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プロローグ&人物紹介?

十月一日その五

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十月一日その五
熱さに抱かれて。














   大陸より中央から若干西寄りにて大きな火山が見据えることができるであろう。
   絶え間なく溶岩が噴出し熱風をあちこちに吹き出させる蒸気の穴はあちらこちらに空いている。

   そんな中で火山の一室に作られた熱いサウナのような部屋で一人の少女が気分悪そうに目を覚ました。
   火山であるからだろうか、少し強めな地震が襲っては彼女の睡眠を邪魔したようで気分が悪い寝起きとなったのだ。

   そんなここは火曜の火山と呼ばれる場所で、もちろんながら目覚めた彼女は火曜神の末永 智美すえなが さとみである。
   燎煉地方の最強の女帝は力こそ全てのものであり、彼女に勝てる人などこの地方に一人とて存在しないだろう。

 「ふぅ……、さてと、今日はどれくらいかしらね?」

   お手持ちの端末で調べているのは、彼女が経営している燎煉火力発電所の発電量であり、この大陸の電力の九割はここで生成されては送電されてるとのこと。

 「まずまずってところね。 まあいいわ、今日は私は仕事休みだからもう少しゆっくりしておくわ。」

   ネグリジェ姿でお布団にこもってはカタツムリみたいにして頭と腕だけ出しては、なんともだらしない格好で端末をいじくっては、いつも通りのニュースを端末で確認し、数分もすると流し読みにも飽きたのか端末を枕元に置いて瞳を閉じ二度寝の体制に。

 「つまんないわね……何か無いかしら?」

   次に軽く微震が襲ってきては天井の電気のひもがわずかながらに揺れだしている。
   それを見つめてはやはり火山だから地震は多くて当たり前だと思うも、つい先月には大きな地震でお気に入りのカップが落ちて割れてしまったことについてはショックを受けていたが何かとここは好きである。

 「やれやれね……ん?」

   智美は何か考え付いたのか起き出しては仕事の作業着に颯爽と着替えて、身支度をすると先程までの機嫌の悪い表情はどこへやら、微笑みながら車に乗ってはエンジンをかけて出発する。

 「こういう日こそ朝風呂は温泉に限るわね。」

   キャンピングカーは溶岩の煮えたぎる街道をなんなく進んでは、地平線の彼方へと消えていき見えなくなって行く。
   その速度は速いもので、温泉に受かれる気分もわからなくもないが事故も起こさぬようにと心に注意を払う智美であった。














火曜の火山、燎煉地方。
火曜神の末永智美、いざ出発!
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