナビィ、アイツらなんだと思う)

 『それなりに強い冒険者の様ですしハルトを利用しようとしているかヒスイが目当てなのかハルトの持っている収納袋に目をつけたのか。これくらいですかね』

 (やっぱり面倒臭い連中なのか)

 『ヒスイや収納袋が狙いならば襲撃があるかもしれませんね。魔境なら殺してもバレにくいでしょうから』

 (対人戦闘をしないといけないのか)

 『私がサポートするのでモンスターと戦うのと余り変わらないと思いますよ』

 (その時は頼むよ、ナビィ)

 ヒスイが足を触手で叩いてくる

 『ヒスイも頑張るそうですよ』

 「ヒスイも頼むよ」
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