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30 G-15
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モリモリと司教の体が膨らむ。
法衣を破り筋骨隆々の毛皮に覆われた異形の獣がソコには居た。
体長は数メートルにも及ぶ。
外見はミノタウロスに近いが、舌は蛇のように2股に分かれており、その尻尾も蛇の形をしていた。
「うっ、私は牛は苦手なのだが…」
「こんな時に何言ってるんですかアンドュアイス様!つーか牛嫌いな人初めて見ましたよ、食事に困りません?」
「食べる分には良いのだが、あのむっちりとした体形が生理的に受け付けないのだ…」
「よく見て下さいアンドュアイス様、あの牛はガチムチです。むっちりじゃありません!」
「そうか、アレは雄牛か!なら揺れる胸も無いし気持ち悪く無い!」
『牛牛と連呼をするな―――――っ!!』
司教の皮を脱ぎ捨てた悪魔が怒りで目を血走らせてアンドュアイスとルーシュを睨んでいた。
「ひぃ、本物の悪魔!」
「あぁ神が与えたもうた試練なのですか…?」
「死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない……」
講堂の入り口付近まで下がっている神官たちは膝をつきひたすらに祈りを捧げていた。
残念ながらその祈る神はもう既に死に絶えているが…。
「私が結界を張っている。そう簡単には貴方達に危害は加えられない」
落ち付いたテノールが恐怖に打ち震える者の胸にすっ、と入っていく。
先程までの恐怖が嘘のように、その胸には安堵感が生まれる。
「怖がらなくて良い、この悪魔は私とルーシュが退治しよう。貴方たちは私たちを祈ってくれ、何処で何時力を貸してくれるかも分からない神よりも、今この場で戦う私たちを祈って欲しい。それは私たちの力になるのだから」
「アンドュアイス様…」
「あの方は天人か?」
「何て心に安らぎを与えてくれる方なの…」
「人間の身で私たちを守ってくれるその尊いお姿、その背を私は祈らせて貰います」
「私の祈りもアンドュアイス様へ」
「私だってアンドュアイス様を祈ります」
「私も戦うんだけどな………」
ルーシュの呟きはアンドュアイスの耳にしか入らなかった。
この空間を壊さないよう気を使って小さな声で言ったのだろう。
戦況の把握も出来ているし、個に拘らず集団を見る目もある。
ルーシュが男として聖騎士のままだったなら、すぐに1個隊の隊長ぐらいは任されていたであろう。
「ルーシュ、ルーシュには私が祈るよ」
甘いテノールが、ルーシュの耳に言葉を吹き込んできた。
「ちょ、アンドュアイス様、近い近い!!」
少し顔を動かせば頬に唇が触れる距離だ。
明らかに友人や戦友の距離じゃない気がする。
『人間が、私を、無視するなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
ゴウッ!
牛の悪魔がその口から火炎を発する。
ルーシュとアンドュアイスは反対方向に飛びのく。
その炎は結界内の神官たちを襲う。
「ひぃぃぃぃぃぃ!!」
「いやぁぁぁぁっ!!」
叫び声が行動に木霊する。
所詮は人間が張った結界。
純アストラル体の悪魔とは魔力の量が違う。
火炎の1つでも吹いてやれば人間の丸焼きなど幾らでも量産できるのだ。
『守るんじゃなかったのかぁ?お前らが避けたから後ろの人間は黒焦げだ!』
胸を張り愉快そうに牛の悪魔はニヤリと笑った。
「あぁ護るとも」
アンドュアイスの声が響く。
同時に火炎は霧散し、青白い光の結界に守られた神官たちの姿があった。
『な、何故私の炎が人間の結界如きに!?』
「あんまり人間舐めてると痛い目見る~てね!」
牛の悪魔が驚愕で周囲の警戒を怠った一瞬に、ルーシュは高く飛び上がっていた。
数メートルはある牛の悪魔より高く。
それは人間の跳躍力ではない。
ルーシュが最も得意とする【身体強化】の魔術による御業だった。
「まず1撃ぃっ!」
ザンッ!
牛の悪魔の顔の左上部が、角と共に地に落ちた。
その肉片はジュワジュワと音を立てて空気の中に溶けていく。
『ぐあぁぁぁっ!何故、純アストラル体の私が人間の剣ごときで傷を負うのだ!!』
「この大剣は私の心友が付与してくれたものだからね。悪魔だろうが天使だろうが切り刻むという事ですよ!」
ドヤァと聞こえてきそうなルーシュの笑顔である。
『悪魔に傷を負わせる付与だと?何故そんな伝説級の武器がお前の様な小娘に!いや、その付与術師がお前らを悪魔と戦わせるまで能力の底上げをしているのか!?』
「半分正解で半分外れ。サイヒは付与術師じゃない。この剣の付与も3分で行った嗜みレベルの付与らしいぞ、本人曰く」
『嗜み?3分?そんなバケモノみたいな人間が居てたまるか!お前らの後ろには誰が付いている?天人か?精霊か?それとも神か?その存在に唆されて私に対峙しに来たと言うのか!?』
「いや、サイヒは宦官だ」
『はっ?』
アンドュアイスの言葉に牛の悪魔が間の抜けた顔をした。
牛の顔なので人間ほど表情豊かではないが。
確かに今この瞬間、牛の悪魔は呆けている。
「嗜みで神話級の法術と魔術と予知と付与術を使う人間の宦官だ」
…………。
………………。
……………………。
『私を謀るのもいい加減にしろぉぉぉぉぉぉぉっぉっ!!!』
「いや、事実だ」
『そんな、バケモノがいてたまるか!そんなバケモノが宦官?冗談も休み休み言え!!』
「それが1つも冗談じゃないんだよなー。まぁ確かにサイヒはバケモノだけど、お前が言うなバケモノ。あんまり私の心友を貶める言葉を吐くなら次は右を削ってやる」
『させるかぁぁぁっ!』
牛の悪魔が、その巨体から考えられないスピードでルーシュに突っ込んできた。
だがルーシュは【全体強化】の魔道具を身に着けている。
本来の【肉体強化】を何乗にもその効果を跳ね上げている。
牛の悪魔のスピードなど、ルーシュにはよちよち歩きの幼児が突っ込んでくるスピードに等しかった。
ルーシュが避けようとした時、金の閃光が走った。
ザンッ!!
ルーシュに伸ばされた牛の悪魔の両腕が地に落ちる。
体勢を崩した牛の悪魔が足を滑らせた。
そのお陰でルーシュは本来以上に簡単に避ける事が出来る。
「ルーシュに触らないで貰おうか…」
「ちょ、アンドュアイス様、言い方!」
何時ものテンションでルーシュは突っ込んだが、何時ものように柔らかな微笑みは帰って来ない。
アンドュアイスの碧い目は冷たい光を宿し、牛の悪魔を凝視していた。
「細切れにしよう、ルーシュに触れようなどと思わぬように」
ガガガガガガガガガガガガガガ
アンドュアイスのサーベルが牛の悪魔を刻んでいく。
関節の遠い所から1つずつ。
指から
足首から
膝から
どんどんと牛の悪魔が小さく切り刻まれて行く。
痛みと恐怖で牛の悪魔が鳴き声を上げる。
だが純アストラル体のその身は出血する事もなく、急所も無く、ただ自分が小さくなっていく事をその目の当たりにしながら恐怖の咆哮を上げるしか出来ない。
『何で、さいせい、で…きない……?』
「サイヒがそう言う風に付与してくれたからな」
アンドュアイスの言葉に牛の悪魔は絶叫した。
それは恐怖の絶叫だった。
牛の悪魔は魔王に使えるべく人界へと身を下ろした。
丁度良い憑依対象を見つけ、後は人間として生まれた魔王が目覚めるのを待つだけだった。
魔王の力があれば人界に悪魔たちの楽園が築けるはずだった。
なのに何故、こんなタイミングでそんな”バケモノ”が現れてしまったのか?
自分はもう新たな楽園で過ごせる事は無いのだと牛の悪魔は悟った。
せめて、他の同胞たちは魔王の腕となり足となり、楽園を築く手伝いが出来るだろうか?
地上に悪魔の楽園は出来るのであろうか?
「そうそう宦官のサイヒの正体は、お前たちの――が愛している女だ」
牛の悪魔が事切れる寸前、アンドュアイスは甘い声で最悪な言葉をその耳に吹き込んでくれた。
瞬間生まれる絶望。
自分が切り刻まれているのは自分たちの――が愛した女による処分。
――は同胞より、人間の”バケモノ”の女を選んだ。
絶望。
牛の悪魔はもう何も思考する事が出来なくなった。
最後に頭蓋を細切れにされ、空気に溶けてその存在は無くなった……。
法衣を破り筋骨隆々の毛皮に覆われた異形の獣がソコには居た。
体長は数メートルにも及ぶ。
外見はミノタウロスに近いが、舌は蛇のように2股に分かれており、その尻尾も蛇の形をしていた。
「うっ、私は牛は苦手なのだが…」
「こんな時に何言ってるんですかアンドュアイス様!つーか牛嫌いな人初めて見ましたよ、食事に困りません?」
「食べる分には良いのだが、あのむっちりとした体形が生理的に受け付けないのだ…」
「よく見て下さいアンドュアイス様、あの牛はガチムチです。むっちりじゃありません!」
「そうか、アレは雄牛か!なら揺れる胸も無いし気持ち悪く無い!」
『牛牛と連呼をするな―――――っ!!』
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「ひぃ、本物の悪魔!」
「あぁ神が与えたもうた試練なのですか…?」
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残念ながらその祈る神はもう既に死に絶えているが…。
「私が結界を張っている。そう簡単には貴方達に危害は加えられない」
落ち付いたテノールが恐怖に打ち震える者の胸にすっ、と入っていく。
先程までの恐怖が嘘のように、その胸には安堵感が生まれる。
「怖がらなくて良い、この悪魔は私とルーシュが退治しよう。貴方たちは私たちを祈ってくれ、何処で何時力を貸してくれるかも分からない神よりも、今この場で戦う私たちを祈って欲しい。それは私たちの力になるのだから」
「アンドュアイス様…」
「あの方は天人か?」
「何て心に安らぎを与えてくれる方なの…」
「人間の身で私たちを守ってくれるその尊いお姿、その背を私は祈らせて貰います」
「私の祈りもアンドュアイス様へ」
「私だってアンドュアイス様を祈ります」
「私も戦うんだけどな………」
ルーシュの呟きはアンドュアイスの耳にしか入らなかった。
この空間を壊さないよう気を使って小さな声で言ったのだろう。
戦況の把握も出来ているし、個に拘らず集団を見る目もある。
ルーシュが男として聖騎士のままだったなら、すぐに1個隊の隊長ぐらいは任されていたであろう。
「ルーシュ、ルーシュには私が祈るよ」
甘いテノールが、ルーシュの耳に言葉を吹き込んできた。
「ちょ、アンドュアイス様、近い近い!!」
少し顔を動かせば頬に唇が触れる距離だ。
明らかに友人や戦友の距離じゃない気がする。
『人間が、私を、無視するなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』
ゴウッ!
牛の悪魔がその口から火炎を発する。
ルーシュとアンドュアイスは反対方向に飛びのく。
その炎は結界内の神官たちを襲う。
「ひぃぃぃぃぃぃ!!」
「いやぁぁぁぁっ!!」
叫び声が行動に木霊する。
所詮は人間が張った結界。
純アストラル体の悪魔とは魔力の量が違う。
火炎の1つでも吹いてやれば人間の丸焼きなど幾らでも量産できるのだ。
『守るんじゃなかったのかぁ?お前らが避けたから後ろの人間は黒焦げだ!』
胸を張り愉快そうに牛の悪魔はニヤリと笑った。
「あぁ護るとも」
アンドュアイスの声が響く。
同時に火炎は霧散し、青白い光の結界に守られた神官たちの姿があった。
『な、何故私の炎が人間の結界如きに!?』
「あんまり人間舐めてると痛い目見る~てね!」
牛の悪魔が驚愕で周囲の警戒を怠った一瞬に、ルーシュは高く飛び上がっていた。
数メートルはある牛の悪魔より高く。
それは人間の跳躍力ではない。
ルーシュが最も得意とする【身体強化】の魔術による御業だった。
「まず1撃ぃっ!」
ザンッ!
牛の悪魔の顔の左上部が、角と共に地に落ちた。
その肉片はジュワジュワと音を立てて空気の中に溶けていく。
『ぐあぁぁぁっ!何故、純アストラル体の私が人間の剣ごときで傷を負うのだ!!』
「この大剣は私の心友が付与してくれたものだからね。悪魔だろうが天使だろうが切り刻むという事ですよ!」
ドヤァと聞こえてきそうなルーシュの笑顔である。
『悪魔に傷を負わせる付与だと?何故そんな伝説級の武器がお前の様な小娘に!いや、その付与術師がお前らを悪魔と戦わせるまで能力の底上げをしているのか!?』
「半分正解で半分外れ。サイヒは付与術師じゃない。この剣の付与も3分で行った嗜みレベルの付与らしいぞ、本人曰く」
『嗜み?3分?そんなバケモノみたいな人間が居てたまるか!お前らの後ろには誰が付いている?天人か?精霊か?それとも神か?その存在に唆されて私に対峙しに来たと言うのか!?』
「いや、サイヒは宦官だ」
『はっ?』
アンドュアイスの言葉に牛の悪魔が間の抜けた顔をした。
牛の顔なので人間ほど表情豊かではないが。
確かに今この瞬間、牛の悪魔は呆けている。
「嗜みで神話級の法術と魔術と予知と付与術を使う人間の宦官だ」
…………。
………………。
……………………。
『私を謀るのもいい加減にしろぉぉぉぉぉぉぉっぉっ!!!』
「いや、事実だ」
『そんな、バケモノがいてたまるか!そんなバケモノが宦官?冗談も休み休み言え!!』
「それが1つも冗談じゃないんだよなー。まぁ確かにサイヒはバケモノだけど、お前が言うなバケモノ。あんまり私の心友を貶める言葉を吐くなら次は右を削ってやる」
『させるかぁぁぁっ!』
牛の悪魔が、その巨体から考えられないスピードでルーシュに突っ込んできた。
だがルーシュは【全体強化】の魔道具を身に着けている。
本来の【肉体強化】を何乗にもその効果を跳ね上げている。
牛の悪魔のスピードなど、ルーシュにはよちよち歩きの幼児が突っ込んでくるスピードに等しかった。
ルーシュが避けようとした時、金の閃光が走った。
ザンッ!!
ルーシュに伸ばされた牛の悪魔の両腕が地に落ちる。
体勢を崩した牛の悪魔が足を滑らせた。
そのお陰でルーシュは本来以上に簡単に避ける事が出来る。
「ルーシュに触らないで貰おうか…」
「ちょ、アンドュアイス様、言い方!」
何時ものテンションでルーシュは突っ込んだが、何時ものように柔らかな微笑みは帰って来ない。
アンドュアイスの碧い目は冷たい光を宿し、牛の悪魔を凝視していた。
「細切れにしよう、ルーシュに触れようなどと思わぬように」
ガガガガガガガガガガガガガガ
アンドュアイスのサーベルが牛の悪魔を刻んでいく。
関節の遠い所から1つずつ。
指から
足首から
膝から
どんどんと牛の悪魔が小さく切り刻まれて行く。
痛みと恐怖で牛の悪魔が鳴き声を上げる。
だが純アストラル体のその身は出血する事もなく、急所も無く、ただ自分が小さくなっていく事をその目の当たりにしながら恐怖の咆哮を上げるしか出来ない。
『何で、さいせい、で…きない……?』
「サイヒがそう言う風に付与してくれたからな」
アンドュアイスの言葉に牛の悪魔は絶叫した。
それは恐怖の絶叫だった。
牛の悪魔は魔王に使えるべく人界へと身を下ろした。
丁度良い憑依対象を見つけ、後は人間として生まれた魔王が目覚めるのを待つだけだった。
魔王の力があれば人界に悪魔たちの楽園が築けるはずだった。
なのに何故、こんなタイミングでそんな”バケモノ”が現れてしまったのか?
自分はもう新たな楽園で過ごせる事は無いのだと牛の悪魔は悟った。
せめて、他の同胞たちは魔王の腕となり足となり、楽園を築く手伝いが出来るだろうか?
地上に悪魔の楽園は出来るのであろうか?
「そうそう宦官のサイヒの正体は、お前たちの――が愛している女だ」
牛の悪魔が事切れる寸前、アンドュアイスは甘い声で最悪な言葉をその耳に吹き込んでくれた。
瞬間生まれる絶望。
自分が切り刻まれているのは自分たちの――が愛した女による処分。
――は同胞より、人間の”バケモノ”の女を選んだ。
絶望。
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