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無二-only-5*
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「朱ちゃん!!」
朱斗と目があってその姿を確認すると、樹矢は勢い良く飛びついた。マンションの廊下といえど、ここは外。恐らくメディアに樹矢の家の特定なんてされているだろうから、いつもなら絶対にこんな行動はとらない。なのに今は違う。
「樹矢……」
駄目だろ。と叱ろうと思った。何時もみたいに可愛くない本音をぶつけてやろうと朱斗の喉まで出かかったそれを飲み込んでしまうほど、とても優しい恋人から抱擁される。
「やっと会えた……朱ちゃんだ……」
本物かどうか確認するかのように、朱斗の頭を撫で身体でお互いの体温を感じて、目をしっかり合わせた。
「なん、で?なんで樹矢がいるんだ?」
あまりに思考が回らず、はっきりと言葉が出てこない。
「いやー、短期間だけど急にオフ貰ってさぁ。マネージャーにお願いして一旦帰ってきちゃった!」
顔に書いている。「朱ちゃんに会いたくて仕方なかった」と。
密着した状態から離れ、樹矢は朱斗の腕を引っ張り家の中へと導く。帰っても一人だと思っていた自分の家は、今朝まで静かでどこか冷たく無機質に感じていた。なのに彼が居るだけで安心して、心がぽかぽかと温もりを得ていった。
「……会いたかった」
伝えようとしていなかった言葉がなぜかポロリと口から溢れる。
リビングに立った二人は向かい合い、その溢れた言葉を樹矢は優しく掬うかのように朱斗の頬に手を添えてゆっくりとキスをした。
ちゅっ、とリップ音が一つ室内に響いた。
それ以上の行為が続くから受け入れようと軽く目を瞑っていたのに、樹矢はしなかった。
「朱ちゃんから離れると、朱ちゃんの事ばっかり考えちゃってたんだ。俺」
(そんなの俺もあんたと同じだよ……)
「仕事中は大丈夫なんだけど、他の俳優さんとプライベートの話になった時にさ、みーんな奥さんとか彼女の話するんだよ!惚気!惚気に溢れてる!もう参っちゃうよねー」
(樹矢の相手は俺だから、彼女がいる事も隠してるんだろな。俺のせいで……)
「だから、ほんの少しの時間しか居れないけど会いにきた。可愛くて可愛くて可愛い俺の恋人に会いたくて仕方なくって」
久しぶりの彼の顔をじっくりと見て味わいたい。けど愛おしくて抱きしめたいし抱きしめられたい。幾つもの感情がこみ上げて朱斗は樹矢にキスで返した。
深いキスを珍しく自らした。
驚いた樹矢の表情を横目に、キスを止めることができなくなった朱斗も自身にびっくりしていた。
繋がった唇の隙間から空気を吸っては、直ぐに塞ぐ。樹矢から漏れる声も息も何もかも全部が俺のなんだという勢いだ。
「んっ……ふっ…っ、」
樹矢はそれを受け入れた。それどころか、樹矢から求めてくる行為も止まらなくなっていた。お互いがお互いに唇を離すことなく、それぞれの下顎に伝う唾液がゆっくりとフローリングに落ちていった。
「んん…っふ、んぅ……」
何か話そうとしているわけじゃないのに声が漏れる。朱斗は樹矢の舌に絡めて触れるだけで、気持ちよくて堪らなくなっている様子だ。
「っは、はぁ…朱」
樹矢は垂れる唾液を拭う事なく、朱斗の頭に手を回して抱き寄せる。
「もうここで、愛させて」
「うんっ……」
朱斗と目があってその姿を確認すると、樹矢は勢い良く飛びついた。マンションの廊下といえど、ここは外。恐らくメディアに樹矢の家の特定なんてされているだろうから、いつもなら絶対にこんな行動はとらない。なのに今は違う。
「樹矢……」
駄目だろ。と叱ろうと思った。何時もみたいに可愛くない本音をぶつけてやろうと朱斗の喉まで出かかったそれを飲み込んでしまうほど、とても優しい恋人から抱擁される。
「やっと会えた……朱ちゃんだ……」
本物かどうか確認するかのように、朱斗の頭を撫で身体でお互いの体温を感じて、目をしっかり合わせた。
「なん、で?なんで樹矢がいるんだ?」
あまりに思考が回らず、はっきりと言葉が出てこない。
「いやー、短期間だけど急にオフ貰ってさぁ。マネージャーにお願いして一旦帰ってきちゃった!」
顔に書いている。「朱ちゃんに会いたくて仕方なかった」と。
密着した状態から離れ、樹矢は朱斗の腕を引っ張り家の中へと導く。帰っても一人だと思っていた自分の家は、今朝まで静かでどこか冷たく無機質に感じていた。なのに彼が居るだけで安心して、心がぽかぽかと温もりを得ていった。
「……会いたかった」
伝えようとしていなかった言葉がなぜかポロリと口から溢れる。
リビングに立った二人は向かい合い、その溢れた言葉を樹矢は優しく掬うかのように朱斗の頬に手を添えてゆっくりとキスをした。
ちゅっ、とリップ音が一つ室内に響いた。
それ以上の行為が続くから受け入れようと軽く目を瞑っていたのに、樹矢はしなかった。
「朱ちゃんから離れると、朱ちゃんの事ばっかり考えちゃってたんだ。俺」
(そんなの俺もあんたと同じだよ……)
「仕事中は大丈夫なんだけど、他の俳優さんとプライベートの話になった時にさ、みーんな奥さんとか彼女の話するんだよ!惚気!惚気に溢れてる!もう参っちゃうよねー」
(樹矢の相手は俺だから、彼女がいる事も隠してるんだろな。俺のせいで……)
「だから、ほんの少しの時間しか居れないけど会いにきた。可愛くて可愛くて可愛い俺の恋人に会いたくて仕方なくって」
久しぶりの彼の顔をじっくりと見て味わいたい。けど愛おしくて抱きしめたいし抱きしめられたい。幾つもの感情がこみ上げて朱斗は樹矢にキスで返した。
深いキスを珍しく自らした。
驚いた樹矢の表情を横目に、キスを止めることができなくなった朱斗も自身にびっくりしていた。
繋がった唇の隙間から空気を吸っては、直ぐに塞ぐ。樹矢から漏れる声も息も何もかも全部が俺のなんだという勢いだ。
「んっ……ふっ…っ、」
樹矢はそれを受け入れた。それどころか、樹矢から求めてくる行為も止まらなくなっていた。お互いがお互いに唇を離すことなく、それぞれの下顎に伝う唾液がゆっくりとフローリングに落ちていった。
「んん…っふ、んぅ……」
何か話そうとしているわけじゃないのに声が漏れる。朱斗は樹矢の舌に絡めて触れるだけで、気持ちよくて堪らなくなっている様子だ。
「っは、はぁ…朱」
樹矢は垂れる唾液を拭う事なく、朱斗の頭に手を回して抱き寄せる。
「もうここで、愛させて」
「うんっ……」
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