上 下
222 / 294
そして全能神は愉快犯となった

【195話】

しおりを挟む
 チュドーン!!!

 今日も厨房から爆発音がした。
 きっとマックロクロスケ大量発生だ。
 そしてダークマターが今日も生み出されてしまったのであった。

「トワは良くアレに付き合いきれますね」

「我が息子ながら忍耐深いですわ。ですがお兄様の息子に変な食べ物を食べさす訳にはいけません、しっかりみっちり扱いて貰わないと!」

 天界の昼下がり、珍しくサイヒとルークが出かけているのでカマラとマロンと言う一見珍しい組み合わせがお茶をしていた。
 勿論カマラが飲むのはノンカフェインのハーブティー。

 ハーブは、料理の風味付けや保存料、香料などとして、生活に役立つ植物の総称だ。
 漢方薬の原料となる生薬も、広い意味ではハーブに含まれる。
 ハーブティーとは、そうしたハーブと呼ばれる植物の根や果実、花、種、葉などを乾燥させて砕き、濃縮、抽出したものから作られるお茶のことを言う。
 通常のお茶は、茶の木の葉や茎から作られますが、お茶の木以外の植物の、さまざまな部位を使って作られているのがハーブティーである。

 ハーブは料理にも使われることなどから、「医薬品に比べて、自然で安全なもの」と捉えられがちであるが、実は漢方薬の生薬のように医薬品成分として規制されているものや、毒性のある成分を含むことも少なくない。

 中には子宮刺激作用のように、妊娠中の使用には適さない働きを持つとされるハーブも存在する。
 昔から一般的にさまざまなハーブが利用されてきた欧米の国々でも、妊娠中のハーブ製品の使用は慎重にするよう推奨されることが多い。

 ハーブティーについても同様だ。
 今のところは「妊娠中でも少量であれば問題はない」といわれているものでも、本当に問題がないかどうか、つまり安全性があるかどうかはきちんと確認されていない。

 そのため、妊娠中にハーブティーを飲む場合は、できれば医師や薬剤師などに確認してから口にすることをおすすめされることが多い。
 ハーブの種類によらず、水分摂取をそれだけにするなどで大量に飲んだり、濃縮されたハーブティーを口にしたりすることは避けた方が良い。
 まぁマロンが調節しているのでその点は問題は無いが。
 物凄い安心感である。
 天界でマロンの給仕能力を疑うものなど存在しない。
 幼子の頃にお菓子つくりの感覚でポーションを作ってしまう天才児だ。
 口に入るモノを作らせれば右に出るものは居ない。
 若干1名ライバル心を抱いている存在も居るのだが、今は天界ではなく地上に居るので特に揉め事の種は無い。

 ハーブの中には、その作用から「妊娠中は注意が必要」とされているものが、いくつかある。

 ・カモミールティー
 カモミールティーは、カルシウムとマグネシウムが豊富で、不眠症や関節の炎症の改善などにも役立つといわれ、妊娠中でも摂取を勧められることもある。
 ただし、こうした作用についての医学的根拠があまり明確でないうえ、カモミールには子宮を刺激する作用があるといわれている。
 そのため妊娠中の摂取はなるべく避け、やむを得ず摂取する場合は少量にとどめるべきである。

 なお、カモミールティーの原料には、大きく分けて「ローマンカモミール」と「ジャーマンカモミール」の2種類があるが、とくにローマンカモミールは、過剰摂取により流産を引き起こす可能性があるといわれている。
 またジャーマンカモミールも過剰摂取により子宮刺激作用があるとされており、要注意である。

 ・レモングラスティー
 レモングラスは、レモンに似たさわやかな香りを持ち、東南アジア料理などによく使われているが、レモングラスにも生理周期に影響を与えたり、子宮を収縮させたりする作用があるとされている。 
 そのため、妊娠中は摂取しないことが推奨されている。
 授乳中も引き続き、避けたほうが良い。

 ☆適量ならおそらくOKなハーブティー☆

 ・ルイボスティー
 赤い色をしたルイボスティーは、含まれる成分の一部が女性ホルモンの一種、エストロゲンと似た作用をするという報告があることから、女性にうれしいお茶として知られている。
 通常のお茶として飲用する分には、おそらく妊娠中も安全に摂取できると考えられているが、大量摂取は避けた方が良い。

 ・ダンデライオンルートティー
 セイヨウタンポポを原料としたお茶。
 むくみの予防・改善、食欲増進、母乳の分泌促進などの作用があるといわれているが、その効果を示すじゅうぶんな医学的根拠はまだない。
 妊娠中に適量を摂取するならおそらく問題はないと考えられているが、やはり大量摂取は避けておくべきである。

 ・ジンジャーティー
 ショウガを原料としたジンジャーティーは吐き気を和らげるのに役立つといわれている。
 つわりがつらい妊婦にとっては、うれしいことだろう。
 こちらも1日に2~3杯程度の適量摂取であれば、基本的には安全に飲用できると考えてよい。

 ほかにもある!妊婦も大丈夫なハーブ
 そのほか、ワックスのついていない柑橘類の果皮やレモンバーム、ローズヒップなどを原料としたお茶も適量(1日に2~3杯)であれば、おそらく問題ないと考えられている。

 お茶1つにとってもマロンは万全の準備を怠らない。
 愛おしいお兄様の娘の身体である。
 その身体にはお兄様の血を引く子供が宿っているのだ。
 危険など全て振り払うのが己の役目とマロンは燃えている。

 そしてカマラが大事であると同時にドラジュもまた、お兄様の子供だ。
 危険から遠ざけたい。
 口に入れるものは素材から厳選して最高の調理をして差し出したい。
 今まではそうであった。
 だが5日前からドラジュのお茶のお供はダークマターとなった。
 愛する者の手作りの菓子をどうして捨てる事が出来ようか?
 ドラジュは母と父の両方に似て、粘着質ともいえるほどの愛情の垂れ流し方をする性質を持っていた。

 せめてと、胃痛緩和・吐き気緩和・胃粘膜保護・毒性物質浄化のポーションを菓子と一緒に取るようにして貰っている。
 流石にソレはドラジュも条件を飲んだ。
 どれだけ愛する者の手作りでもダークマターはダークマターである。
 殺傷能力が半端ない。
 食べているのがドラジュでなければ今頃病室のベッドの上だろう。

「ドラジュは年々母上に似て来るな…外見は父上の要素もかなり多いのだが………?」

「ソレを言ったらカマラ様は年々ルーク様に似てきていますわ。今でこそ堂々と惚気るルーク様ですが、お兄様とお会いして暫くは本当に恋する乙女、と言った感じでお可愛らしかったのですよ。カマラ様はその頃のルーク様によく似ておられます」

「え”っ、じゃぁ私は父上みたいな乙女になってしまうのか?」

「ソレイユ様が良い方ですからね、どんどん乙女になって行って下さいまし。子供が出来ても、子供の父親と母親である前に、互いが唯一の伴侶であることを心の中に留めておいて欲しいですわ」

「マロンさんとクオンさんもそうな訳ですか?」

「秘密です♡」

 クスクスと笑うマロンは、肉体年齢が15歳で止まっているから幼く感じるが、こういった時に妙齢の女性だと言う事を思い出させる。
 勝てないなぁ、と心の中で思いながらカマラはカップの中の赤い液体を飲み干した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】恋人との子を我が家の跡取りにする? 冗談も大概にして下さいませ

水月 潮
恋愛
侯爵家令嬢アイリーン・エヴァンスは遠縁の伯爵家令息のシリル・マイソンと婚約している。 ある日、シリルの恋人と名乗る女性・エイダ・バーク男爵家令嬢がエヴァンス侯爵邸を訪れた。 なんでも彼の子供が出来たから、シリルと別れてくれとのこと。 アイリーンはそれを承諾し、二人を追い返そうとするが、シリルとエイダはこの子を侯爵家の跡取りにして、アイリーンは侯爵家から出て行けというとんでもないことを主張する。 ※設定は緩いので物語としてお楽しみ頂けたらと思います ☆HOTランキング20位(2021.6.21) 感謝です*.* HOTランキング5位(2021.6.22)

これでも全属性持ちのチートですが、兄弟からお前など不要だと言われたので冒険者になります。

りまり
恋愛
私の名前はエルムと言います。 伯爵家の長女なのですが……家はかなり落ちぶれています。 それを私が持ち直すのに頑張り、贅沢できるまでになったのに私はいらないから出て行けと言われたので出ていきます。 でも知りませんよ。 私がいるからこの贅沢ができるんですからね!!!!!!

美しい姉と痩せこけた妹

サイコちゃん
ファンタジー
若き公爵は虐待を受けた姉妹を引き取ることにした。やがて訪れたのは美しい姉と痩せこけた妹だった。姉が夢中でケーキを食べる中、妹はそれがケーキだと分からない。姉がドレスのプレゼントに喜ぶ中、妹はそれがドレスだと分からない。公爵はあまりに差のある姉妹に疑念を抱いた――

皇太子から婚約破棄を言い渡されたので国の果ての塔で隠居生活を楽しもうと思っていたのですが…どうして私は魔王に口説かれているのでしょうか?

高井繭来
恋愛
リコリス・ロコニオ・クレーンカは8歳のころ皇太子に見初められたクレーンカ伯爵の1人娘だ。 しかしリコリスは体が弱く皇太子が尋ねてきても何時も寝所で臥せっていた。 そんな手も握らせないリコリスに愛想をつかした皇太子はリコリスとの婚約を破棄し国の聖女であるディルバ・アーレンと婚約を結ぶと自らの18歳の誕生の宴の場で告げた。 そして聖女ディルバに陰湿な嫌がらせをしたとしてリコリスを果ての塔へ幽閉すると告げた。 しかし皇太子は知らなかった。 クレーンカ一族こそ陰で国を支える《武神》の一族であると言う事を。 そしてリコリスが物心がついた頃には《武神》とし聖女の結界で補えない高位の魔族を屠ってきたことを。 果ての塔へ幽閉され《武神》の仕事から解放されたリコリスは喜びに満ちていた。 「これでやっと好きなだけ寝れますわ!!」 リコリスの病弱の原因は弱すぎる聖女の結界を補うために毎夜戦い続けていた為の睡眠不足であった。 1章と2章で本編は完結となります。 その後からはキャラ達がワチャワチャ騒いでいます。 話しはまだ投下するので、本編は終わってますがこれからも御贔屓ください(*- -)(*_ _)ペコリ

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました

氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。 ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。 小説家になろう様にも掲載中です

王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました

さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。 王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ 頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。 ゆるい設定です

妹に婚約者を寝取られましたが、私には不必要なのでどうぞご自由に。

酒本 アズサ
恋愛
伯爵家の長女で跡取り娘だった私。 いつもなら朝からうるさい異母妹の部屋を訪れると、そこには私の婚約者と裸で寝ている異母妹。 どうやら私から奪い取るのが目的だったようだけれど、今回の事は私にとって渡りに舟だったのよね。 婚約者という足かせから解放されて、侯爵家の母の実家へ養女として迎えられる事に。 これまで母の実家から受けていた援助も、私がいなくなれば当然なくなりますから頑張ってください。 面倒な家族から解放されて、私幸せになります!

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈 
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

処理中です...