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第三大陸編
ムスペル火山帯③
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ダンジョンに向かう前に、カプリス達と合流するためチャットで宿を聞き向かった。
到着して驚いたのは、中心街にあるだけあって綺麗な外装をしており、見てくれからしてもう高級宿。
なんちゅうところに宿取ってんだアイツ。
とりあえず中へ入ろう。
宿の中に入り、ロビー奥にある受付でカプリスの名前を出して了承を得てから部屋へ向かった。
場所は二階の一番奥の角部屋だった。
部屋の扉をノックする。
『はーい。どちら様ー?』
「ノアだ。入れてくれ」
『ほーい』
中から返答があり扉が開かれた。
「おかえりー! なんかいい依頼あったー?」
「ああ、ヘルダンジョンスネークの牙三本納品だ。場所はレベル6ダンジョンのホール。準備したら早速行くぞー」
「はーい! 皆にも伝えて来るねー。中で待ってて」
「ういー」
部屋の中に入り、備え付きのソファーに腰掛けて待つことに。
さすがいい宿なだけあって三部屋に分かれており、そのうちの一つをカプリスが使っているようだ。
暫くのんびりしているとギルターがとことこと俺の横に歩いてきた。
『主よ。レベル6ダンジョンとはどういうところだ?』
「レベル4000~6000帯のモンスターが出て来るダンジョンだな。お前らのいたダンジョンがレベル8に分類されてるっぽいから、レベル6ならそこそこ強いダンジョンの方だ」
ゲームの時はインスタントダンジョンって言われてて、野良やギルメンとかでパーティー組んで遊んでいたのはいい思い出。
インスタントダンジョンと言われているのは主にパーティー攻略推奨のダンジョンで、レベル7ダンジョンまでの事を言い、レベル8ダンジョンとされているオリジンたちのダンジョンはゲーム時代には存在しなかった。こちらで言うレベル8ダンジョンとされているオリジンのダンジョンは、ゲーム時代ではレベル設定はされておらず、レイドダンジョンとして設定されていた。レイドダンジョンとはギルド単位での攻略を推奨されているダンジョンの事だ。
どのダンジョンも推奨なだけであってソロで入っても問題なかったので、俺は経験値稼ぎのためにずっと周回していたわけだ。正直ワールドにいるモンスターよりも経験値美味いしな。
そんな懐かしいゲーム時代を思い出していると、女性二人と一匹が俺の所にやってきた。
「お待たせー!」
カプリスはいつもの防具姿、リーリスは白いワンピースの上に軽装甲を身に着けている。
「行くか」
「場所はー?」
「ホール」
「あー、あそこかぁ。あそこは何故か涼しいんだよね! やった!」
カプリスの言う通りホールはムスペル火山帯に存在するダンジョンの中で一番涼しいダンジョンだ。
ゲームなら暑さは気にしなかったが、現実となると危険とはいえ避暑地として人は結構いそうな気がする。
宿から出てダンジョンに向かう。
ホールはフレイディアの南西区内にあるダンジョンなので、街中を進んでいく。
道中、出店でお菓子を買い、つまみながら向かう。
「あ、マスター。それ頂戴!」
「ほれ」
「あーん」
俺がつまんでいたちっさいドーナツをカプリスに差し出す。
彼女はそれを口で受け取った。
そんな光景に、おやつをねだる犬が頭の中に浮かぶ。
『ねだる犬と主人だな』
『あ、私もそれ思いました!』
「カプリスは元気のいいわんちゃんですね」
「犬扱いやめろぉー!」
さすが我がパーティーメンバー。
考え付く場所は一緒だった。
そんなこんなしてるうちにレベル6ダンジョン、ホールへと辿り着いた。
やはりと言うか、なんと言うか、ホールから漏れ出す涼しい風により体感温度が他より低く感じる入り口周辺には、屋台がたくさん並んでおり、人で賑わっていた。
レベル6ダンジョンであるホールは、その名の通り地面に空いた穴のダンジョンだ。
直径二百メートルはある大穴のダンジョンであるホールは、穴の回りをぐるりと一周壁で囲われており、東西南北に4つ入り口が設けられており、俺達がいるのは西側の入り口だ。
こういう大型のダンジョンが街中にあるため、フレイディアは迷宮都市の中でも最大の規模を誇る。
『主よ。肉だ』
「帰りにな」
『約束だぞ!』
そう言って尻尾を振りながら足早に進み始めるギルター。
その背には狼の威厳は影も形もないな。
『食い意地が張ってますね』
「腹ペコ狼だからしょうがないさ」
「マスター! べっこう飴売ってる!」
「帰りにな」
「約束だかんね!」
「はいはい」
そう言ってギルターのあと追うように小走りで入り口へ向かうカプリス。
「犬扱いするなと言う割にはやってることがギルターと一緒じゃないですか。あの子」
「それな」
まぁ、俺もべっこう飴には惹かれる物があるから帰りにちゃんと寄ってやろうか。
もう十数年食べてないなぁ。
既に帰りのことを考えながら、俺達はホールの入り口へと足を進めた。
入り口まで来ると、何やらカプリスとギルが兵士らしき人に止められていた。
───────────────────────
お読みいただきありがとうございます!
更新遅れてしまい、大変申し訳ありませんでした!
言い訳をしますと年度末につき仕事が繁忙期で、アルファポリスにも顔を出せておりませんでした。
やっと仕事の方も落ち着いてきたので、出来るだけ早く更新していきますので、応援よろしくお願いします!
到着して驚いたのは、中心街にあるだけあって綺麗な外装をしており、見てくれからしてもう高級宿。
なんちゅうところに宿取ってんだアイツ。
とりあえず中へ入ろう。
宿の中に入り、ロビー奥にある受付でカプリスの名前を出して了承を得てから部屋へ向かった。
場所は二階の一番奥の角部屋だった。
部屋の扉をノックする。
『はーい。どちら様ー?』
「ノアだ。入れてくれ」
『ほーい』
中から返答があり扉が開かれた。
「おかえりー! なんかいい依頼あったー?」
「ああ、ヘルダンジョンスネークの牙三本納品だ。場所はレベル6ダンジョンのホール。準備したら早速行くぞー」
「はーい! 皆にも伝えて来るねー。中で待ってて」
「ういー」
部屋の中に入り、備え付きのソファーに腰掛けて待つことに。
さすがいい宿なだけあって三部屋に分かれており、そのうちの一つをカプリスが使っているようだ。
暫くのんびりしているとギルターがとことこと俺の横に歩いてきた。
『主よ。レベル6ダンジョンとはどういうところだ?』
「レベル4000~6000帯のモンスターが出て来るダンジョンだな。お前らのいたダンジョンがレベル8に分類されてるっぽいから、レベル6ならそこそこ強いダンジョンの方だ」
ゲームの時はインスタントダンジョンって言われてて、野良やギルメンとかでパーティー組んで遊んでいたのはいい思い出。
インスタントダンジョンと言われているのは主にパーティー攻略推奨のダンジョンで、レベル7ダンジョンまでの事を言い、レベル8ダンジョンとされているオリジンたちのダンジョンはゲーム時代には存在しなかった。こちらで言うレベル8ダンジョンとされているオリジンのダンジョンは、ゲーム時代ではレベル設定はされておらず、レイドダンジョンとして設定されていた。レイドダンジョンとはギルド単位での攻略を推奨されているダンジョンの事だ。
どのダンジョンも推奨なだけであってソロで入っても問題なかったので、俺は経験値稼ぎのためにずっと周回していたわけだ。正直ワールドにいるモンスターよりも経験値美味いしな。
そんな懐かしいゲーム時代を思い出していると、女性二人と一匹が俺の所にやってきた。
「お待たせー!」
カプリスはいつもの防具姿、リーリスは白いワンピースの上に軽装甲を身に着けている。
「行くか」
「場所はー?」
「ホール」
「あー、あそこかぁ。あそこは何故か涼しいんだよね! やった!」
カプリスの言う通りホールはムスペル火山帯に存在するダンジョンの中で一番涼しいダンジョンだ。
ゲームなら暑さは気にしなかったが、現実となると危険とはいえ避暑地として人は結構いそうな気がする。
宿から出てダンジョンに向かう。
ホールはフレイディアの南西区内にあるダンジョンなので、街中を進んでいく。
道中、出店でお菓子を買い、つまみながら向かう。
「あ、マスター。それ頂戴!」
「ほれ」
「あーん」
俺がつまんでいたちっさいドーナツをカプリスに差し出す。
彼女はそれを口で受け取った。
そんな光景に、おやつをねだる犬が頭の中に浮かぶ。
『ねだる犬と主人だな』
『あ、私もそれ思いました!』
「カプリスは元気のいいわんちゃんですね」
「犬扱いやめろぉー!」
さすが我がパーティーメンバー。
考え付く場所は一緒だった。
そんなこんなしてるうちにレベル6ダンジョン、ホールへと辿り着いた。
やはりと言うか、なんと言うか、ホールから漏れ出す涼しい風により体感温度が他より低く感じる入り口周辺には、屋台がたくさん並んでおり、人で賑わっていた。
レベル6ダンジョンであるホールは、その名の通り地面に空いた穴のダンジョンだ。
直径二百メートルはある大穴のダンジョンであるホールは、穴の回りをぐるりと一周壁で囲われており、東西南北に4つ入り口が設けられており、俺達がいるのは西側の入り口だ。
こういう大型のダンジョンが街中にあるため、フレイディアは迷宮都市の中でも最大の規模を誇る。
『主よ。肉だ』
「帰りにな」
『約束だぞ!』
そう言って尻尾を振りながら足早に進み始めるギルター。
その背には狼の威厳は影も形もないな。
『食い意地が張ってますね』
「腹ペコ狼だからしょうがないさ」
「マスター! べっこう飴売ってる!」
「帰りにな」
「約束だかんね!」
「はいはい」
そう言ってギルターのあと追うように小走りで入り口へ向かうカプリス。
「犬扱いするなと言う割にはやってることがギルターと一緒じゃないですか。あの子」
「それな」
まぁ、俺もべっこう飴には惹かれる物があるから帰りにちゃんと寄ってやろうか。
もう十数年食べてないなぁ。
既に帰りのことを考えながら、俺達はホールの入り口へと足を進めた。
入り口まで来ると、何やらカプリスとギルが兵士らしき人に止められていた。
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お読みいただきありがとうございます!
更新遅れてしまい、大変申し訳ありませんでした!
言い訳をしますと年度末につき仕事が繁忙期で、アルファポリスにも顔を出せておりませんでした。
やっと仕事の方も落ち着いてきたので、出来るだけ早く更新していきますので、応援よろしくお願いします!
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