世界樹を巡る旅

ゴロヒロ

文字の大きさ
上 下
6 / 248

第6話

しおりを挟む
 リコプスの町に入り冒険者ギルドに向かう為に兵士のスコットに聞いた通りに広場に向かって歩きながら町の様子を見る。町の通路は地面が見えず石畳で作られ大通りにある建物は石製や木製の建物が並ぶなか広場の方は賑わっていた

 町の中には人間以外にも耳が獣の人がいた。それを獣人に会うとチラチラと見てしまう

 (ナビゲーションあれって獣人だよな)

 『はい、そうですよ。ハルトが気づいていなかったですけどエルフやドワーフもいました』

 (本当!見てみたかったな!)

 『その内会えますよ。旅をしていけばそれぞれの国にも立ち寄ることもありますから』

 (そっか。それにしてもいい匂いするな)

 遠目から見ると屋台がかなりある様だ。食欲が湧く様な肉が焼けている匂いも広場に近づいてくるとしてくる

 (ナビゲーション今って時間的に何時くらいなんだ)

 『もう四の鐘が鳴って経った頃ですからね午後三時は過ぎた頃ですね』

 (四の鐘ってなんだ?)

 『毎日時間になると教会の鐘が鳴るんです。それが午前六時に一の鐘、午前九時に二の鐘、正午に三の鐘、午後三時に四の鐘、午後六時に五の鐘、午後九時に六の鐘とこの時間に鐘が鳴るのでラフルトでは鐘の音に合わせて行動する人が多いです』

 (もっと時間がわかる様に時計とかないのか?)

 『ありますけど一般的には時計はないですね。高級品なので貴族やお金がある商会や上位の冒険者くらいしか持ってないでしょうね』

 (そっか時計が高級品なのか。まあ高いイメージがあるしな。それで少し小腹が空いてきたし食べてから冒険者ギルドに向かおうと思うけどどうかな)

 『冒険者ギルドに行ってからでもいいんじゃないですか。ギルドに登録しても時間的に依頼を達成できるかもわかりませんし登録したらすぐに宿屋で泊まる手続きをしないと部屋がなくなる可能性もあります。ですから今日は明日からの冒険者をやるのに必要な道具を買ったりするのに使ってその時に屋台で買えばいいんじゃないですか』

 (そうか。うーん……ならそうするか。じゃあ冒険者ギルドに行こう)

 広場の串焼きを少しの間我慢して冒険者ギルドに向かう。冒険者ギルドのある通りに向かうと途中に熊の形の大熊亭の看板が立てかけているのが見えた

 (看板ってぬいぐるみの熊の形なんだな)

 『そうみたいですね。冒険者ギルドの登録の前に宿の泊まる手続きでもしますか?』

 (宿取れなくなると困るし先にしようか)

 大熊亭に近づくとその熊の看板には今日の夕食のメニューの様な物があった。

 (今日のメニューはウサギのシチューみたいだな。それにしても結構凝っているなこの看板。カード状にした木の板に一文字ずつ文字を書いて木の溝に入れるなんて)

 『そうですね。ウサギのシチューはどんな味がするんでしょうかね』

 (ん、もしかして俺が食べた物の味がわかるのか?)

 『はい、わかますよ。ハルトの感覚を感じ取れますから』

 (そうなんだ。じゃあ楽しみだなシチュー)

 『ええ、屋台の串焼きも楽しみですから早く泊まる手続きをして冒険者ギルドに登録に行きましょう』

 (そうだな)

 大熊亭のドアを開け中に入ると受け付けに向かう。受け付けには背の低い獣の耳が付いている少女がいた

 「いらしゃいませー!まだ夕ごはんはできてません。五の鐘が鳴る頃に来てください!」

 「この宿に泊まりたいんだけど部屋は空いてる?」

 「泊まるお客さんだったんですね!お母さーん泊まる人来たよー!お母さんくるまで待っててね!」

 このくらいから仕事してるんだな。俺がこのくらい頃は遊んでばっかだったけどなと思い出しているとこの子の母親がやってきた。子どもと一緒の耳をチラッと見ていると

 「遅れてすみません。泊まりですね。一泊銀貨三枚ですけど何日泊まりますか?」

 「二日お願いします」

 「ではこちらに貴方の名前をお願いします」

 渡された名簿表に名前を書き収納袋から六枚の銀貨を出して母親に手渡す。すると棚にかけていた部屋の鍵を取り渡された

 「これは2-3の部屋です。朝食は一の鐘から二の鐘の間夕食は五の鐘から六の鐘の間ですからその間までに食べにきてください。お手洗いは一階にあります。出かける時には部屋の鍵は預かりますので部屋には貴重品は置かず持ち歩いてください。責任は取れませんのでサーヤお客さんを案内して」

 「はーい!お客さんこっちだよ!」

 サーヤと呼ばれた子どもについて二階に上がって行く。二階は六部屋ある様だ。二階の奥にある部屋に案内された

 「この部屋だよ!鍵開けて入って!」

 鍵を開けて部屋に入ると部屋の中はベットとテーブル、イス、クローゼットがありテーブルの上にはコップと水差しがある部屋だった

 「お客さん飲み水が欲しい時はは下に降りてきて水差しに水を入れるからね!。身体を洗う時は桶に入れる水はただだけどお湯は銅貨一枚だよ!」

 「そっかありがとう。案内してくれて」

 「うん!お兄ちゃんは冒険者なの?」

 「これから冒険者になりに行く所だよ」

 「そうなんだ!でもお金大丈夫なの?」

 「あーうん。大丈夫だよ。これから冒険者ギルドに行くから君に鍵を渡せばいいのかな?」

 「うん!わたしでも大丈夫だよ!それとわたしの名前はサーヤだよ!」

 「俺はハルトだよ。よろしくね」

 サーヤに鍵を渡して部屋から出て二人で一階に降りる。一階にはサーヤの母親はいない様だ

 「サーヤちゃんじゃあ行ってくるね」

 「ハルトお兄ちゃん行ってらっしゃーい!」

 サーヤに手を振られながら大熊亭を出る

 『元気な子どもでしたね。ハルトはあれくらいの歳の子が好みなのです?』

 (いや、元気な子だなと思って相手をしていただけだから普通に大人な人がいいよ。それよりラフルトにはあのくらいの子どもが通う学校とかないの?)

 焦りながらナビゲーションに答える

 『そうなんですね。安心しました。それで学校はありますよ。このリコプスにもでも午前中には終わったんだと思いますよ。あの子の歳で通うなら文字や計算くらいですからね。冒険者学校や魔法学校は大きい都市ならありますし貴族学院などは王都にありますからね』

 (そっかあるんだ。それにしてもサーヤやサーヤの母親はなんの獣人なんだ?)

 『熊の獣人ですよ』

 (だから大熊亭なのかもな)

 大熊亭からそこそこ歩き門の近くに行くとかなり大きな建物があった

 (かなりデカいな冒険者ギルド)

 『モンスターの解体場や保管する倉庫もあるでしょうから大きいのでしょうね』

 冒険者ギルドのドアを開けて入るギルドの受け付けは五人の女性ギルド職員の受付嬢がいた。見た限りその五人は美人なのがわかった。その中で一人二人ほどは並んでいる冒険者がいる様だったけど一人だけ並んでいない目つきが鋭い女性の所に行くことにした

 「冒険者ギルドにようこそ。ギルドの登録でしようか?」

 「はい、ギルドの登録です」

 ギルド登録だとなんでわかったんだ?と思いながら返事をする

 「私はセシリアといいます。これから冒険者ギルドの登録の説明をします。登録するには銀貨1枚とこの書類に名前、年齢、特技を書いてください。字が書けないなら代筆もできますよ」

 収納袋から銀貨を取り出しカウンターに置く

 「銀貨1枚ですね。これが書類です」

 「書けますから大丈夫です」

 世界樹の棒を立てかけ渡された紙に名前にハルト、年齢15、特技の所で書くのを一旦やめてナビゲーションに聞くことにした

 (恩恵スキルとか書いたら不味いよな)

 『そうですね。恩恵スキルはかなり不味いですよ。他にも変化スキルの【アイテムボックス】も他の冒険者や犯罪者にも狙われる可能性がありますからね。それに書類には特技と書いてありますから棒術と書いておけばいあと思います』

 (そうか……棒術っとこれで全部書けたな)

 書類を受付の女性に渡しすと女性はその書類を持ち離れていった。それから少しして鎖の付いたカードを持ってきた

 「これが冒険者ギルドカードです」

 ギルドカードを手渡された。ひんやりとしたそれは白色の金属でできていた。渡された冒険者ギルドカードを見てみると
冒険者ギルドカード
名前ハルト ランクG
採取0 狩猟0 街内0 護衛0 討伐0 緊急0 未達成0
と書かれていた



 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記

ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
 ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。  そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。  【魔物】を倒すと魔石を落とす。  魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。  世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

平民として生まれた男、努力でスキルと魔法が使える様になる。〜イージーな世界に生まれ変わった。

モンド
ファンタジー
1人の男が異世界に転生した。 日本に住んでいた頃の記憶を持ったまま、男は前世でサラリーマンとして長年働いてきた経験から。 今度生まれ変われるなら、自由に旅をしながら生きてみたいと思い描いていたのだ。 そんな彼が、15歳の成人の儀式の際に過去の記憶を思い出して旅立つことにした。 特に使命や野心のない男は、好きなように生きることにした。

念動力ON!〜スキル授与の列に並び直したらスキル2個貰えた〜

ばふぉりん
ファンタジー
 こんなスキルあったらなぁ〜?  あれ?このスキルって・・・えい〜できた  スキル授与の列で一つのスキルをもらったけど、列はまだ長いのでさいしょのすきるで後方の列に並び直したらそのまま・・・もう一個もらっちゃったよ。  いいの?

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

チートがちと強すぎるが、異世界を満喫できればそれでいい

616號
ファンタジー
 不慮の事故に遭い異世界に転移した主人公アキトは、強さや魔法を思い通り設定できるチートを手に入れた。ダンジョンや迷宮などが数多く存在し、それに加えて異世界からの侵略も日常的にある世界でチートすぎる魔法を次々と編み出して、自由にそして気ままに生きていく冒険物語。

異世界転生漫遊記

しょう
ファンタジー
ブラック企業で働いていた主人公は 体を壊し亡くなってしまった。 それを哀れんだ神の手によって 主人公は異世界に転生することに 前世の失敗を繰り返さないように 今度は自由に楽しく生きていこうと 決める 主人公が転生した世界は 魔物が闊歩する世界! それを知った主人公は幼い頃から 努力し続け、剣と魔法を習得する! 初めての作品です! よろしくお願いします! 感想よろしくお願いします!

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

処理中です...