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2章
【241話】
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「ミヤハル、お前にお客さんが来たぞ」
「おん、今度は負けへんわ鈴蘭さん」
「油断するな」
「2回目は無いで」
鈴蘭の言葉に皆が先ほどミヤハルが逃したと言う相手が近くに来ているのだと理解した。
静寂が生まれる。
ターン
銃の音がなると同時にミヤハルが体を半分逸らす。
チュンッ、と速い速度の弾丸がミヤハルの頬を傷つけた。
「ミヤハルちゃん!」
「ユラさんはジッとしてて下さい」
飛び出しそうなユラをマオが抑える。
普段荒事を起こさないマオなので皆がギョッと目を剥く。
細身なのに簡単にユラを捕捉した。
見えるモノなら集中したら見えただろう。
マオの手から魔力の細い糸が何本も出ており、ソレがユラを捉えたのだ。
マオが手でユラの腕を掴んでいるから、それに気付いた者は居ない。
細い魔力の糸はユラを指先1つ動かせぬほどに捕縛していた。
「でもミヤハルちゃんがっ!!」
「ユラさん、今は駄目だ。運命の歯車は今回っている最中なのだから」
鈴蘭は何かを知っているようだった。
いや、知っている訳では無いが感じていた。
全能神の能力の殆どを封印していても、人間時代の鈴蘭の能力は十分人間離れしている。
その中に予知にも近い予感と言うものがあった。
今、鈴蘭は運命の歯車が動き出しているのを感じ取っていたのだ。
勿論説明を一切してないので皆には何が何か分かる筈が無いが。
1を聞いたら100分かる人員にここのところ囲まれていたせいで、鈴蘭には普通の人間の予測の限界値がどの程度なのかが抜け落ちているようだ。
欠点らしきものが一見ない鈴蘭の欠点の1つだろう。
口うるさい心友が居たら1人には本気で脳天を大きな拳でどつかれて、1人には謎の訛のある口調で文句を言われていただろう。
その心友とも暫く会えていない。
そろそろ会いたいものである。
そして今動き出したこの歯車が鈴蘭たちと心友たちの距離を縮めるものだと確信していた。
「見ぃつけたっ!」
ドゴンッ!
ミヤハルの拳がコンテナを粉砕する。
コンテナの中に入っているのが火薬で無くて良かった。
運が悪ければ大爆発が起きていた。
まぁその場合は鈴蘭とマオが結界で皆を護るので問題ないのだが。
それを分かっているからミヤハルは遠慮なしに動けるのだ。
「この馬鹿力がっ!!」
コンテナの裏から飛び出してきた小柄な少年がミヤハルに何かを投げつける。
パァンッ!
ミヤハルの目の前で閃光が弾ける。
その光は皆の視覚を焼く。
「眩しっ!けど問題無!!」
瞼を閉じてミヤハルは少年を追い詰めて蹴りを出す。
それを少年は何とか避けて、違う何かをミヤハルに投げるける。
「せいっ!」
それをミヤハルはオーバーヘッドキックで少年に蹴り返す。
ボンッ!
「なっ!?」
少年の姿が煙幕で包まれた。
どうやら返されることを予想したうえで投げつけたらしい。
そして煙幕の中でミヤハルから距離を取り又姿を消した。
「何で気配消すのがこんな上手いんかなぁ?ウチかて鈴蘭さんに鍛えられて気配探るの得意な方やのに」
ぶつぶつとミヤハルが愚痴を言う。
とにかく戦いにくい相手なのだ。
弾丸が飛んできた位置から何とか相手の場所を推測してコンテナ越しだろうが攻撃をぶち込んでいるが。
ドウンッ!!!
「!?」
ミヤハルの右側で何かが炸裂した。
正確には炸裂する何かをミヤハルが左に避けたのだ。
かなりの距離を開けたのだが、見積もりが甘すぎた。
「いったぁぁぁぁっ!!」
ダクダクとミヤハルの右腕から血が流れる。
否、ミヤハルの右腕があった場所から血が流れてコンクリートの床を真っ赤に染めていた。
「いやぁぁぁぁぁああっミヤハルちゃん――――っ!!!」
ユラの悲鳴が倉庫に響いた。
「おん、今度は負けへんわ鈴蘭さん」
「油断するな」
「2回目は無いで」
鈴蘭の言葉に皆が先ほどミヤハルが逃したと言う相手が近くに来ているのだと理解した。
静寂が生まれる。
ターン
銃の音がなると同時にミヤハルが体を半分逸らす。
チュンッ、と速い速度の弾丸がミヤハルの頬を傷つけた。
「ミヤハルちゃん!」
「ユラさんはジッとしてて下さい」
飛び出しそうなユラをマオが抑える。
普段荒事を起こさないマオなので皆がギョッと目を剥く。
細身なのに簡単にユラを捕捉した。
見えるモノなら集中したら見えただろう。
マオの手から魔力の細い糸が何本も出ており、ソレがユラを捉えたのだ。
マオが手でユラの腕を掴んでいるから、それに気付いた者は居ない。
細い魔力の糸はユラを指先1つ動かせぬほどに捕縛していた。
「でもミヤハルちゃんがっ!!」
「ユラさん、今は駄目だ。運命の歯車は今回っている最中なのだから」
鈴蘭は何かを知っているようだった。
いや、知っている訳では無いが感じていた。
全能神の能力の殆どを封印していても、人間時代の鈴蘭の能力は十分人間離れしている。
その中に予知にも近い予感と言うものがあった。
今、鈴蘭は運命の歯車が動き出しているのを感じ取っていたのだ。
勿論説明を一切してないので皆には何が何か分かる筈が無いが。
1を聞いたら100分かる人員にここのところ囲まれていたせいで、鈴蘭には普通の人間の予測の限界値がどの程度なのかが抜け落ちているようだ。
欠点らしきものが一見ない鈴蘭の欠点の1つだろう。
口うるさい心友が居たら1人には本気で脳天を大きな拳でどつかれて、1人には謎の訛のある口調で文句を言われていただろう。
その心友とも暫く会えていない。
そろそろ会いたいものである。
そして今動き出したこの歯車が鈴蘭たちと心友たちの距離を縮めるものだと確信していた。
「見ぃつけたっ!」
ドゴンッ!
ミヤハルの拳がコンテナを粉砕する。
コンテナの中に入っているのが火薬で無くて良かった。
運が悪ければ大爆発が起きていた。
まぁその場合は鈴蘭とマオが結界で皆を護るので問題ないのだが。
それを分かっているからミヤハルは遠慮なしに動けるのだ。
「この馬鹿力がっ!!」
コンテナの裏から飛び出してきた小柄な少年がミヤハルに何かを投げつける。
パァンッ!
ミヤハルの目の前で閃光が弾ける。
その光は皆の視覚を焼く。
「眩しっ!けど問題無!!」
瞼を閉じてミヤハルは少年を追い詰めて蹴りを出す。
それを少年は何とか避けて、違う何かをミヤハルに投げるける。
「せいっ!」
それをミヤハルはオーバーヘッドキックで少年に蹴り返す。
ボンッ!
「なっ!?」
少年の姿が煙幕で包まれた。
どうやら返されることを予想したうえで投げつけたらしい。
そして煙幕の中でミヤハルから距離を取り又姿を消した。
「何で気配消すのがこんな上手いんかなぁ?ウチかて鈴蘭さんに鍛えられて気配探るの得意な方やのに」
ぶつぶつとミヤハルが愚痴を言う。
とにかく戦いにくい相手なのだ。
弾丸が飛んできた位置から何とか相手の場所を推測してコンテナ越しだろうが攻撃をぶち込んでいるが。
ドウンッ!!!
「!?」
ミヤハルの右側で何かが炸裂した。
正確には炸裂する何かをミヤハルが左に避けたのだ。
かなりの距離を開けたのだが、見積もりが甘すぎた。
「いったぁぁぁぁっ!!」
ダクダクとミヤハルの右腕から血が流れる。
否、ミヤハルの右腕があった場所から血が流れてコンクリートの床を真っ赤に染めていた。
「いやぁぁぁぁぁああっミヤハルちゃん――――っ!!!」
ユラの悲鳴が倉庫に響いた。
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