京のいじわる

競 かなえ

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京のいじわる

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『この出来損ないめ!』
 お父さんにそう言われ続けて早数ヶ月。何度新しいお菓子を提案しても門前払いされ続け、もう心は折れる寸前まで来ていた。私の考えた和菓子の売れ行きが芳しくなかったから、もう私の案は通さないつもりだろう。それなら解雇してくれた方が楽でいいのだが。
 お父さんがこうなってしまったのは、近所にある創業三百年以上の老舗和菓子店があるのが問題だ。一流の和菓子職人がそろっているため、うちみたいな家族経営の和菓子屋と比べては行けないのだが勝てるわけがない。なぜお父さんは菓子司嘯月しょうげつをライバル視しているのか分からない。
 二か月後のお月見用のデザインを考えるも、また門前払いされるのかと考えると筆が進まない。
 可愛い見た目のものも斬新なデザインも受けないと言われ、かといって一般的な和菓子のデザインをあげてもインパクトがないと言われ……
 わがまま頑固親父の言いなりになっているのも嫌になってきたところだ。
 絶対に行くなと言われていた敵地に偵察に行ってやる。これはただの口実で、京都で長年続いている和菓子を食べてみたいのだ。
 裏路地を抜けて突き当りを右に曲がったところにそれはある。
 少し擦れた看板も、木造の引き戸も、竹矢来も京都の街に馴染んでいて、初めて見ると入りにくい雰囲気に感じるが毎日繁盛している。それには必ず理由があるはず。
 少しだけ重い引き戸を開けると、小さなショーケースが一つと茶会で使われるような床机が二台。ショーケースの中には数種類の和菓子が並んでいる。私にはそれらが宝石のように見えた。素朴な和菓子なのにそれぞれがいきいきとしているように見えたのだ。
 ショーケース越しに舐めるように見入っていると奥から一人の女性が出てきた。
「あら、あんた……満福堂の娘さんやない? こんにちは」
 肩まで下した黒髪、赤っぽい着物に白の割烹着……あれはざくろ色というのだったっけ。唇の下のほくろも色っぽくてすてきだ。
「こ、こんにちは。葛まんじゅうを一つお願いします」
「一つでええん? 四つ買うてくれはったらあんみつ付けれるけど」
「あ、いえ……今日は一つだけで」
「和菓子屋さんに対して野暮かもしれへんけど、食べる前に冷蔵庫で冷やしてね」
 冷やしすぎると葛が固くなっちゃうんだっけ。うちではそんな説明しているのかな。卒業制作もあって今年はずっとデザインだけ考えていたから説明は忘れちゃった。
 家に戻り、自室に一目散に逃げこみ鍵を閉める。
 冷蔵庫で冷やしてって言われたけどさっきまでショーケースで冷えてたしいいよね。
 菓子箱を開けると笹の葉にくるまった葛まんじゅうが一つ。ブーケのようになっていて、可愛さもあり上品な華やかさもある。
 和菓子切で半分に切り、口に運ぶ。葛はプルプルの弾力、中のあんこは滑らかな口あたりで噛まなくても溶けてしまうほどだ。しつこくない甘さが癖になる。あと二つくらい買っておけばよかったかも……
 うちの葛まんじゅうとは見た目も味も全く違う。何か工程が違うのか……とにかく美味しい!
 明日も買いに行こう。他にも気になっている和菓子がたくさんあるんだ。全部制覇してやる!
 それから一ヶ月ほぼ毎日のように嘯月に通い、バイト代をつぎ込むことになるのだった。


 ____________________


 夏休みの半ばに入りじりじりと照り付ける太陽、肌にまとわりつくような湿気、京都の夏が本気を出してきている。お盆が近づいてきて和菓子のラインナップも変わってきた。
 大文字薯蕷、山あかり、京涼……五山の送り火にちなんだお菓子が増えている。嘯月さんでは抹茶のきんとんに大の字のお飾りがついたものが並んでいる。
 相変わらずショーケースとにらめっこしていると奥から嘯月の女将、よもぎさんが出てきてくれた。
「望ちゃん、どないしたん?」
「えっと……和菓子の勉強をさせてもらえないかなぁ、と思いまして」
 偵察だとバレないように思わず嘘ついちゃったけど……この人はきっと気づいている。一瞬目を細めたのを見逃さなかった。
「勉強なんやったら明日体験会があるんやけど来てみる? 食べるだけよりもええと思うんやけど」
 これは……願ったり叶ったりなのではないか。技を盗めるかもしれない。
 甘い提案に私はすぐにうなずいた。


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 翌日
「はぁい、今日は練り切りを体験してみましょう。白あんにお砂糖と小麦粉を混ぜたタネを用意したので好きに色を付けてみてください」
 スプーンとしゃもじ、竹串、着色料が用意されている。一般家庭で揃えられるもので作るのがこの体験会の醍醐味なのだとか。和菓子の良さを広めたいよもぎさんらしい心遣いだなと感心する。
 子供のおやつに、と話しているご婦人方に混ざり、メモにデザイン案を描いていく。
 夏だから紫陽花、金魚、かき氷も面白いかもしれない。でも……和菓子は上品なデザインがいいよね。
 さっとラフを描きあげ、着色の工程に入る。青紫を作って白あんに少量つけ、こねて四角い塊を作る。しゃもじで均等に四ブロックに分けるように線を入れ、角を丸めるように角度をつけて、最後に真ん中に小さく丸めた白あんを乗せて……
「できた!」
 桔梗の形にしてみた。ちょっと花弁は不均等で不格好だけど初めてにしてはうまく出来ていると思う。
「あら、いい色やね。でもちょっとありきたりやない?」
「ありきたり……ですか」
「それに満福堂のお嬢さんが作るにしては歪やねぇ」
 ここでも出来ないと、出来損ないだと言われてしまうのか。やっぱり私は……
「うーん、ん? これは?」
 よもぎさんが手に取ったのはさっきのデザインメモ。
 私はとっさにそれを奪い取った。
「う、うまくできないんです。家でもいつもそうで、父にも……私は、出来損ないなんです」
 分かっていたことなのに口に出すと涙が溢れてくる。デザインを考えることもお菓子も大好きなのに。空回りして、もうやめた方がいいのかな。
 よもぎさんは驚いていたがすぐにいつもの笑顔を浮かべて私の頭を撫でた。
「もう一度見してくれへん? その紫陽花」
 よもぎさんが言ったのは、白あんの土台に紫陽花の花弁と葉の形をしたゼリーを乗せたもの。さすがに派手すぎるかと思ってボツにしたものだ。
「うんうん。これええとおもうんやけどなぁ。なぁ望ちゃん、この後時間もろてもええやろか」
 居残り授業でもさせられるのだろうか。学べるのは嬉しいけどしんどいのは嫌だな……
 そのあと、気を取り直して参加者全員でお茶とお菓子をいただきながら談笑を楽しんだ。


 参加者はみんな帰り、厨房には私とよもぎさんだけになった。
「ごめんね晩御飯までには帰れるようにするつもりやさかい。提案やねんけど、カフェやらへん?」
「カフェ、ですか」
 思わぬ提案に拍子抜けした声が出てしまった。よもぎさんは変わらずにこにこしている。
 よもぎさんは懐から一枚の紙を取り出した。何かの企画書のようだ。『和カフェ出店案』と記載されている。予定場所や規模が記されており、中庭もつける予定みたい。
「来年春から開店予定やねんけど、企画が弱くてね。さっきのデザイン見て、望ちゃんやったらウチの願い叶えてくれるんとちゃうかって思って。望ちゃんさえよければ受けてもらえへんやろか」
 すごく魅力的なお誘いだ。でも私はデザインしかできないし、そのデザインだって最近伸び悩んでいて何も上手くいっていない。そんな私が受けてしまうとこの事業は失敗に終わってしまうんじゃないか。
「いや、でも……私なんかじゃ人様にお出しできるようなものは作れませんし……今日のだって」
「そうやなぁ。今すぐにって言うんやったら声かけてへんかったんやけど、まだオープンまで時間あるやん。あんたやったら満福堂にはもったいないくらい成長できるで」
 デザインはただの想像を描いているだけ。それが他人に受け入れられるかは別問題だ。和菓子は上品かつ華やかで、歴史のあるお菓子だ。ましてや嘯月さんの系列店でへまはできない。
 ネガティブモード全開の私とは対照的に、よもぎさんは楽しそうだ。
「あんた、和菓子も好きやけど洋菓子も好きなんとちゃう? ウチはそんなあんたの腕と頭を買うたんよ。紫陽花以外にもデザイン描いてたやん。あの短時間で複数案出せるんは凄いんよ。家にはもっといろんなデザインあるんやろ? 持ってきてよ。和カフェでは和菓子と洋菓子を掛け合わせたもんにしたくてなぁ」
 こんな私でも役に立てるなら、やってみてもいいのかな。私だけに任せるなんてしないだろうし。
「ほんで、満福堂見返してやらへんか?」
 これが私の覚悟を決めた一言になった。


 ____________________


「よもぎさん、こんにちは」
「いらっしゃい、あがってあがって」
 この間言われていたデザイン資料を持ってきた。私を虐げてきたお父さんを見返すことができるなら何でも使いたい。
 和カフェだからたい焼きや白玉を使ってパフェを作れたら、なんて考えている。こういう食べたい甘味を考えているときが一番楽しい。
「あら、お菓子だけやなくて内装も考えてくれたん? 中庭で食べれる席もあるんね。観光客にも地元の人にも受け良さそうやね」
 外装内装ともに京町屋コンセプトでメニューを洋菓子にしようと考えたのだが、どうだろうか。
 よもぎさんは少し考えた後、数枚デザイン用紙を返した。それはメニューに関するものばかりだった。
「ボツってわけやなくてね、そこにメモを書いていってほしいねん。例えば紫陽花ケーキの土台はパイ生地で器を作ってその中に白あんの土台を入れる。花弁を葛、葉を抹茶羊羹。お抹茶スープも絵だけじゃなくてどの材料で考えたのか書き足してきてほしいんよ。面倒やけどお願いできる?」
 具体的には和菓子のような洋菓子、洋菓子のような和菓子を提供したいのだという。それなら書き足していくだけだから時間もかからないだろう。一旦持ち帰って改めて考えていこう。
「あの、カフェってことですけど甘味だけですか?」
「軽食があってもええよ、おばんざいしか思いつかへんけど、ウチ作れへんのよねぇ」
 聞いたところよもぎさんは料理が苦手らしい。私もおばんざいってよく知らないな。この夏休みを使って調べてみよう。
 それから半年近く、学内図書館での勉強、甘味巡り、よもぎさんとパティシエさんとの打ち合せの日々が始まった。


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「望、ほんとに和菓子屋さんに就職するの?」
「お菓子も芸術の一つでしょ? それに面白そうだし、好きなものに囲まれてるのって幸せだよ」
「職人に嫌われないようにしなよ。特に京都の和菓子職人って怖そうじゃん。気に食わないことがあったらすぐ首切られちゃったりして!」
 それはうちのお父さんだな、と思ったけどすぐに頭の隅に寄せた。
 春を迎えれば嘯月に就職だ。店名は”賀茂の菓”に決まり、メニューも増えてきた。スポンジであんこを巻いた「あんろーる」。フルーツ大福の中にタルト生地を一緒に包んだ「大福タルト」。テイクアウト用には舞妓さんと京町屋、山水をイメージしたクッキー缶「雅」と「京山水」。他にも可愛いお菓子がたくさんある。
 今日のスイパラも勉強になると思って卒業旅行がてら友達を連れて来た。
「見てみてー! 向こうにおかずコーナーがあってね、辛いもの間に挟みたくなるから持ってきた! 手毬寿司も可愛かったから取ってきちゃった」
 確かに甘いものと辛いものって交互に食べたくなるよね。
 おばんざい……手毬寿司……
 そうだ上手く出来れば写真映えするものが作れるんじゃないか。SNSにアップしてもらえれば宣伝にもなる。
 お菓子のおばんざい、選べる手毬なんてどうだろう。
 それから幾つか案を持ち帰り、試作を重ねていった。私は試食担当だけれど、自分のアイデアが形になっていくのは嬉しい。新店舗オープンまで楽しみだ。


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 そして待ちに待った”賀茂の菓“オープンの日がやってきた。
「すごい……」
 玄関で靴を脱いで、鰻の寝床の先の小さな中庭を楽しむ。これは坪庭と言って自然の扇風機の役割になっている京町屋の特徴らしい。一階二階の客席からお庭の四季を感じながらお菓子を楽しんでもらう贅沢なカフェになっていた。
「木というか、自然の匂いがしますね」
「せやろせやろ、知り合いの庭師さんにお願いしてん。厨房はお庭の裏にあるから運んでくるときはお庭を通ってくるのもポイントやねん」
 興奮気味に話すよもぎさんは無邪気な子供のようだ。このお店への期待が感じられる。私も頑張らないと。
「そんな気負わんでええよ、望ちゃんは好きなもん作ってくれたらええから。小姑みたいなこと言うかもしれへんけど、それは売り上げのためやと思って見逃してな」
 老舗和菓子屋の系列店となると大変なんだな。おそらくその大変さを見せないようにしてくれているんだろうけど。
「今日からお客さんに新たなお菓子の世界を楽しんでもらいましょう。もちろん、スタッフも存分に楽しんで! どこぞの誰かさんみたいに愛想悪いのはお菓子が不味くなっちゃうからやめてね」
 女将からの鼓舞を受け、みんな各々の位置についた。私はお客さんの生の声が聞けるから、とホールになった。
 ちゃんと笑えるだろうか。
 考えたお菓子が受け入れられなかったら、嘯月さんらしくないと思われたら。
「ちょっと、辛気臭い顔せんとってぇな。大丈夫、望ちゃんのお菓子は私が認めたんやさかい、誰にも口出しさせへんえ」
「そう、ですよね。きっと大丈夫ですよね!」
 よもぎさんはお菓子の知識も、技術も、好奇心もあって、人をまとめる力もある。この人についていけば大丈夫と思える安心感。大丈夫、きっと上手くいく。
 店内はあっという間に満席となり、ホールも厨房も忙しくなった。

「お待たせしました、抹茶パフェといちご大福タルトです」
「すみませーん」
「はーい、ただいま!」
 一通り注文を受けたし、もう少しでピークは終わるはず……頑張れ私!
 水を飲む暇もなく、三時間動きっぱなしだった。さすが嘯月さんと言うべきか。
 常連さんも何組か来ていたようだ。ときどきよもぎさんがお話されていた。嘯月さんの洋菓子だから、と多くの常連さんは楽しみにしてくれていたみたい。
 みんな来た時よりも笑顔になってくれているので手ごたえありかな。
「すみません、これSNSにアップしてもいいですか」
 嬉しい、一番欲しかった声がかかり、思わず顔がほころんでしまう。
「はい! ありがとうございます!」
 縁側席のお客さんからは庭をバックに撮りたいとの声もあった。
 嬉しい声とともに厳しい意見も聞かれた。お茶の種類が少ない、お菓子に合ったお茶も紹介してくれると嬉しいと。
 そこまで頭が回らなかったのでよもぎさんに報告しに厨房へ戻る。
「よもぎさん、お客さんからのご要望で、お菓子に合うお茶の紹介もしてほしいとのことでした」
「小林さんかしらね、あの人お茶の時間を大事にしてはるから。それより望ちゃん見て、SNSでも高評価やで」
 先ほどのお客さんはちょっとした有名人だったのかもしれない。短時間でそこそこいいgood数がついている。
「よかったね、望ちゃん」
「やったー! 嬉しい、本当に嬉しいです」
 目に見えて高評価を得られていることが嬉しくて声を出してしまった。
「三野さん、これ5番テーブルにお願い」
 そうだ、まだ営業中だ。とにかく今日を乗り越えなくては。
「お待たせしました選べる手毬と、ええあんばいです」
 お客さんの顔を見ながらお菓子を運んだ先にはお母さんとお姉ちゃんがいた。
「手毬って一口サイズの薯蕷まんじゅうなのね、可愛いわ。選べる手毬なんてよく思いついたわね」
「やっぱり望が考えてたんや。和菓子らしいけど洋菓子にもなってるのすごいわ」
 お姉ちゃんはそういいながら何枚も写真を撮っていた。
「あの……お父さんは」
「お留守番に決まってるわ。あの人がここに来られるわけないもの」
 二人とも呆れた顔をしていた。でも一口お菓子を食べ始めると、目はとろんとして幸せそうな顔をしてくれた。
「やっぱり望の作るお菓子は最高よ。お菓子は味だけじゃないものね。食べる人を幸せにするものでないと」
 二人は女子会を楽しみ、終始幸せそうにしてくれていた。


「おおきに、これ満福堂さんにお土産です。望ちゃんっていう優秀なパティシエをいただいたお礼です」
 よもぎさんはお母さんにお持ち帰り用の小箱を一つ手渡した。最後に二人で外までお見送りした。これも賀茂の菓のルールだ。お店の雰囲気を最後まで楽しんでもらうためだとか。
 家族を見送った私はとても清々しい気分だった。

 家に帰ってみんなでお土産を食べることになった。
 それは「”青い”紫陽花の花束」だった。紫陽花ケーキを改良したものだ。
 販売しているものは花弁が赤、青、白をランダムに乗せたものだったが、よもぎさんがくれたものは全て青い紫陽花で飾られていた。
 これは、とんでもない人に目をつけられてしまったかもしれない。
 ともかく、なんとしてもお父さんに食べてもらいたい。
 お母さんに呼びに行ってもらい、約半年ぶりに家族がそろった。
 お菓子を見たお父さんは怪訝そうな顔をした。それはそうだろう。お母さんはこれを和菓子だと紹介したのだから。
 和菓子はシンプルで上品なものだと口うるさく言っていたお父さんには受け入れるのに時間がかかるかもしれない。
「あなた、望が頑張って考えたのよ。古き良き文化は今の時代に合わせて伝えていかなきゃいけないんじゃない? 私たちも考え方を変えていかなくちゃ」
 お父さんはしぶしぶ席に着いた。その横でお姉ちゃんは黙々と写真を撮っていた。後でSNSに載せるのだという。
 お姉ちゃんを筆頭にみんな食べ始めた。お父さんの様子を窺うも、表情は変わらない。けれどお皿の上は綺麗だった。
 腕組みをしてしばらく目を閉じていたが、お姉ちゃんのスマホ画面を見ながらつぶやいた。
「俺が修行していたころとは、時代が変わったんだな」



 程なくして満福堂は看板を下ろした。
 その辺りからよもぎさんは上機嫌だった。なぜなら嘯月の庭に勝手に入ってきた新参者の満福堂が以前から鼻についていたからだ。京都の意地とプライドを見せつけた、と言ったところなんだろうか。
 お父さんへの反撃を手伝ってくれているのだと思っていたが、本当はよもぎさんの反撃に利用されていたのかもしれない。

 青い紫陽花の花言葉は「高慢、無情」。

 本当に、京都の女性は恐ろしいものだ。
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