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2 妹を収穫する

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 妹への伝言はロシノに頼んだ。

「本当にいいのか? あんなに気立てのいい娘、他にいないぞ。大体、俺とあの子じゃ一回りも歳が違うっていうのに」
「食うのに困らなきゃ十分だろ」

 俺はロシノと別れた。
 しかし、言伝を頼んでさっさと村を出ようと思ってたら、間の悪いことに俺の方が妹と先に鉢合わせしてしまった。

「兄さん!」

 ニコニコ顔で近づいてくる村の奴隷。
 いや、奴隷は言い過ぎか。
 だが、村のことを誇りに思い、村を支えることを誉れだと思ってる女に笑顔を向けられても気色悪いだけだ。

 俺が引き継ぐはずだった畑を悪意で奪った連中に媚びるなど、俺とガランに対する背信でしかない。そうした方が楽で生きやすいのかと思ったのかもしれないが、俺とは価値観が違いすぎる。

「その恰好、また狩りに出かけるんですか? いつもより重々しい感じですね」
「お前、ロシノと結婚しろ。俺は村を出て冒険者になる」
「は……?」

 妹の顔が一瞬で青褪める。
 ああ、その顔が見たかったんだ。
 面倒ごとを引き受けた甲斐があったと思う。

「お前、村のことが好きだろ。頑張って子供を産んで村に貢献しろ。俺はもうお前の面倒も村の発展も気にかける必要がなくなった。じゃあな。結婚式くらいは参加するから安心しろ」
「待ってください!」

 腕を掴まれる。

「私と、私と結婚してくれるんじゃないんですか!?」

 はぁ? 頭湧いてんのかこいつ。

「妹と結婚する兄貴なんかいるわけないだろ。そんなことになったらあの世でガランに顔向けできねえよ」
「こっち……!」

 村を出て何故か隣接する森の方へ連れていかれる。
 何かと思えば、人気のない場所まで連れていかれて木陰で抱きつかれた。そして、勢いのままにキスまでされた。は? 何してんだこいつ。媚びるのが好きな女だとは思ってたが、兄貴にまで尻尾を振るとは思わなかった。

「兄さんが村を出るなら私も出ます。元々兄さんと結婚する為にいつかは村を捨てるつもりでした」
「何言ってるんだお前……。正気か? 実の兄じゃないにしても俺達ずっと兄妹だったろ。第一、お前は今まで散々村の連中に媚びてた癖に……」
「嫉妬させてただけですよ。兄さん、私が村の男に愛想よくするとすごい目で睨んできたから」

 ビッチな妹が安い布の服を脱いで上半身を裸体にする。
 こいつ馬鹿みたいな勘違いしてるな。
 俺が怒ってたのは畑を取り上げた連中に尻尾を振ってたからだ。
 決して、嫉妬していたわけじゃない。

 ……が、妹の必要以上に育った胸は凶悪だった。
 ヤりたいと思わされる程度には、エロ過ぎた。

 俺の視線に気づいた妹がうっすらと微笑む。

「揉んでみていいですよ。さすがに恥ずかしいですけど」

 俺は手のひらから溢れる程の胸を揉んだ。

「んっ」

 悔しいが、妹は顔と身体だけは良かった。
 俺の計画は狂いまくりだ。
 だが、ロシノにくれてやるくらいだったら自分で頂いた方がいい気がしてきた。

 ずっと苦しい思いをして育ててきたんだ。
 この胸を育てたのは俺だ。
 俺が生産者なんだ。
 だったら、俺に収穫する権利があるだろ。
 村の連中に持ってかれるのはご免だ。

 コリコリと乳首を弄るとカナミが抱きついてきた。
 俺は妹を受け入れ、舌を絡める。
 お互いに酸素でも求めるみたいに唇を吸いあった。
 つい先日までただの兄妹だったとは誰も思わないだろう。
 妹の口内はしっとりしていてキチンと歯磨きもしてるので臭くなかった。

「ついていっていいですよね?」

 カナミを抱けると思うと興奮する。が、さすがに森で呑気にセックスを楽しむほど馬鹿じゃない。魔王の影響で魔物もいるからな。近隣諸国に比べれば俺達の生活圏にある森なんて大したことないが。

「兄さん、返事をくれないんですか?」

 不安げな顔も可愛く見えてきた。

「ああ、連れてくよ。お前は俺が守る」
「兄さん……!」

 パアっとカナミの瞳が輝く。

 こいつはレベルは低いし戦闘技能もないが、俺はこの世界の連中と違って、レベルという概念の存在、そしてそれを伸ばす方法まで知り尽くしてる。

 ぶっちゃけ、どうとでもなるってことだ。
 むしろ絶対に裏切らない手駒という意味で、妹は最高の存在かもしれない。

 俺はカナミを抱きしめると、裸体の妹とさらに熱いキスを交わした。
 下半身まで伸ばして弄ったが、妹は為すがままだった。
 早く森を抜けて犯したいな。

「ん、兄さん……。随分と熱心ですね」
「本当はずっと欲しかったんだよ」
「素直じゃないですね」
「ごめんな。素直じゃなかったから、憎まれるようなことばかりしてただろ。お前に嫌われたって仕方ないよな。俺は最低の兄貴だ」
「そんなことありません! 私はずっと分かってたので大丈夫です! 本当は、ずっと私に構って欲しかったんですよね?」

 無駄に自意識の高い妹で助かった。
 村一番の美人なだけはある。

 ありえない仮定だが、売ったら金貨200枚は硬いと思う。当面遊べる金になりそうだ。

 俺としては侍らせておいた方が幸せだから売らないけどな
 金があっても玩具がなきゃつまらない。
 逆に言えば貧相な家でもカナミがいれば遊び倒す自信はある。
 カナミはそれくらいいい女だ。

 ……妹に対してこんなこと考えてるってバレたら色んな連中に刺されそうだな。
 自重しよう。

「言っておくが、俺以外の男にはもう指一本触れさせないからな」
「……嬉しい」

 いやキモイだろ。自分の兄貴がこんなことを言ってたら普通は引くぞ。

 なんだか複雑だな。ガランが健在だったらこんなことになってなかっただろう。
 俺と妹が愛し合う条件は、愛する父親の不在だったわけだ。

 やるせないものだ。
 まあ、世の中なんてそんなものか。

「……行くか。暗くなったら不味いからな」
「ん、分かりました。足手まといになるかと思いますが、よろしくお願いします、兄さん」
「安心しろ。俺は強いからな」

 ロシノに伝言は……いいか。
 今、本当のことを言ったらさすがに切れられる。

 しかし、村長の依頼も村を捨てる今となっちゃどうでもよく思えてくる。

 さすがにケジメとして果たした方がいいだろうし、約束を破る気はないんだが。

 村を出たあとにありもしない罪をでっち上げられたら面倒だし、依頼を果たすのは冒険者にとって一つのルールだ。

 アマチュアとはいえ将来的に冒険者になろうという男が依頼を違えるのはなしだろ。

 そういうわけで、俺は村を旅立っていった。
 愛する妹を隣に侍らせながら。
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