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学園入学前編

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                           父様視点です。

地上の人は翼がある私達の事を空の人とか天使だと言うが、空に住んでいるか、地に住んでいるかの違いだ。もし違いがあるとしたら、長い時を生きるそれだけだ


そんな私達も天寿はある、次の生は空の人では無い、長い時間をただ空の国で暮らす。ここ空の国はとても平和で、ただ楽しく暮らしていれば、自ずと天寿はやって来る。


成人後一人でただ長い時を過ごすのは寂しい時もある。そんな者はパートナーを見つけ結婚をし、子供を授かる。私も妻との間に一人娘アルゲティを授かり私達は、それは可愛がった。


アルゲティが小さい頃、小さな翼をパタパタさせ、しかも飛びっきりな笑顔で「将来は父様のお嫁さんになる!」と言われた時は、それは悶絶ものだ。誰にもやらん!と思ったものだ、まぁ子供は皆可愛いものだ。妻は呆れていたが。


成人後は気ままに生きていけば良いと思っていたが、まさか昔の地上の人の話しを聞き、好奇心で飛び出して見に行くとは思わず、引き止めようと思ったが、時はすでに遅く地上に行ってしまった後だった。


アルゲティは地上を飛び回っているのか、なかなか見つからずにいたが、その後風で拾った話、地上の人と恋をした。私達は寿命が長い。とても地上の人と婚姻なんてしたら、悲しい思いをするだけだ。そんな思いをさせなくなくて、探しに探し、ようやく見つけ出した時には可愛い娘が禁忌の魔法を使う時だった。あの魔法を知っていたとは思わなかった。

魔力が尽き、抜け殻になった娘を抱きしめ、その亡骸を空の国に連れ帰り埋葬をした。それは悲しい時間を夫婦で過ごしたものだ、早く輪廻転生をしないものかと、地上を覗いたりもした。そんな時を過ごしながら地上の洗礼式を覗き見た。


とある領地の洗礼儀式で驚いた。我が娘の気配がするのだ。私は思わず儀式に降りて地上の人の娘を見て呟いてしまった。待ちに待って産まれたのだ。アルゲティの魂を持つ娘だった。


「やっと生まれてきたか我が娘。」


そんなセリフも言いたくなる。我が可愛い娘。
魂の解除と記憶の解除の呪文を唱え後は、たまにあの娘の所に様子を見に行く。
地上の人の目を借りる時もあるが、それは娘の記憶が何処まで戻っているかの確認でもある。顔位は見たいからな。


身体の負担も考えず、夢と次元の狭間へ連れて行ったりもした。少しだがアルゲティとも会えた。

それでもあの子を見られるだけでも今は良い。それでも手放したくは無い。たが今まで静観していた妻に怒られた。

「そろそろ子離れしなさい!空から見守っていれば良いじゃないですか?!」

妻は時々空から見ている。気配を消して近くで、建物には入らず外から、みたいだが、

「ダンスの練習の時声掛けちゃいそうになっちゃう!」とか。
「あの子歴史の勉強してるわ!」とか

妻は我が子の成長を楽しみつつ、楽しんでいる様だ。
今は解除の呪文の効きを確認しながら、私も見守って行こうと今の所は思う。
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