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22話 陽平とあきらの場合(番外) 4 (あはーん)
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エリカさんの言葉の意味、もしかして逆だったかな。ちょっと黙ってろって意味かもしんない。でも今はそんなのどっちでもいい。
触って欲しい場所が違う。もどかしい。
無意識に腰でも揺れただろうか。陽平さんがローションの蓋を開けろと促してくる。転がしていたボトルを手に取ったはいいけど、蓋がなかなか開かない。さっき握り絞めすぎて指に力が入らない。
陽平さんは苦笑いをしながら俺の首から左腕を外して、座り直してからボトルを奪い取った。そしてキャップを歯で噛んで固定しながら、片手で器用に開けてみせた。
たらり。ずっとほったらかしにしていたそこに、直にローションを垂らされる。
「うーわあ……」
飛び上がるほど冷たい。そのまま左手で握り込まれて、遠慮のない動きで擦られた。
「ま、好きなだけイけや」
尻への刺激と、ローションで滑りが良いせいであまり我慢がききそうにない。
ああ流石に早すぎる。でももう駄目だ限界が。
そう思ったとき、ガチャ。玄関の鍵が回る音がした。
心臓が口から飛び出る代わりに、俺は一気に訪れた動揺からそのまま中途半端にびっくりイキしてしまった。なんてこった、ここまでされたのに結局全然すっきりしない。自分の腹を汚したのと、玄関からエリカさんが現れたのと、どっちが先だっただろうか。
まじかよ。なんでだ。
「ただいまー。…………え、」
エリカさんのアーモンド形した両目がさらに大きくなっていくのが見えた。部屋の中が静寂に包まれて刹那。
エリカさんは「えええええええええ!」と絶叫した。先に玄関ちゃんと閉めてくれ。
「ちょっと! 陽平! なに人のお気に入りで勝手に遊んでんの!?」
え、そこ!? 怒るとこそこ!? しかも俺いつからお気に入りにされてたの!? っていうかその玄関ちゃんと閉めてくれよ! 人が通ったらどうすんだよ! っていうか俺はこれ、どうすればいいんだ、これ。
「おうおかえり。早かったな」
陽平さんは特に気にする様子もなく、世間話でもするかのようにエリカさんのほうを向いた。ようやく下半身が解放される。
指が抜かれる瞬間、ぞわりと腰が震えた。俺は手が離されたことによってゆっくり閉まっていく玄関ドアが気になって仕方がない。
「ちょっとー……なんなの。あたしも混ぜてよぅ」
拗ねたようにエリカさんが口を尖らせる。
嫌だよ。どんな状況だよそれ。っていうかもう終わったよ。陽平さんが勝ち誇ったようにティッシュを3枚引き抜いた。
「やなこった。今俺が遊んでんだよ。お前は風呂でも入ってこいや。なーあきら」
いやいや。同意を求められても。いやいやいや。
っていうかそのティッシュ俺にもくれよ。自分の指だけ拭いてんじゃねえ。
憤慨しながらも結局本当に風呂場に向かったエリカさんに、陽平さんは声を張り上げて追い討ちをかけた。
「なあエリカー」
「なによー」
「可愛かったぞー、あきら」
「はああああああああああ!?」
風呂場のほうからエリカさんの怒声が響いてくる。あああこれ喧嘩に発展するパターンだ。これ以上巻き込まれる前に帰ろう。
勝手にティッシュを拝借して、ぬるぬるするところを全部拭いていく。これ俺も帰ったら風呂入んないと駄目だな。ローションの威力凄いわ。
大量のティッシュを引き抜く俺を見て陽平さんが「お前も風呂入ってけば。一緒に入って洗ってやろうか」と、にやりと下腹を撫でてくる。
「ぜってぇ嫌だ」
俺はもう帰る。しばらく世話なんてやいてやるもんか。
もう嫌だ、こんな隣人……。
触って欲しい場所が違う。もどかしい。
無意識に腰でも揺れただろうか。陽平さんがローションの蓋を開けろと促してくる。転がしていたボトルを手に取ったはいいけど、蓋がなかなか開かない。さっき握り絞めすぎて指に力が入らない。
陽平さんは苦笑いをしながら俺の首から左腕を外して、座り直してからボトルを奪い取った。そしてキャップを歯で噛んで固定しながら、片手で器用に開けてみせた。
たらり。ずっとほったらかしにしていたそこに、直にローションを垂らされる。
「うーわあ……」
飛び上がるほど冷たい。そのまま左手で握り込まれて、遠慮のない動きで擦られた。
「ま、好きなだけイけや」
尻への刺激と、ローションで滑りが良いせいであまり我慢がききそうにない。
ああ流石に早すぎる。でももう駄目だ限界が。
そう思ったとき、ガチャ。玄関の鍵が回る音がした。
心臓が口から飛び出る代わりに、俺は一気に訪れた動揺からそのまま中途半端にびっくりイキしてしまった。なんてこった、ここまでされたのに結局全然すっきりしない。自分の腹を汚したのと、玄関からエリカさんが現れたのと、どっちが先だっただろうか。
まじかよ。なんでだ。
「ただいまー。…………え、」
エリカさんのアーモンド形した両目がさらに大きくなっていくのが見えた。部屋の中が静寂に包まれて刹那。
エリカさんは「えええええええええ!」と絶叫した。先に玄関ちゃんと閉めてくれ。
「ちょっと! 陽平! なに人のお気に入りで勝手に遊んでんの!?」
え、そこ!? 怒るとこそこ!? しかも俺いつからお気に入りにされてたの!? っていうかその玄関ちゃんと閉めてくれよ! 人が通ったらどうすんだよ! っていうか俺はこれ、どうすればいいんだ、これ。
「おうおかえり。早かったな」
陽平さんは特に気にする様子もなく、世間話でもするかのようにエリカさんのほうを向いた。ようやく下半身が解放される。
指が抜かれる瞬間、ぞわりと腰が震えた。俺は手が離されたことによってゆっくり閉まっていく玄関ドアが気になって仕方がない。
「ちょっとー……なんなの。あたしも混ぜてよぅ」
拗ねたようにエリカさんが口を尖らせる。
嫌だよ。どんな状況だよそれ。っていうかもう終わったよ。陽平さんが勝ち誇ったようにティッシュを3枚引き抜いた。
「やなこった。今俺が遊んでんだよ。お前は風呂でも入ってこいや。なーあきら」
いやいや。同意を求められても。いやいやいや。
っていうかそのティッシュ俺にもくれよ。自分の指だけ拭いてんじゃねえ。
憤慨しながらも結局本当に風呂場に向かったエリカさんに、陽平さんは声を張り上げて追い討ちをかけた。
「なあエリカー」
「なによー」
「可愛かったぞー、あきら」
「はああああああああああ!?」
風呂場のほうからエリカさんの怒声が響いてくる。あああこれ喧嘩に発展するパターンだ。これ以上巻き込まれる前に帰ろう。
勝手にティッシュを拝借して、ぬるぬるするところを全部拭いていく。これ俺も帰ったら風呂入んないと駄目だな。ローションの威力凄いわ。
大量のティッシュを引き抜く俺を見て陽平さんが「お前も風呂入ってけば。一緒に入って洗ってやろうか」と、にやりと下腹を撫でてくる。
「ぜってぇ嫌だ」
俺はもう帰る。しばらく世話なんてやいてやるもんか。
もう嫌だ、こんな隣人……。
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