世界樹を巡る旅

ゴロヒロ

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第26話

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 依頼達成書を持って冒険者ギルドの中に入るとこっちも解体場と同じくらいかなり混雑していた。どの列も大差なくセシリアのいる受け取りの列に並び待っていると別の列で騒いでいる人が居りチラッとそちらを見て視線を戻して待つ。騒ぎは受付嬢を口説く前の冒険者に後ろの冒険者が文句を付けて始まった様だ。騒ぎは口説かれていた受付嬢により止まり口説いていた冒険者は肩を落としてパーティーメンバーがいる所に帰っていった様だった。それからは騒ぎなどなく俺の番が来た。依頼達成書と冒険者ギルドカードを取り出して受け付けカウンターに置く

 「依頼達成の報告です」

 セシリアは渡された依頼書を確認して達成のハンコを押されているのを確認すると依頼報酬の金額のお金を引き出しから取り出してカウンターに置く

 「これが依頼の報酬の銀貨八枚と大銅貨一枚です」

 カウンターに置いてある銀貨を確認すると八枚ある事を確認して収納している間にセシリアは俺のギルドカードを魔道具だと思う何かに入れて操作している。操作が終わりギルドカードを渡される

 「ハルトさん、ランクアップおめでとうございます。これでFランクですね」

 「ありがとうございます」

 渡されたギルドカードを見るとランクの所に確かにFと書かれていた。それを見ていると後ろから早くしろと言われてそれからセシリアに挨拶をしてから冒険者ギルドを出て大熊亭に帰る

 (ランクアップしたなギルドカード)

 『そうですね。今まで受けていた依頼はFランクの依頼ですからEランクまでは大丈夫ですけどDランクになるにはゴブリン森林の魔境に入らないと狩猟依頼はないですから』

 (そうだな。他の依頼も護衛依頼くらいしかないしなそのランクになると……それにしても今日は少し疲れたな)

 『少し遠出をしましたしね』

 (お腹空いたけど今何時なんだ?)

 『あと一時間ほどで五の鐘が鳴りますよ』

 大熊亭に着き中に入ると店番にサーヤがいた

 「ただいま」

 「おかえりーハルトお兄ちゃん!」

 「部屋の鍵をお願いサーヤちゃん」

 「うん!待ってて!」

 部屋の鍵を取ってきたサーヤに鍵を渡される

 「今日もいっしょにごはん食べようよ!」

 「いいぞ。じゃあ部屋に戻るな」

 「うん!またあとでねー」

 二階の部屋に戻り着ていた装備を外そうとしている時にナビィが待ったと念話をしてきて外そうとしていた手を止める

 「どうしたんだ?ナビィ」

 『装備を脱ぐ前に下着の浄化を使ってください』

 「うん?……もしかして浄化を魔力操作を使って装備の汚れを取るのか?」

 『そうです。気づかれましたか。そうすれば装備の汚れも綺麗に出来ますからね』

 下着の装備スキルである浄化を魔力を使い発動してその浄化の力を服や鎧などの装備にスキルの集中を使って集中力を上げながら魔力が切れる前に身体も含めて綺麗にする

 「少し汚れていたけど綺麗になったな。これなら普段着ていた服や布も水洗いじゃなくて浄化を使えばよかったな」

 『そうですね。この事を言うのを忘れていましたから』

 「忘れてたんだ。まあいいけど……まだ夕食まで時間あるしどうしようか」

 装備していた防具を脱いで普段着の服に着替えながらナビィと話しているとナビィが提案してきた

 『それなら回復ポーションの為の下準備をするのはどうですか?鐘が鳴るまでには三十分以上ありますし』

 「そうしようかな」

 アイテムボックスからまな板、包丁を出す。その後は回復草と生命草を葉っぱと茎に切り分ける作業をする。ある時から葉っぱと茎を切り分ける作業の効率がほんの少し上がりナビィに作業をしながら聞くと素材加工のスキルを取得出来た様だ

 「ナビィ、素材加工ってどんなスキルなんだ?」

 『素材を加工する時に補正がかかるスキルですね。素材のランクが加工の時に落ちにくくなったり加工作業の速さや正確に加工出来たりなどの効果ですね』

 「この作業に役に立つな。一気にやろう」
 
 すべての回復草と生命草の切り分けが終わりアイテムボックスに葉っぱと茎をしまう

 「まだ時間ある?」

 『ありますけどまだやりますか?』

 「ギリギリまでやろうかな。草の臭いは装備スキルの浄化で取れるだろう?」

 『取れますね』
 
 「ならやるよ。集中スキルも使うから鐘が鳴る前に教えてくれ」

 『わかりました』

 すり鉢とすりこぎを取り出して下級回復ポーションを作る為の下準備の為に回復草のペーストを作り始める。ペーストを作り終わった時に作った生命草のペーストをどうするかで困った

 「ナビィこのペーストをどうしようか」

 『考えていなかったんですか?』

 「あーうん、考えてなかった」

 『そうですか……ならポーション瓶に入れて置けばいいのではないですか。使う時に計量カップで測った水を入れて取り出せば良いわけですし』

 「なるほどじゃあそうしよう」

 ポーション瓶をアイテムボックスから取り出して生命草のペーストを入れる。そのまま時間の限り生命草のペーストをナビィが時間を教えてくれるまで作り続けた。時間が来たとナビィから教えられた時に作業は丁度終わりポーション瓶に生命草のペーストを詰め終わった時だった為そのままアイテムボックスに今まで使っていた道具をしまい浄化の装備スキルを使って綺麗にしている時に五の鐘が鳴った

 「じゃあ下降りるか」

 『今日はポトフみたいですよ』

 「ポトフ……スープだったけ」

 『そうです』

 一階に降りると受け付けで俺が来るのをサーヤが待っていた

 「あっ、ハルトお兄ちゃん!」

 「もうサーヤちゃんは夕食食べられる?」

 「食べられるよ!お腹ぺこぺこだもん!」

 サーヤと食堂に向かうとまだ誰もお客さんは来ていなかった。食堂に入るとサーシャが給仕の仕事をしていてサーシャに夕食を頼むと自分で飲み物を入れてコップを持ち空いている席に向かう。その席は厨房の中が見えて厨房でサーヤの父親が器にポトフを入れているのが見えた。席に座ると反対の席にサーヤが座った

 「ハルトお兄ちゃんは飲み物何にした?」

 「麦茶にしたよ」

 「同じだね!今日は帰りが遅かったけど何かあったの?」

 「今日は昨日よりも遠くに行ったからね。大変だったよ」

 「たくさん出たのモンスター!」

 「魔境の方に行ったからね。モンスターの遭遇する回数が増えたんだよ。それに増えたモンスターの解体にも時間がかかったからね」

 「おー!そうなんだね!」

 話しているとサーシャがお盆を二つ持ってこちらに来た。お盆を目の前のテーブルに置かれお盆にはジャガイモ、タマネギ、ニンジン、ベーコンが入ったポトフと丸いパンの皿がなっていた

 「今日の夕食はポトフよ」

 「どれもお父さんの料理は美味しいから早く食べようハルトお兄ちゃん!」

 「そうだな」

 『「「いただきます」」』
 
 最初にポトフのスープを一口スプーンで掬って飲む

 「うん、美味しい」

 『そうですね。スープに野菜から出た旨味とベーコンから出た旨味が合わさって美味しいですね』

 ゴロッと入っているジャガイモやニンジンを食べるとホクホクとしていてスープを野菜が吸っている。パンを千切って食べたりスープに浸したりして夕食を食べ終わった

 「ふぅー、食った食った」

 『この料理も美味しかったですね!ハルト』

 (そうだな)
 
 食べ終わったお盆をカウンターにサーヤと下げているとサーヤがこの後どうするか聞いてきた

 「これからハルトお兄ちゃんはどうするの?」

 「部屋に戻って室内で出来る練習だな」

 「冒険者の?」

 「そうだよ」

 「どんな事するの!」

 サーヤが目を輝かせて聞いてくる。夕食を食べ始めた時とは違くもう周りには人がいる

 (俺は教えてもいいと思うけど教えても問題ない内容をナビィが考えてくれないか?)

 『構いませんよ』

 (今は周りに人がいるし内容は内緒にした方がいいと思うか?)

 『そうですね。そうした方がいいと思いますよ』

 声を小さくしてサーヤに今は教えられないと伝える

 「内緒の練習だからな……今度周りに人がいない時に教えた上がるよ」

 「ちゃんと教えてね!」

 サーヤはこの後お手伝いで給仕をするらしく俺は部屋に戻った

 
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