1ページ分の台本。

恋愛 編

貴方のいない世界

散々泣いて泣き腫らした目は
いつか元に戻って何も無かったようになる。

覚悟していたはずなのに。

よく言うよね、
いつか思い出になって笑えるよって。

その『いつか』が今ならどれだけ楽か。

どんなに覚悟していたって
それは頭でわかった気になっているだけで、
心は追いつかないんだ。

貴方が楽しそうに笑う声が聞こえる。

あなたが苦しそうに怒る声が聞こえる。

何をするにもあなたが必要で、
あなた無しじゃ何も出来なくて、
縋ってまとわりついて嫌って、
そして愛したあなたが居なくなることは
何となく予想がついていたはずなのに。


貴方は自分が弱いと言う。

でもそれを隠して、
沢山我慢した涙を飲み込んで、
誰よりも強く誰よりも脆い剣だった。

たまに見せるあなたの弱さを守りたいと思った。

でも、ごめんなさい。
僕はやっぱり弱い。

心が頭に追いつくまでもう少し泣いていてもいいですか。