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第2章【プレイン平原 】

助けてもらうことは恥ずかしいことではない

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 私は頭を真っ白にしながら同じくらいの年齢の少女に話しかけていた。
 そりゃもう無我夢中で何度とはっぱ草がなんなのかという要点を幾度となく話したような気がする。
 それくらい必死だったってわけで、本気で訴えれば同じ人間なら身ぶり手振りで伝わるはずさ……そう、人は古来よりこれをボディーランゲージと言う。

 え?
 一度要点話せばそれでいい?

 それができないからこっちは困ってるんだから察してよ、私なりの本気を見せつけてあげたんだからさ。

「なるほど、ちょうどボクもはっぱ草を探してたんだ。 奇遇だね……つい先程こっちも冒険者になったばかりで不安だったんだ。」

「そ、そうなんだ。」

「ボクはカイテン・イロハハイカラルって言うんだ。 長いしカイテンって読んでくれれば嬉しいな。」

「じゃあ私はヌイコだから……さっちゃん。」

「なぜ?」

 とまぁ話しかけてしまえば案外どうってことなかった。
 恐れていたのは私の方だった。

「はっぱ草ならこれだよ。 スゴい激臭だからわかると思ってたけど。」

「鼻があいにく詰まって匂いがわからなかったし、仕方ないよ……。」

「普通は素手で採取するものじゃないんだけど、あはは。」

 つまり私の今の手は激臭まみれと、ほう。
 さいわい王国の街中で公園を見かけたから手をあとで洗ってからギルドに戻るとしても……はっぱ草が激臭なのは知りたく無かったなぁ。
 無知は罪っていうけど、知っててもこれは罪でした……むしろ詰み!!

「カイテンっ、私の代わりにやってくれ……拒否権はないっ!!」

「ひぃいいっ、胸ぐら掴まれたぁああっ!!  もうこの匂いが取れないならお嫁に行けない。」

「ははは、秘技【激臭移しハンド】」

「チームの皆に臭いって言われたらボク……絶対ショックで立ち直れないかも。」

 ほう、先程冒険者になったばかりの人でもギルドでチームというものを結成できたりするのか。
 せっかく人と話してるんだ、このチャンスは無駄にしたくない……私もそこに加入して脱陰キャしなくてはならないみたいだ。
 この機会を逃したらもう次は無いって、だから何がなんでも。

「頼みます、私もそこに入れてください……本当唐突で悪いとは思うんだけどどうか後生だと思って。」

 強気な私の心がプシューッて音を立ててしぼんだ風船のようになって素の私に戻ってしまったけど、こればかりは本心。
 誰とも気軽にお話しできる性格になりたい。

 強く願えばきっと神様は救ってくれると。
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