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【全年齢】舞台を降りたら君だけの…
本編
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(鼻歌を歌いながら)
ただいまー
あれ、おーい
鍵 空いてたから、居るよな、
(ドアを開ける)
(驚く)!! びっくりした~
あ、お帰りじゃないよ……
なんで部屋真っ暗なの?
は? 忘れてた?
こんな真っ暗なのに電気つけ忘れてたって?
んー、まぁ、いいや。
あ、もうごはん、もう食べた?
そっか、外で食べてきたんだ。
何食べたの??
あー!あそこのオムライス美味しいよね!
俺? 俺は、舞台千秋楽だったし、
演者とかスタッフさんとかみんなで打ち上げってかんじで。
そうそう。
うん、ありがとう。
何とか無事に終わったよ。
いやー、今回の舞台はオリジナル脚本だし、
アドリブ多いし大変だったよ。
でも、その分やりがいはあったな~
演出家さんもはじめましてだったけど、気さくな人だったし……
あー……あのさ、なんか今日、いつもと雰囲気が
違う感じするんだけど気のせい?
どっか行ってきたとか?
やっぱ、そうなんだ。
どこ行ってきたの?
え、なに、俺に言えない場所……なの?
そういう訳じゃないけど、なに?
なんで黙っちゃうんだよ~
あーもう、
あのさ!
普通に『舞台見に行った』って言えばいいじゃん
(嬉しそうに微笑みながら)
何そんなに目、見開いてんの?
俺の出てた舞台、見に来てくれたんでしょ?
んー? なんで知ってるかって?
偶然というか、たまたまというか……
最後の挨拶の時にさ、顔上げて
改めて客席見渡したら、偶然、お前を見つけたんだよ。
俺、ビックリしちゃった。
まさか、お前がチケット取ってるなんて知らないし
ってか、言ってくれれば招待くらいできたんだけど!
それに、お前には今回の舞台、あまりおすすめしなかったじゃんか?
なんでそんな驚いてんの?
あー、俺がお前見つけたから?
それはさ、なんかちょっと恥ずかしいんだけど、
どんなにたくさんの人が居ても、そのー……
あれだよ、好きな人はすぐ見つけられるっていう、やつ……
照れるから言わせんなよ……って、何泣いてんの!?
わかんない、って、え、俺、何か気に障ること言った??
あ、もしかして俺が今回の舞台見にこない方がいいって言ったから?
それもあるけど?
え、んー (悩む)
ほら、抱きしめてやるからこっち来いよ
そしたら少しは落ち着く……だろ?
(彼女を抱きしめる)
よしよし、
落ち着いた??
ほら、顔上げて?
こっち見て。
うん。そう。
ごめんな、俺ちゃんと理由説明してればよかったな。
あのさ、今回の舞台見にこない方がいいって言ったのはさ
多分、お前も見たからさ、分かると思うけど、
相手役とのキスシーンあったからさ。
いや、もちろんフリだよ? してるフリ。
それでもさ、ほんとに好きな彼女に……
お前には見て欲しくなかった
というか、変に心配させたくなかったから、
あんなこと言ったんだよ。
だって、今回の舞台の内容恋愛ものなんだって言うのは
普通に言えたけど、キスシーンあるとか言ったら、
千秋楽終わるまでお前きっと辛い思いするだろうって思ったし、
だから、見に来て欲しくないなって思ったのもあるし、
だから、ちゃんといえなかったんだ。
ごめんな、
でもどっちにしてもグルグル悪い方に考え事してたんだろ?
ほら、下向かない。こっち向いて?
暗い部屋で何考え事してたの?
いいよ、ゆっくりでいいから教えて?
付き合う時に?
うん、そうだったね、お前は言ってくれたね、
大丈夫、仕事だから、わかってるって。
でも?
いざ見たら、自分なんかが傍に居て良いかわからなくなった?
何言ってんの。
(おでこを叩く)
あのさ、俺も言ったよね、自分なんかがって言う癖、辞めようって。
俺は、どんなお前も好きなの。
俺が好きなお前を、悪く言うのはやめようっても言ったじゃん。
どんだけ他の役者とああいうシーンやろうと
いつも頭の中に描くのはお前の顔で、お前の姿で、お前の声で、
全部お前なんだよ。
お前はどう?
いつも俺のこと考えてくれてる?
仕事してる時、他のやつのこと考えたりしない?
だよな?
俺も同じだよ。
お前が一般人であろうと、俺が役者であろうと、
1人の愛しい人間ってことに変わりはないんだ。
たとえ舞台の上で誰かを想う役をしても俺の本当の想い人は
いつでもどんな時でもお前だから。
お前だけだから。
それだけは覚えてて。
あーほら、もう泣くなって。
これじゃまるで俺がお前のこといじめてるみたいじゃん。
(頭を撫でる)
俺はどんなお前も好きだけど、泣き顔はあんまり見たくないんだよ。
辛い顔もさせたくない。
幸せだって笑顔でそばにいて欲しい。
きっとこれからも、俺が役者でいる以上、
お前に辛い思いや苦しい思いさせると思う。
させないなんて言いきれない。
だって俺、この仕事嫌いじゃないし
むしろ好きだし。
この仕事があったからお前と出会えたんだし、
これからも辞めるつもりは無い。
でも、だからさ、相手役に嫉妬してもいいよ、
俺にそういう仕事受けないで欲しいって、
嫌だって言ってもいいよ。
その分、俺はお前しか見てないって、お前だけが好きだって
何十回、何百回だって言うから。
俺の仕事以外の時間は全部お前にやるから。
だから、
だから……
俺の傍から離れんな。
ずっと俺のそばにいて笑っててよ。
いい?
うん。
(彼女を抱きしめキスをする)
おれは、いつだってお前だけの俺でいるから。
これからも、俺だけのお前でいて。
(キス)
よしっ!
んじゃ、今日の舞台の感想聞かせてよ!
俺も稽古の時の話とか結局なんにもいえなかったから
今から2人だけの打ち上げ会な!
【舞台を降りたら君だけの…】END...
ただいまー
あれ、おーい
鍵 空いてたから、居るよな、
(ドアを開ける)
(驚く)!! びっくりした~
あ、お帰りじゃないよ……
なんで部屋真っ暗なの?
は? 忘れてた?
こんな真っ暗なのに電気つけ忘れてたって?
んー、まぁ、いいや。
あ、もうごはん、もう食べた?
そっか、外で食べてきたんだ。
何食べたの??
あー!あそこのオムライス美味しいよね!
俺? 俺は、舞台千秋楽だったし、
演者とかスタッフさんとかみんなで打ち上げってかんじで。
そうそう。
うん、ありがとう。
何とか無事に終わったよ。
いやー、今回の舞台はオリジナル脚本だし、
アドリブ多いし大変だったよ。
でも、その分やりがいはあったな~
演出家さんもはじめましてだったけど、気さくな人だったし……
あー……あのさ、なんか今日、いつもと雰囲気が
違う感じするんだけど気のせい?
どっか行ってきたとか?
やっぱ、そうなんだ。
どこ行ってきたの?
え、なに、俺に言えない場所……なの?
そういう訳じゃないけど、なに?
なんで黙っちゃうんだよ~
あーもう、
あのさ!
普通に『舞台見に行った』って言えばいいじゃん
(嬉しそうに微笑みながら)
何そんなに目、見開いてんの?
俺の出てた舞台、見に来てくれたんでしょ?
んー? なんで知ってるかって?
偶然というか、たまたまというか……
最後の挨拶の時にさ、顔上げて
改めて客席見渡したら、偶然、お前を見つけたんだよ。
俺、ビックリしちゃった。
まさか、お前がチケット取ってるなんて知らないし
ってか、言ってくれれば招待くらいできたんだけど!
それに、お前には今回の舞台、あまりおすすめしなかったじゃんか?
なんでそんな驚いてんの?
あー、俺がお前見つけたから?
それはさ、なんかちょっと恥ずかしいんだけど、
どんなにたくさんの人が居ても、そのー……
あれだよ、好きな人はすぐ見つけられるっていう、やつ……
照れるから言わせんなよ……って、何泣いてんの!?
わかんない、って、え、俺、何か気に障ること言った??
あ、もしかして俺が今回の舞台見にこない方がいいって言ったから?
それもあるけど?
え、んー (悩む)
ほら、抱きしめてやるからこっち来いよ
そしたら少しは落ち着く……だろ?
(彼女を抱きしめる)
よしよし、
落ち着いた??
ほら、顔上げて?
こっち見て。
うん。そう。
ごめんな、俺ちゃんと理由説明してればよかったな。
あのさ、今回の舞台見にこない方がいいって言ったのはさ
多分、お前も見たからさ、分かると思うけど、
相手役とのキスシーンあったからさ。
いや、もちろんフリだよ? してるフリ。
それでもさ、ほんとに好きな彼女に……
お前には見て欲しくなかった
というか、変に心配させたくなかったから、
あんなこと言ったんだよ。
だって、今回の舞台の内容恋愛ものなんだって言うのは
普通に言えたけど、キスシーンあるとか言ったら、
千秋楽終わるまでお前きっと辛い思いするだろうって思ったし、
だから、見に来て欲しくないなって思ったのもあるし、
だから、ちゃんといえなかったんだ。
ごめんな、
でもどっちにしてもグルグル悪い方に考え事してたんだろ?
ほら、下向かない。こっち向いて?
暗い部屋で何考え事してたの?
いいよ、ゆっくりでいいから教えて?
付き合う時に?
うん、そうだったね、お前は言ってくれたね、
大丈夫、仕事だから、わかってるって。
でも?
いざ見たら、自分なんかが傍に居て良いかわからなくなった?
何言ってんの。
(おでこを叩く)
あのさ、俺も言ったよね、自分なんかがって言う癖、辞めようって。
俺は、どんなお前も好きなの。
俺が好きなお前を、悪く言うのはやめようっても言ったじゃん。
どんだけ他の役者とああいうシーンやろうと
いつも頭の中に描くのはお前の顔で、お前の姿で、お前の声で、
全部お前なんだよ。
お前はどう?
いつも俺のこと考えてくれてる?
仕事してる時、他のやつのこと考えたりしない?
だよな?
俺も同じだよ。
お前が一般人であろうと、俺が役者であろうと、
1人の愛しい人間ってことに変わりはないんだ。
たとえ舞台の上で誰かを想う役をしても俺の本当の想い人は
いつでもどんな時でもお前だから。
お前だけだから。
それだけは覚えてて。
あーほら、もう泣くなって。
これじゃまるで俺がお前のこといじめてるみたいじゃん。
(頭を撫でる)
俺はどんなお前も好きだけど、泣き顔はあんまり見たくないんだよ。
辛い顔もさせたくない。
幸せだって笑顔でそばにいて欲しい。
きっとこれからも、俺が役者でいる以上、
お前に辛い思いや苦しい思いさせると思う。
させないなんて言いきれない。
だって俺、この仕事嫌いじゃないし
むしろ好きだし。
この仕事があったからお前と出会えたんだし、
これからも辞めるつもりは無い。
でも、だからさ、相手役に嫉妬してもいいよ、
俺にそういう仕事受けないで欲しいって、
嫌だって言ってもいいよ。
その分、俺はお前しか見てないって、お前だけが好きだって
何十回、何百回だって言うから。
俺の仕事以外の時間は全部お前にやるから。
だから、
だから……
俺の傍から離れんな。
ずっと俺のそばにいて笑っててよ。
いい?
うん。
(彼女を抱きしめキスをする)
おれは、いつだってお前だけの俺でいるから。
これからも、俺だけのお前でいて。
(キス)
よしっ!
んじゃ、今日の舞台の感想聞かせてよ!
俺も稽古の時の話とか結局なんにもいえなかったから
今から2人だけの打ち上げ会な!
【舞台を降りたら君だけの…】END...
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