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異世界生活の始まり
28 女神との再会
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「杏奈、いらっしゃい!待ってたわ~、さあ、こっちに座って!」
そこには、女神様がいた。…アフタヌーンティーのように、ティーセットをバッチリ用意して。
女神様、準備良すぎでは?
「女神様、こんにちは。あれ、そういえばユキは…?」
キョロキョロとあたりを見回すが、ユキの姿が見えない。
「女神様だなんて堅苦しい。私のことはノエルと呼んでいいのよ、ユキは…まあ、そのうち来るのではないかしら?はぁ…、ちょっと、別のところに呼ばれてしまったみたいね…。チッ、杏奈にばかり気を取られて油断していたわ…。」
油断?別のところ?ここに、敵なんて居ない…はずだよね?不穏なこと言わないで欲しいなぁ。そして、チッと小さく舌打ちが聞こえたのは気の所為…??
「あら、ごめんなさいね、心配しないで。こっちの事情なのよ。…ユキに、面倒なこと吹き込んでなければいいのだけれど…」
女神様がため息をつく。最後にボソボソと呟いていた言葉は…聞かなかった方が良かった気がしてならない。でも、ユキが関わっているとなると放っておくわけには…いかないのだろうな。
「杏奈は心配しなくて大丈夫よ、きっとすぐユキもここに来るわ。ねえ、新しい生活はどう?…と言っても、まだそちらの世界では数日しか経っていないでしょうけれど。」
「はい、順調…だと思います。ユキにも会わせてもらったし、向こうで出会った人もいい人たちで。女神…ノエル様にも、色々と持たせて頂けたので、感謝しています。」
「それは良かったわ。なにか不都合なことがあれば言ってね、杏奈に聞かずに勝手にやったところもあるから、要望があれば今なら多少の修正はできるわ!」
まだ7日経ってないし!って、クーリングオフのアフターフォロー付きでしたか。ノエル様、至れり尽くせりですね…。
加護付きの装備はいつも身につけられるものが良かったことを伝えたら、ピアスに女神の加護を付けたものをくれた。
「杏奈自身に加護を授けても良かったんだけど、それだと聖女認定されちゃうから、色々大変かと思って。まだあの世界に聖女は必要ないから、加護付きにするのは世界にあまり影響のないものが良かったのよー、特にあの服なら、誰も鑑定しようとしないでしょ?でも、そうよね、杏奈もオシャレしたいわよね、神様してると着替える必要も何も無いから、すっかりそんな感覚抜け落ちてたわ。」
なるほどなぁ。腐っても神様、研修の身でも世界への影響は計り知れないのね。
…でも。『まだ聖女は必要ない』とか…。ノエル様の言葉を拾っていくと変なフラグが立ちそうだから、聞き流そう、そうしよう!
◇◇◇
しばらくノエル様とお茶とおしゃべりを楽しむ。ノエル様の話ぶりだと、ユキも白い部屋に来ているはずなんだけど、なかなか来ないなぁ。ノエル様に聞いても、大丈夫よーしか言ってくれないし。
お茶のお代わりを貰おうかなとティーポットに手を伸ばした時、バタン!と背後から大きな音がした。
振り返ると、いつの間にか出現していた扉から、ユキともう1人、やけにキレイな顔をした男の人が入ってきた。
ユキもキレイなんだけど、この人は神々しいオーラが出ていてレベルが違う…!!長い青銀の髪を後ろで一つにまとめ、背はユキよりも少し高い。顔つきは、ノエル様に似ている?
「やあ、ノエル、君のお客人を連れてきてあげたよ。なかなかいい子を見つけたじゃないか。」
「イース様、ごきげんよう。わざわざお越しくださるなんて恐縮ですわ。でも、おかしいですね、何もなければ彼はここに来る予定だったんですけれど?なにかご存知ありません?」
ノエル様、ちょっとイライラが隠しきれてませんけど?あと、この人誰??
ユキを見ると、彼も困ったような顔をしてこっちを見ていた。…何か、厄介事かしら?
そこには、女神様がいた。…アフタヌーンティーのように、ティーセットをバッチリ用意して。
女神様、準備良すぎでは?
「女神様、こんにちは。あれ、そういえばユキは…?」
キョロキョロとあたりを見回すが、ユキの姿が見えない。
「女神様だなんて堅苦しい。私のことはノエルと呼んでいいのよ、ユキは…まあ、そのうち来るのではないかしら?はぁ…、ちょっと、別のところに呼ばれてしまったみたいね…。チッ、杏奈にばかり気を取られて油断していたわ…。」
油断?別のところ?ここに、敵なんて居ない…はずだよね?不穏なこと言わないで欲しいなぁ。そして、チッと小さく舌打ちが聞こえたのは気の所為…??
「あら、ごめんなさいね、心配しないで。こっちの事情なのよ。…ユキに、面倒なこと吹き込んでなければいいのだけれど…」
女神様がため息をつく。最後にボソボソと呟いていた言葉は…聞かなかった方が良かった気がしてならない。でも、ユキが関わっているとなると放っておくわけには…いかないのだろうな。
「杏奈は心配しなくて大丈夫よ、きっとすぐユキもここに来るわ。ねえ、新しい生活はどう?…と言っても、まだそちらの世界では数日しか経っていないでしょうけれど。」
「はい、順調…だと思います。ユキにも会わせてもらったし、向こうで出会った人もいい人たちで。女神…ノエル様にも、色々と持たせて頂けたので、感謝しています。」
「それは良かったわ。なにか不都合なことがあれば言ってね、杏奈に聞かずに勝手にやったところもあるから、要望があれば今なら多少の修正はできるわ!」
まだ7日経ってないし!って、クーリングオフのアフターフォロー付きでしたか。ノエル様、至れり尽くせりですね…。
加護付きの装備はいつも身につけられるものが良かったことを伝えたら、ピアスに女神の加護を付けたものをくれた。
「杏奈自身に加護を授けても良かったんだけど、それだと聖女認定されちゃうから、色々大変かと思って。まだあの世界に聖女は必要ないから、加護付きにするのは世界にあまり影響のないものが良かったのよー、特にあの服なら、誰も鑑定しようとしないでしょ?でも、そうよね、杏奈もオシャレしたいわよね、神様してると着替える必要も何も無いから、すっかりそんな感覚抜け落ちてたわ。」
なるほどなぁ。腐っても神様、研修の身でも世界への影響は計り知れないのね。
…でも。『まだ聖女は必要ない』とか…。ノエル様の言葉を拾っていくと変なフラグが立ちそうだから、聞き流そう、そうしよう!
◇◇◇
しばらくノエル様とお茶とおしゃべりを楽しむ。ノエル様の話ぶりだと、ユキも白い部屋に来ているはずなんだけど、なかなか来ないなぁ。ノエル様に聞いても、大丈夫よーしか言ってくれないし。
お茶のお代わりを貰おうかなとティーポットに手を伸ばした時、バタン!と背後から大きな音がした。
振り返ると、いつの間にか出現していた扉から、ユキともう1人、やけにキレイな顔をした男の人が入ってきた。
ユキもキレイなんだけど、この人は神々しいオーラが出ていてレベルが違う…!!長い青銀の髪を後ろで一つにまとめ、背はユキよりも少し高い。顔つきは、ノエル様に似ている?
「やあ、ノエル、君のお客人を連れてきてあげたよ。なかなかいい子を見つけたじゃないか。」
「イース様、ごきげんよう。わざわざお越しくださるなんて恐縮ですわ。でも、おかしいですね、何もなければ彼はここに来る予定だったんですけれど?なにかご存知ありません?」
ノエル様、ちょっとイライラが隠しきれてませんけど?あと、この人誰??
ユキを見ると、彼も困ったような顔をしてこっちを見ていた。…何か、厄介事かしら?
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