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真相

ハロウィン1

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 大型スーパーや百均にハロウィングッズが並ぶとソワソワしてしまう、
 去年書こうとして消してしまったこのネタ、理由は無く何となく違うと保留にしたものです。えぇ書くのが遅いのはいつもの事すいません。
 今まで書こうと思っててタイミングが中々なく言えなかった事、クルミ、ミユキの名前はけして逆ではありません(^_^;)
前世双子の姉が書いた物語り、という設定になってます。……もっと分かりやすく書け(っ>ω・)つ)o゚)∵


 ◆

 お父様お母様、お兄様お姉様お元気でしょうか?トゥカーナは元気です。そういえば今朝お会いましたね。久しぶりに頬ずりをされた時、お父様の頬はとても艶々していてビックリしました。なぜこうなったのだろうか?と私は大好きな人の膝の上で現実逃避をしていた。


「カーナあーんして、これはカーナの好きなマロン味かな、おや?顔が赤いけどどうした?もしかして食べさせてもらってることが恥ずかしいのかな?僕のカーナはそんな所もとても可愛いね、可愛い所を上げたらキリがないよ、さぁもう1つどうぞ、
 大丈夫ラケルタ達なら会話の聞こえない所にいるし、僕達の大切な密会を邪魔するボレアリス嬢もここにはいない、なんなら宰相も居ないから安心して、」


「モグモグ…邪魔だなんてアリス姉様はほんの少し過保護なだけですよ、アウラ様私は聴覚よりも視覚の方が辛い気がします、それに聞かれてはいけない会話はしてないですよね?このマロン味の開発はイプシロン家のアムス料理長を初めとした料理人達が頑張ってくれたからです。素材のマロンの味をどう引き出すのか私も一緒に味見をして考えたのです。」


「ふーん、カーナの口から他の男の名前を聞くのは気分が悪い、なら僕はカーナの可愛いところを沢山言おう、カーナが僕を見る時は顔が赤くなる、お菓子はマカロンが1番好き、好きな色は黄色、好きな花はスイートピー、ねぇカーナ僕とマカロンどっちが好き?」


 仕事と私どっちが大事なの?みたいなことを言われ一瞬で頭が真っ白になる、こんなセリフ言えるのはテレビの中の綺麗な女優さんだけだと思ってた。アウラ様は成長途中で男性の様な逞しさよりも線が細い印象、アウラ様を見ればどうしたの?と目の奥が笑ってないアウラ様の心の声が漏れ出てるのか僕以外は言わせないよと圧をかなり感じる。これだけのことを一瞬で考えついた私はアウラ様に微笑み答える。


「……もちろんアウラ様です。マカロンは食べ物ですから、」


 私はソファに座るアウラ様の膝の上に乗せられ、マカロンを食べさせてもらっている、温室に入りソファが一脚しかない事に気が付いたので、侍女ロッテにソファが足りないと視線で促したがニッコリ微笑むだけ、
 イプシロン家執事長アーロンは私たちの前で恭しく頭を下げ言葉を発した。


「トゥカーナお嬢様、私たちは隅に控えております御用の際はベルを鳴らしてください、では王太子様トゥカーナお嬢様ごゆっくりおくつろぎ下さい、」


「アーロン分かった。何かあればベルを鳴らす。」


「アーロンちょっと……」


 執事長アーロンはそのまま立ち去り、アウラ様はテーブルに置かれた様々なお菓子から1つお菓子を取り、私の口元に差し出す。


「これは何味かな?」


「アウラ様!私1人で食べられますし、やはりソファをもう一脚用意させます!」グゥー……


 なんでこんな時に!私のお腹は空気を読まない、今日も朝ごはんを沢山食べたのにも関わらずだ。何も言えない私に間髪入れずマカロンを差し出すアウラ様、私の目の前でマカロンを左右に揺らす。マカロンに罪は無いが欲望に負けてる私は無意識で右に左にと揺れるマカロンを目で追う、


「カーナ可愛い、ほらお腹もマカロン食べたいって言ってる。黄色いマカロンは何味なのかな?」


「うぐぐ…1人で食べられます。でもマカロンに罪はないですものね。」


 あーんと口を開いたが、やっぱり恥ずかしくて大きな口を開けず、アウラ様は恥ずかしがってるカーナも可愛いね。と1口サイズのマカロンを私の口にゆっくり入れる、恥ずかしさ満載だが今は味に集中しよう、けして逃避行の旅に出る訳では無いと自分にいい訳と、せっかく作ってもらったマカロンにも申し訳ない、

 皮は口の中で溶けその後やってくる優しい甘さは栗、丸ごと1個だと大きいからペーストになった栗が私の中に秋を連れてくる、
 秋と言ったらカボチャやさつまいもといった野菜系から、栗や梨や葡萄といったオヤツ系まで沢山ある。この世界にも干し芋もあり私は好き、だが王子様にお出しするお菓子では無い、家族のお茶会で出たりする。飲み物はもちろん紅茶ではなく緑茶だ。思わず現実逃避をしてしまった。すぐ目の前にキラキライケメンが居るとか心臓が止まってしまいそう、


「もぐ……私も意見は出しましたが、もう少し大雑把な意見だけ、ですがこれもアムス料理長達の努力の結晶ですよ、領地の民が沢山持ってきてくれるとペルセイ兄様が今朝言っていました。マカロンは試食しましたがおまかせしてしまったのです、何に黄色を使ったのかなどの詳細まではわからないんです。
 あの……アウラ様おもてなしする立場は私の役目のはずです、恥ずかしいですなぜこんな体勢なのでしょう?」


 アウラ様に質問すると、とても幸せそうに微笑み私の頭を撫で、お茶はどうする?と聞いてきたが、流石にこの格好で飲ませてもらおうとは思えず、首を横に振るとそのまま私の顔の輪郭をなぞり、親指で私の上唇をなぞった、アウラ様のキスをしそうなその仕草は、色気が満載で心臓がドキドキし過ぎて、そのまま過呼吸になってしまいそう、


「カーナの仕事は僕に甘える事、それ以外僕はどうでもいいと思ってる、ほらカーナあーんして、今度は何味かな?」


 アウラは視界の端で従者ラケルタが合図を出したのを見て眉を少し動かした。執事長アーロンは異変を感じラケルタに耳打ちをしてからこの場を離れたらしい、


(アルゲティ様でもボレアリス嬢を止めることは無理か、しかし城に僕が居ないことなぜ分かったんだ?)


 アウラはトゥカーナの姉ボレアリス嬢をどうやって巻こうかと考えてる間、トゥカーナは周りをキョロキョロしながら、アウラ様に差し出されたマカロン(さつまいも味)をモグモグ食べ秋の味覚を堪能し甘さが残る内に渋いお茶で喉を潤す、この飲み方が1番美味しいわね、と自然な仕草でカップを手にしようとしたら視線を感じその方向を見たら、項垂れた子犬のような眼差しでアウラ様がこちらを見てた。可愛いと思ったのは内緒だ、結局大人しくアウラ様に飲ませてもらったが、この状態は親鳥からエサを貰う鳥のヒナなのでは?と急に恥ずかしくなったトゥカーナ、
 一方アウラはカーナが中々自分に甘えてくれず、遠慮してる様に見えていた、だからどうしたら甘えてくれるかを考えていた、
 ある日ふと思いつき城に所蔵されてた遠い砂漠の国の本を読んだ際、恋人や妻に自ら食べ物を食べさせることは愛を深めると書かれていて実戦しアウラ自身も次回のお茶会もこうしようと満足し、ひたすらモグモグと口を動かすカーナを見つめ甘い時間を楽しむ、カーナとの甘い時間を誰にも邪魔されず2人きりで過ごしたい、


(この時間は幸せだ、このまま時が止まればいい、)

(今日のアウラ様は少し変だけど、アウラ様と一緒の時間はとても幸せ、)

 ふと視線を感じた2人は互いを見つめていたことに気が付き、互いに顔を赤くし微笑み合う、


 トゥカーナは温室の花を見る素振りをしながら思う、それはどうなの?と、なんて考えながらもう一脚椅子を持ってきてくれないかな?と期待を込め見るが、ロッテはまるで巣立った我が子を見るような、嬉しいような悲しいような顔をしてるし、アーロンに至っては私と目が合えば恭しく頭を下げ、私の視線が届かない場所へと一歩だけ横にズレてしまった。どこに行ったの?と見えなくなった場所を見てると、ほっぺをツンと何かが突っつく、ハッと見ればアウラ様が自分のほっぺをつんつんと優しく突っついてた。


「あ…えっと、ごめんなさいアウラ様、」


「僕とのお茶会によそ見かな?お菓子まだ足りないよね?ほらあーんして、」


 アウラ様にまた1つマカロンを食べさせてもらう今度はかぼちゃ味。中のあんは少し甘めのかぼちゃのあんが詰まっていて口の中に甘さが広がる、差し出されたストローを口に含めば、グラスを持たせてくれないけど飲み物は甘さが控えめのアイスティー、私の喉が渇いたタイミングでアウラ様が飲ませてくれる。
 トゥカーナは思う、もしかして自分の声ダダ漏れなのでは無いだろうか?と、けど私の顔を見て幸せそうな顔をして頭を優しく撫でるアウラ様を見れば、自ずと自分も幸せな気持ちになる。

 アウラ様が私の頭を自分の胸に寄せたので、甘えるようにしてコテンと頭を倒した。今この瞬間がとても幸せ過ぎて怖い、アーロンがラケルタと話をして少し慌てた様子で温室から離れていった事を、私達はまだ知らない、


 2人は幸せを噛み締める、


 ◆

 その頃の王城、ボレアリスは愛らしい黄色いドレスを揺らしドスドス歩いていた。前から来たメイドが悲鳴を飲み込み廊下の端より頭を下げる、ボレアリスは気とめず、自分にまとわりつく精霊と女の人を引きずっている、更にその後ろには黒猫が不安そうに付かず離れずで着いてきてた。精霊は大切な隣人でチカラを貸してくれる、振り払いたいがむげには出来ない、だが隣りの女の人は事ある毎にボレアリスの妹トゥカーナに付きまとう、しかし王族のお客様らしい、この国の宰相であるお父様に、けしてこのお方に無礼がないように、と釘を刺されているからタチが悪い、ボレアリスは立ち止まりまとわりつく2人を睨みつけた。


「先程からどうされたのです?邪魔なのでどいてもらいません?私可愛い妹のところに戻りたいのです。」


「それはダメなんです!」


「ちょっとアルゲティ!それ言っちゃダメなの、ヒィ!」


 スーッと周りの温度が下がった気がする、アルゲティと契約精霊ミューは互いに抱きついた。ボレアリスはツカツカとアルゲティの前に立つと、怖いくらいニッコリ微笑んだ。


「正直に話せば許して差し上げます。さぁ何を言ってはいけないのかおっしゃって、」


「アルゲティ言ってはダメなの、アウラに怒られるのよ、」


「そうよね、トゥカーナちゃんとお茶会しに行くからお姉さんには黙ってて、そうお願いされたもの、あっ……」


「そうなんですかアルゲティ様、お願いがあるのですが。もちろん聞いて下さりますよね?」


 口に出して言ってしまった2人はとても怖い魔王を目の前にしたようにガタガタ震える、昔母様が言っていた長い物には巻かれろ、の言葉を思い出し咄嗟に何度も頷く、


「ではアルゲティ様、私をイプシロン家に転移魔法で送ってくださいます?まさかアルゲティ様とお茶会をしてさっさと帰る私を無げに引き止める、なんておっしゃいませんよね?」


「い、いいえもちろん送らせていただきます。」


「無理に頼んだみたいで申し訳ございません、謝罪は王太子様に貰ってください、」


 そ、そんなことないですよボレアリス様、と震える2人にボレアリスはでは魔法が使える場所までさっさと行きましょ、と急ぎ足で向かう、アルゲティはせめて連絡だけしておかないと、ミューをすがるように見る、


「ミューお願い、アウラさんに怒られちゃう!」


「わ、分かってるのよ、」


「アルゲティ様!さっさと来る!可愛い妹が毒牙に掛かる前に!」


 はい!ごめんなさい、と口に出しアルゲティはミューと別れた。


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