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学園編
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「アウラ様おはようございます。」
「カーナおはよう、よく眠れた?」
はい、と返事をしたがアウラにはバレた、久しぶりにミューが帰って来たから、夜更けまで話して寝不足。あの羽根の事を聞いた。
『そ・・それは私が倒れた時、看病してくれた空の人がくれたのよ、無くさない様にしてたの、此処にあったのね!良かった!』
答え方がしどろもどろな感じだった。
まぁいいかと思いミューの事を、根掘り葉掘りと聞いたりして、かなりの時間が過ぎていた。寝るわと言うと、ミューは安眠魔法を掛け今日は夢は見てない、
鐘が鳴りアリス先生が入って来る。
アウラは心配顔で私をちらりと見たが、気が付かないフリをし、前を向きアリス先生の話しを聞く、
「明日から学園はお休みです。家に戻る生徒は申請を忘れない様に、楽しい休暇を過ごし、休暇明け元気に顔を見せて下さい!」
以上!それだけを言うとアリス先生は教室から出ていく、
その早さに、へ?!口を開けポカンとしていた、アウラに優しく手を差し出される、私はポカンとしたままアウラを見上げ、
「カーナこれで授業は終わり、行こうか」
「え?!は・・・はい」
学園の規則は休暇と同時に無くなる、私は慌てて口を閉じ微笑む、手を取り席を立つ
その様子を見た周りの生徒は立ち上がり、扉迄の道を空け私達を通す。扉の前に立つと、アウラは振り向き生徒の顔を見る。
「皆ありがとう!休暇を楽しんでくれ、僕達は色々と行く場所がある為、休暇はかなり忙しくなる、また学園で会おう!」
隣りで聞いてギョ!とする、アウラの話しが終わった為、私はスカート端をちょこんと摘み挨拶して、アウラに手を握られそのまま退出する。
退出すると一気にざわめく教室、
「王太子様を誘えと両親から言われたのに・・・」
「トゥカーナ様とお茶会をしようと・・・」
「あれは休暇中は誘うなと言われたな」
扉1枚挟んだだけ、声が漏れ内容まで分かる、横に居るアウラは満足気に頷き微笑む、
「カーナ行こうか」
「アウラ様先程の・・・」
「カーナと一緒の時間を邪魔されたくない、それに忙しいのは本当の事だ」
アウラは私の手を取り直すと、慣れた様子で恋人繋ぎをする。私はまだドキドキするのに、アウラはそうでも無さそうで、顔が赤いのは私だけ、ここで緊張しても仕方がないと頭を切り替え、顔を上げ優雅に歩く
私達はそのまま転移魔法陣で王城に移動した。
◆
王城に着き客間に案内される、今回もあの可愛い部屋客間に入ると、ロッテが手早く準備を始め、すぐに湯浴みと着替えを終わらせ、
「お嬢様支度が整いました。」
「ロッテありがとう」
私は姿見の前でクルリと回り仕上がりを見る、
アイスブルー色エンパイアドレスは胸元からウエスト部分まで複雑な模様を施され豪華な仕上がり、両肩は出し、柔らかなシルクを使い編み込まれたレース、それが肩下から手の甲までピッタリと覆い隠し上品さを醸し出している。
髪色は陛下に見てもらう為に染まったまま、髪に何も手を加えない、アウラに贈られた花の髪飾りを着ける
ロッテが豪華な入れ物を恭しく持ち私の前に差し出す。
「お嬢様王太子様からの贈り物です。」
「贈り物?」
私は豪華な長い箱を開ける、
チェーンの短いネックレス、その先には鮮やかな青色のガーネット、その程よい大きさの宝石は光が当たると、鮮やかな優しい紫色に輝き光る。
「ロッテこれお願い」
ロッテは頷きネックレスを着け改めて姿見を見た所でノックが鳴りアウラが入る、着飾ったトゥカーナの姿を見たアウラは、一瞬時が止まった様に見惚れる。
「カーナ綺麗だ・・・」
「アウラ様、お褒めいただきありがとうございます。贈って頂いたネックレスとても素敵です。」
「僕とカーナみたいでしょ?」
アウラは私の手を持ち上げ口付けをする、自然な仕草で私をエスコートして歩く、私は集中して優雅に歩く今回は本番前の練習みたいなもの、アウラも豪華な飾りがついた服装を着てエスコートしている。
豪華な扉の前にいた近衛兵は、私達の姿を見て豪華な扉を開ける。
スカートの真ん中を持ち上げ、頭を下げ進む、厚い絨毯で足音は聞こえない、静々と進み止まる
「よく来た顔を上げよ」
私はゆっくりと顔を上げ微笑む、陛下と王妃、後ろには宰相でもあるお父様が控え立つ、レオニスは王妃の後ろに立ちこちらを見る、
「さて・・・話しは聞いたが、髪色は見事で綺麗だ」
「お褒めいただき光栄です。ですが毎朝染めなければならず、帝国では誰に見られ噂されるか・・・、髪色を染めず陛下の御前に参りました、お教え下さい。」
陛下は少し考え、宰相に目配せをする。陛下に恭しく頭を下げ、私の周りをぐるりと回り、髪色におかしな場所が無いか確認している様で、立ち去る際小声で、
流石私の可愛い娘、綺麗だよトゥカーナ、
一瞬の事で何も言えず、微笑みを送る。
一瞬だけ優しく笑い、真面目な仕事モードに変わった様で、陛下に報告をしている様子、陛下は頷き王妃と目配せした。
「堅苦しい言葉は無しだ、トゥカーナ嬢気楽で良い、それで髪色か・・・」
「クルキス陛下、髪は乙女にとって重要です。簡単に言われては困ります、アウラもそう思うでしょ?」
「母上・・・僕は外見で好きになったのではありません」
「アウラその気持ち分かる、タリタ乙女心まではわからんよ・・・」
陛下達はプライベートモードで話し出しす。
王妃に言われ弱り果てた陛下はレオニスを見る。
「レオニスはどう思う」
「兄上、俺は乙女心まではわからん、トゥカーナ嬢に聞けばいいと思う。トゥカーナ嬢はどうしたいんだ?」
わからないから聞いたのに、逆に聞かれたよ・・・
私には探し物がある、それを探しに街で探すかもしれない、でも探すのは私であり、アルゲティでは無い
「元の髪色にしたいです。この髪色は確かに綺麗です。ですが私の髪色ではありません、」
「よし、この場の魔法使用を許可をしよう、元に戻しなさい」
「ミュー!お願い髪色を染めて」
光の球が飛び私の目の前で人型になる。今日の衣装もコスプレチック、ピンク色の魔法少女風の衣装
「任せるのよ!」
サラサラと髪色がオーキッドから白金に戻る。毛先まて染まると、指を鳴らし合図すれば終わる、
「ありがとうミュー!」
「いいのよ・・・?!」
ミューはレオニスを驚いた顔で見ていて、私の髪色の変化を見てる陛下、王妃、レオニスはミューが見えていない、変わりにアウラは見えるのか、ミューの事をじーっと見ている、
「ミューどうしたの?」
「帰るのよ!」
ミューは光を振りまき王城の外に消えた。光も落ち着くと、王妃がスっと立ち上がり一歩づつ優雅に歩き私の傍に来ると、ごめんなさいね。と一言断りを入れ髪を持ち上げ髪色の検分する様に見ている、
「見事ですねクルキス陛下、髪色は全て綺麗に染まっております。」
「そうかトゥカーナ嬢、髪色は今の色で行きなさい」
私はカーテシーをして了承の意を伝え、退出を促されアウラと優雅に退出をする。失敗はしなかったし、陛下への報告も終わり、とてもスッキリした。後は備えるだけ、
客間に着くとロッテにお茶を入れてもらうと、アウラは人払いをするロッテは頭を下げ退出し、パタリと扉が閉まると同時にアウラは話し出した。
「カーナ精霊見えたよ、人型だったんだな・・・精霊は」
「ミューの事ですか?他の精霊とは別と考えて下さい、衣装もコロコロ変わりますので、」
「そうか人型になるものだと思っていたよ」
ここの客間2人掛けのソファが1脚しか無いから、動く度にアウラの手に触ってしまう、1人でドキドキしている、
「カーナ魔法陣は帝国までは無い、その代わり教会に魔法陣はある、夕刻には帝国入りになる、昼食後出発する」
流石に魔法陣でピュー!とは行けない国同士での戦いになると使われたり、悪用されない為の決まり事、王太子妃教育で叩き込まれた知識を思い出す。
「はい、準備しますね」
私がスっと立ち上がろうとすると、アウラに手を引っ張られアウラに抱きつく形で倒れ、私は昨日の事を思い出し顔が赤くなり熱くなる、
「アウラ様止めて下さい」
「ごめんカーナしばらくこのままで良いかな?」
アウラがギュッと抱きしめられ、アウラの声が心地よく、ドレスがシワになるのも忘れしばらくそのまま過ごす、どちらともなく顔を見合わせ思う、何だろ?夢に出て来たアウストに会い嬉しかった思いが蘇る、胸のドキドキ止まらない、顔がさらに熱くなるのが分かる、
私は思い切ってアルゲティの真似をする。思いっきりギュッとする、
アウラは一瞬固まる、トゥカーナがすぐに顔を上げた為、優しい笑みを浮かべ、トゥカーナの頬に手を添え口付けした。口先が当たるだけのキス、アウラはこれ以上はダメだと立ち上がる、
「カーナごめん、また後で迎えに行く」
「は・・・い・・・」
アウラが退出すると、すぐにロッテが来てドレスを再度整え、ポーっとしている間に昼食になり、その味もわからなかった。
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