冴えない俺の異世界記

どど

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 声を掛けられ振り返ると金髪碧眼の男がいた。身長は高く体格もいい。
そして何よりイケメンだ!

 「僕の名前はルベルトだ。よろしくな!」

 握手を求められたので手を出し握るとぶんぶん振ってきた。
痛い、力強いなこいつ。

 「俺はアルトだ。」

 「俺はディアンだイケメンくん」 

 ディアンの声を聞こえないってことはこいつは神聖力は持ってないみたいだな。

 「君ら見ない顔だよな。どこから来たんだ?」

 正直に異世界からとは言えず、適当に答えておくことにした。

 「別の国からだ。」

 すると、いきなり肩を組んできた。
近い近い近い!!

 「そうなのか!?実は僕も他国から来ているんだよ。良かったら一緒に行かないか?仲間が欲しいと思ってた所なんだ。」

  断る理由もないからルベルトとチームを組んだ。
  それにしてもルベルトの顔が近い。
なんでこんなに近いんだ? なんか甘い匂いするし。
  俺達はルベルトと一緒に街を出るため門まで来た。
  ルベルトはこの街に来たばかりらしく、地理が全くわからないらしい。
 
 「それじゃあアルトが受けた薬草クエストの目的地まで向かおうか」

 「ああ、わかった。」

 こうして初めてのパーティーメンバーができた。
 門を出て少し歩いたところでディアンが話しかけてきた。

 『おい、あの男お前に対してやけに近くないか?』

 確かにやたら距離感が近かった。しかし悪い奴ではないと思うが・・・

 「ねぇ、アルトはどうして探索者をやってるの?」

 突然ルベルトが聞いてくる。

 「んー、成り行きかな?」

本当の事を言う必要もないので誤魔化しておく。

 「そうなんだ。僕は強くなりたくてね。」
 
 「へーそうなのか」

 「うん。強くなって世界中を旅しようと思っているんだ。」

 「世界中を旅か。楽しそうだな。」

 「ははっ、楽しいよきっと。」

 そんな話をしていると目的の森が見えてきた。
 目的の場所に到着した。
 森の奥の方に進むと視界が開け、大きな湖が広がっていた。
 湖の真ん中辺りに島があり、そこに生えている草が今回の目標の薬草である。
 俺達は早速採取を始めた。

 「割とすぐに見つかったな。しかもかなり群生してるもんだ。」

 「これ全部取るのか?」

 「まさか。必要な分だけ取って後は自然に返すさ。」

 「なるほど、アルトは良い奴だな」

 それからしばらく薬草を摘み続け、もうすぐ日が暮れようとしていた。

 「そろそろ帰るか。」

 「そうだね。」

 帰り道の途中の事だった。
 
 「きゃぁぁぁ!!」

 悲鳴が聞こえた。

 「今の叫び声は・・・」

 「間違いない。女性のものだ。」

 俺達は急いで声がした方に走った。
 木々の間を抜けると開けた場所に出た。
 そこには女性が3人の盗賊に囲まれていた。
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