上 下
1 / 23
第1章

バスケ部でばったり

しおりを挟む
高田まさるは部活に行くため、教室を出た。

「今日も練習しないとな」
俺は中学の頃からバスケをしている。そこまで強くはないが、県大会に出るくらいの実力はある。今は全国に向けて練習をしているが、全国の壁は高い。予選敗退を繰り返している。


「まさる、遅いぞ」
「悪い」
「お前が来ないと始まらねえよ」
「全国が待ってるからな」
「予選敗退はもう勘弁だ」


「まさる、今日も練習してるのかな?」
みなみはまさるが練習してるであろう体育館の方を向いて呟いた。
「行ってみようかな」


「まさる、パス」
「おう!」
まさるがシュートを決める。
まさるのチームは20―28で勝っていた。
「残り5分、行くぞ!」
(頑張って)


しかし、まさるが相手をマークしていて、ボールをカットしようとした時、相手を倒してしまった。
「ファウル」
相手がフリースローを二発決める。
6点差となり、相手が勢いつく。


まさるのブロックをかわされ、いとも簡単にスリーポイントを決められる。
25―28となり、残り2分。
「まさる、パス」
「おう! あっ」
パスを取り残し、相手チームにボールが渡る。


「なにやってるんだ!」
「ごめん」
結局、29―28で負けてしまった。
「どうしたんだよ、まさる」
「調子悪いな」
「焦ってるんじゃないか?」
「そうかもな」


「まさる!」
「あ、みなみ」
「かわいい彼女のお出迎えか?羨ましいな」
「幼なじみだよ」
「じゃあな」

「まさる、大丈夫?」
みなみが腕を持って、支えてくれる。
みなみは高校になって、すごくキレイになった。体つきも女の子になり、体操着を着ていると良く分かる。


「大丈夫だよ。ちょっと、焦ってるのかもね。それより、みなみは練習良いの?」
「女子は終わったよ。まさるが頑張ってると思って、張り切っちゃった」
「そうなんだ」


「一緒に帰ろう」
「うん」

俺はみなみと帰った。
「まさるの家に行って良い?」
「直接?」
「荷物置いてから」
「良いよ」
「じゃあ、後で行くわね」
「うん」


ピンポーン
呼び鈴が鳴る。
「まさる、来たわよ」
みなみが普段着に着替えて、家に来た。普段着姿のみなみもすごくかわいい。
少し、鎖骨が見えていて、胸が見えるんじゃないかと思うくらいだ。


「入って」
「お邪魔します」
「何年振りかな?」
「中学以来だね」
「もう、そんなになるんだね」

「最近、まさる集中出来てないよね」
「正直言うと、いつもみなみのこと考えてて」
「えっ、それって」
「まだ、早いかなとは思うけど、自分の気持ちを言おうと思ってるんだ」
「まさる、聞かせて。全然早くないよ。小学から一緒なのに」
「みなみ、俺みなみのことが――」
みなみの携帯が鳴る。
「お母さんだ。帰るね」
「うん」

みなみは帰っていった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

就職面接の感ドコロ!?

フルーツパフェ
大衆娯楽
今や十年前とは真逆の、売り手市場の就職活動。 学生達は賃金と休暇を貪欲に追い求め、いつ送られてくるかわからない採用辞退メールに怯えながら、それでも優秀な人材を発掘しようとしていた。 その業務ストレスのせいだろうか。 ある面接官は、女子学生達のリクルートスーツに興奮する性癖を備え、仕事のストレスから面接の現場を愉しむことに決めたのだった。

校長先生の話が長い、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。 学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。 とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。 寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ? なぜ女子だけが前列に集められるのか? そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。 新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。 あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。

JKがいつもしていること

フルーツパフェ
大衆娯楽
平凡な女子高生達の日常を描く日常の叙事詩。 挿絵から御察しの通り、それ以外、言いようがありません。

坊主女子:女子野球短編集【短編集】

S.H.L
青春
野球をやっている女の子が坊主になるストーリーを集めた短編集ですり

令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました

フルーツパフェ
大衆娯楽
 とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。  曰く、全校生徒はパンツを履くこと。  生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?  史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

坊主女子:学園青春短編集【短編集】

S.H.L
青春
坊主女子の学園もの青春ストーリーを集めた短編集です。

処理中です...