あんたは俺のだから。

そらいろ

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 __ゅ…ゆちゃ…朱…ちゃん!

「……朱ちゃん!」

「ん…ん??」

 目を覚めると樹矢が俺に抱きついてきた。力強く、締め付けられて苦しい。

「あれ…っ俺……」

 今が何時か分からない。俺らの家の寝室でベッドの上に居るのは確かで……、あれ。俺って……。

「朱ちゃん、ごめんね!大丈夫?これ、お水飲んで…!」

 樹矢は俺をゆっくり抱き起こすとグラスいっぱいの水を差し渡した。

「ごめんね。夢中になりすぎて力加減が馬鹿になって気づかないうちに朱ちゃんの首を締め付けてたみたいで……」

 苦しかったよね。本当にごめん……。

 そう言って泣きそうな表情で樹矢は俺の頭を優しく撫でた。

 そっか、最中に締められてたっけ。
 水を飲みながらぼーっとさっきの事を思い出した。愛されながら、強く締められたかな。
 自分の首に手を当てる。

 __でもその締めつけすら、俺は嬉しかった気がする。

「大丈夫だよ。俺は」

「ホント?痛くない?病院いく?」

「こんなので病院なんて行かねぇよ」

 俺は笑いながら樹矢に返した。

「久々に激しくて俺は嬉しかったよ…」

 本人にちゃんと言うのは恥ずかしいからボソッと呟いた。

「朱ちゃん……‼」

 聞こえてたのか樹矢の表情が何時もの笑顔に戻った。

「大好き!朱ちゃんは俺のだからね。誰にも渡さない。この身体も顔も眼差しも全部全部俺のだよ。いつかさ、遠い未来になると思うけど、二人だけの空間で誰の目も気にせずにさ、ずっと一緒に過ごそうね?」


 再び頭を撫でながら樹矢は言った。

「……っ!」

 俺と同じ事を考えてた。
 心の中でとても安心した。同時に嬉しくて泣きそうになって。俺ってこんなに泣き虫だったっけ。と考えた。




 __俺と樹矢だけの想い。
 __他の誰にも見せない想い。



「よろしくお願いします
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