異世界ヒーロー始めます!

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ヒーローの条件

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目の前は真っ暗。深い闇の中に俺は一人取り残されていた。
俺は死んだのだろう。そう感じさせる位、周りには何もなく手足を動かそうにも感覚が無いのだ。魂だけこの暗い闇の中でうごめいてる。そんな気分だ。
それに言葉を発したくても喋ることができない。まさに死人に口無しってやつ?
そうそう思い返せばさっきの声は何だったのだろう。
転生だとかヒーローだとか言っていたけど。
ヒーローか…暇だから少しヒーローについて考えてみようか。
そもそもヒーローの条件とは?
例えば普通の人より遥かに優れた力で人々を悪の手から守る。
例えば力はないけれど知識・技術を用いて人々生活を豊かにする。
それもまたヒーローだろう。
じゃあヒーローになるには?
上のような人々から賞賛される行為をすればなれたのだろうか?
いや俺にはそんな力も行動力も無かった…
まずヒーロー自体子供の時のどうせ叶わない夢だと思っていたし。
そんな事を考えていた時だった。
真っ暗な空間に一筋の光が差し徐々に拡がって行く。
その光は弱まることなくどんどん強くなっていく。
やがて俺を包み込んだ。その光は優しくどこか暖かい…気がした。多分気のせい。
目の前はその光で真っ白になって…

「眩しい…」

そう呟いた瞬間俺は草原に横たわっていたのだった。
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