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第16章 邪悪創造神アジュラー討伐

第97話 アジュラーのアジトに突入。行く手を阻む無限回廊

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「マコトさん、アジュラーのアジトは無限回廊になっているみたいです」
「無限回廊?」
「三回間違えると、死ぬ・・みたいです」
「なんだ、そりゃ」

「無限回廊なのに、三回目は地獄に突き落とされるって、無限回廊じゃないよね?」
 ラミアが肩を竦める。
「全くだな」

「気をつけてください。地図はないのですから」
「そうだな」
 マコトたちはアジトの中に入った。

「どっちに進む?」
 ミアが聞いた。
「無限回廊だから、どっちも同じだと思うが」
「むー」
 マコトの答えにミアが不満顔する。
「そう怒るなよ」

「どっちか決めてあげて」
「分かったよ。右にしよう」
「良かった。私も右だったの」
 ミアは嬉しそうだ。

「しかし、地図がないとはな」
「今までもなかったじゃない」
 ラミアが指摘する。
「それはそうだが、ウンディーネ、なんとかならないか?」
「ワシに言われてものぉ。どうすることも出来んよ」
 ウンディーネが肩をすくめる。

「お兄ちゃん、進むしかないよ」
 リリア妹に言われて、「むぅ」と悩むマコト。
「しっかりしなさいよ!」
「痛!」
 ラミアがマコトの背中をバシンッと叩く。

「マコトらしくないわよ? どんなことがあっても突き進んでたじゃないの」
「そうだな。私たちと旅を始めたときのマコトに迷いはなかった」
「マコト、大丈夫」
 ラミア・ミーナ・ミアに言われて、ハッとする。

「その通りじゃな。数々の試練を乗り越えてきたマコトじゃ。悩みや迷いは無用であろう」
「大魔王との戦いでバラバラになっても、探してくれましたし」
「仲間を集めるために神殿を復活させ、」
「天界をも救ってくれました」
 ウンディーネ・からくりマシン・サメエル・サミエルに言われて、目が覚めた。

「私たちはずっとお兄ちゃんと一緒だよ」
「そうだよ。頑張ろう!」
 ミズナシとリリアのダブル妹にも励まされた。

「それに全てを司る私もいます、マコトさん」
 天界で仲間になったイミューだ。

「先に進もう」
 みんなが「そうこなくっちゃ」と笑顔になる。


 マコトたちは右に進み、明かりが照らしてある通路を進む。
「長い廊下ね」
 ラミアが呟いた。

 しばらく進むと、三つの分かれ道に来た。
「どっちだ?」
「マコトよ、直感で行ったらどうだ?」
 ウンディーネが提案する。

「じゃあ、真ん中で」
 正解だったようだ。無限回廊を抜け、次のエリアに。
「やったな」
「すごいじゃない」


『聞こえるか? お主たち。我はアジュラー。この世界を統べる王だ。暗黒大魔王は破れたが、我はそうはいかぬ。ひとたびの絶望を味わわせてやる』
「なにを言って。ぐはぁっ」
 突然、マコトが血を吐いて倒れた。

「マコト、しっかり」
「マコト!」
 ラミアたちが慌てる。
「私に見せてください」
 イミューがマコトの体を見る。

「毒が回っています。私が解毒を。我らが神よ、今大精霊の名により、あなたに願い求めます。この者の毒を消し去りたまえ。〝解毒の祝詞〟」
 精霊魔法最上級階治癒魔法〝解毒の祝詞〟。神の力を借りて解毒する上位魔法だ。普通の治癒魔法よりも効果がある。
 マコトの体から毒が消えるが、体の力は戻らない。

「私に任せて!」
 クリスがマコトに近づく。
「神よ、我にあなたの力を授けたまえ。そして、この者に神の力を授けたまえ。〝天回〟!」
 〝天回〟は神の力を注ぎ、傷を全回復させる回復魔法。クリスだけでなく、サメエルたちも使える。

「んん」
「マコト!」
 ミアがマコトにくっつく。
「ミア、みんな」

「良かった」
「どうなるかと思ったわい。良かった。良かった」
「先に進もう」
 マコトたちは廊下を進み、奥へと向かった。
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