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9月10日の4
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9月10日の4。
それは清みわたる空間で。
その子の部屋は清んだ空気が充満しており別に換気してない様子に見えるのだが、埃っぽい廊下とは大違いだ。
「さてと、まずは自己紹介からだな。 俺は元木玄弥、よろしくな。」
「あ……あの、僕は【天宮 空】よろしく。」
とても可愛らしい名前だと玄弥は頷いてみせるも、何やら腑に落ちないため一つ質問をしてみる。
「僕……か。 感じた雰囲気ではボーイッシュな少女なのだが?」
「う……えぇーと……、そのですね、何というか……。」
玄弥には自信があった。
同じ七曜神なら心を同調させ読むことができるためか、この子の真意を見いだそうとする自信が。
「なるほどな。 男だけのこの寮においてバレたくないわけか……。 まぁ、女と分かれば別物扱いされるのは傷付くものなぁ。」
その言葉に動揺し、何か言おうとするも空気が詰まって何も言えない彼女は黙り混んでしまう。
「あ……ぅ……。」
彼女自信もまたそう思っていたようだ。
自分が女とバレてしまえば、女だから無理するなと労働時間を削られてしまっては面目は丸潰れだし、ナメられてるようなものだと屈辱でならなく、それが許せなかったようだ。
「まっ、俺と二人っきりの時は少しは心を緩めても良いんだぜ。 なぁに、気にするな……新たな妹分が出来て嬉しいだけだ。 そら、試しに自分を私と言ってみろ。」
「わ……私……。」
モジモジと恥ずかしそうに言う様はまるで滑稽で、社会人に慣れない男が言うような感覚の言い分のように聞こえてぎこちなさが玄弥を直撃する。
別に笑いたくはないのだが笑ってしまい、それに膨れっ面の空は、笑うなとばかりにバシンと無言で叩く。
「痛て……へへっ、結愛や恋に反応は似て、感覚は桃子らしいな。」
「ふ、ふんっ……笑いたきゃ笑うがいいよ! 僕は……その、ぜ……全然痛くなんか無いんだからな!」
指をビシッと突き立てる辺りはそっくりで、やはり七曜神特有の雰囲気を醸し出すものはお互い似るものだ。
「おうっ、俺は痛くてもハートを受けとるならドンと来いだぜっ!」
玄弥も負けじとビシッと突き立てる。
「ま、真似をするなぁ……。」
彼女は面白くないのか膨れっ面のまま拗ねてしまうも、とうとう玄弥は頭をなでなでしてしまう。
「なぁっ!? うっ、けほっ……おほんっ!」
空はすっとんきょうな声をあげ、ようやく素の声を出したのか可愛らしい声で話すも、瞬時に気がつき声の質を元に戻す。
でも玄弥はそれが良いと頷く。
「お互い結愛なんだからよ、まぁ……隠し事してもわかるわな。 けど、あまり無理は禁物だぜ。」
無理はしないのが玄弥のモットーの一つなのだから、空が男で貫き通すのも良いがたまには息抜きもしておけとのこと。
それを心で伝えると立ち上がる。
「さてと、松茸は届けたし……次の配達もあるからよ。 俺はこの辺でオサラバするぜ。」
部屋を出ようとしたとき、彼女は素の声で一言だけ伝えた。
「ま……また来ても良いんだからねっ!」
それに答えた玄弥は振り返りもせずに、指でグッドマークを作ると一言だけ返す。
「おうよ!」
そう言い残すと、扉を閉めた。
空はせめて見送ろうと扉を開けて廊下を確認するも、涼しげな風が一瞬吹くだけで、探し回ったがどこにも居なくなっていたとさ。
男と男? の約束は固い。
それだけは言っておく。
それは清みわたる空間で。
その子の部屋は清んだ空気が充満しており別に換気してない様子に見えるのだが、埃っぽい廊下とは大違いだ。
「さてと、まずは自己紹介からだな。 俺は元木玄弥、よろしくな。」
「あ……あの、僕は【天宮 空】よろしく。」
とても可愛らしい名前だと玄弥は頷いてみせるも、何やら腑に落ちないため一つ質問をしてみる。
「僕……か。 感じた雰囲気ではボーイッシュな少女なのだが?」
「う……えぇーと……、そのですね、何というか……。」
玄弥には自信があった。
同じ七曜神なら心を同調させ読むことができるためか、この子の真意を見いだそうとする自信が。
「なるほどな。 男だけのこの寮においてバレたくないわけか……。 まぁ、女と分かれば別物扱いされるのは傷付くものなぁ。」
その言葉に動揺し、何か言おうとするも空気が詰まって何も言えない彼女は黙り混んでしまう。
「あ……ぅ……。」
彼女自信もまたそう思っていたようだ。
自分が女とバレてしまえば、女だから無理するなと労働時間を削られてしまっては面目は丸潰れだし、ナメられてるようなものだと屈辱でならなく、それが許せなかったようだ。
「まっ、俺と二人っきりの時は少しは心を緩めても良いんだぜ。 なぁに、気にするな……新たな妹分が出来て嬉しいだけだ。 そら、試しに自分を私と言ってみろ。」
「わ……私……。」
モジモジと恥ずかしそうに言う様はまるで滑稽で、社会人に慣れない男が言うような感覚の言い分のように聞こえてぎこちなさが玄弥を直撃する。
別に笑いたくはないのだが笑ってしまい、それに膨れっ面の空は、笑うなとばかりにバシンと無言で叩く。
「痛て……へへっ、結愛や恋に反応は似て、感覚は桃子らしいな。」
「ふ、ふんっ……笑いたきゃ笑うがいいよ! 僕は……その、ぜ……全然痛くなんか無いんだからな!」
指をビシッと突き立てる辺りはそっくりで、やはり七曜神特有の雰囲気を醸し出すものはお互い似るものだ。
「おうっ、俺は痛くてもハートを受けとるならドンと来いだぜっ!」
玄弥も負けじとビシッと突き立てる。
「ま、真似をするなぁ……。」
彼女は面白くないのか膨れっ面のまま拗ねてしまうも、とうとう玄弥は頭をなでなでしてしまう。
「なぁっ!? うっ、けほっ……おほんっ!」
空はすっとんきょうな声をあげ、ようやく素の声を出したのか可愛らしい声で話すも、瞬時に気がつき声の質を元に戻す。
でも玄弥はそれが良いと頷く。
「お互い結愛なんだからよ、まぁ……隠し事してもわかるわな。 けど、あまり無理は禁物だぜ。」
無理はしないのが玄弥のモットーの一つなのだから、空が男で貫き通すのも良いがたまには息抜きもしておけとのこと。
それを心で伝えると立ち上がる。
「さてと、松茸は届けたし……次の配達もあるからよ。 俺はこの辺でオサラバするぜ。」
部屋を出ようとしたとき、彼女は素の声で一言だけ伝えた。
「ま……また来ても良いんだからねっ!」
それに答えた玄弥は振り返りもせずに、指でグッドマークを作ると一言だけ返す。
「おうよ!」
そう言い残すと、扉を閉めた。
空はせめて見送ろうと扉を開けて廊下を確認するも、涼しげな風が一瞬吹くだけで、探し回ったがどこにも居なくなっていたとさ。
男と男? の約束は固い。
それだけは言っておく。
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