明新館職員連続殺人事件

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一階のカウンターへ職員の人に祭が、
亡くなっている事を豊橋君と共に
知らせにいった。
その職員の人には、「またか。」という
感じで対応してくれていた。
仮にも赤の他人といえど人が亡くなっている
のに、なんて冷静な対応なのだろう。
遠くから、警察に電話を
している声が聞こえる。
数分後にカウンターへ戻ってきた。
「たった今、警察へ連絡しました。
もうすぐで、到着するそうです。警察の方からの伝言なのですが皆さんは、第一ホールに
待機していて下さい。極力外には出ないようにとのことです。」
「わかりました。
どうもありがとうございます。」
そう、職員の方にお礼を言い豊橋君と共に
第一ホールに向かった。
第一ホールに入ると、驚くほどに静かだった。
きっとこの中に殺人犯がいるのだろうと
皆そう思っているのに違いない。
だから、下手なことは
言わずに黙っているようにも思える。
「すげー、静かだな。」
隣にいる豊橋君が、話しかけてきた。
彼は、少々この状況に怯えているみたいだ。
これから、どうなってしまうのだろうと。
皆もそう思っているのが、
ひしひしと伝わってくる。
私ももう、この場から 
逃げ出して家に帰りたいと切実に思う。
すると、私達からずいぶん遠い方から
甲高い声が聞こえてきた。
「もう、私こんなとこ行たくない!
ほんと、ムリ。 帰るわ。」
声の主は、家会 礼だった。
家会は、そう言うと私達のいる
第一ホールの入り口に向かって歩いてきた。
さすがに、止めなければそう思い私は
勇気をふりしぼり家会 礼を止めることにした。
「家会さん、さすがに止めた方がいいよ。
もしかしたら、今日で帰れるかもしれないし…
もう少しだけ待たない?」
緊張で、声が震えてしまう。
「は? いや、大丈夫でしょ? 何様? 」
誰に意見してんのかそんな風な言い方だった。
見下されているのが、よく伝わる。
余計な事は、しなければよかった。
後悔しても、もう遅いのだけれど…
家会は、私の横を過ぎ去り第一ホールから
姿を消した。
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感想 1

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みんなの感想(1件)

まみ夜
2017.07.27 まみ夜

はじめまして。
同じ曜日の同じ時間に遺体が「見つかる」のならば、二体目か三体目で、警察が建物ごと閉鎖するかなあ、と思いました。
続きが楽しみです。

翠
2017.07.27

まみ夜さん、初めまして。
作品を読んで頂き、ありがとうございます。
感想まで頂けてとても嬉しいです!
とても励みになります。
そうですね…。 閉鎖の件は、
読んでのお楽しみということで…(笑)
また作品の続きも投稿すると思いますので、
是非読んで、頂けると嬉しいです。

解除

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