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そして全能神は愉快犯となった
【144話】
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その日セツナが姿を消した。
サイヒとお茶をするのを何よりも楽しみにしている幼女が何処かに行ったとは思われない。
王宮は瞬く間に大騒ぎになった。
何せ魔王の副官と全能神の専属侍女の娘である。
全能神と魔王がどれだけ可愛がっているか誰もが知っている。
魔王は思う所もあるみたいだが…。
5歳児相手に本気になる魔王は少し大人げないが、伴侶命の魔王では仕方ないだろうと皆が思っている。
そしてセツナはすでに母親に弟子入りしている。
全能神を虜にするお菓子を作るために。
素晴らしい意欲の5歳児である。
5歳児の幼女を誑かす全能神を凄いと言うべきか…?
そんなセツナがサイヒとのお茶との時間に姿を消すはずがないのだ。
間違いなく他者が関係しているだろう。
全能神のサイヒは信仰者も多いが敵も多い。
誰かがサイヒを制するためにセツナを攫ったのかもしれない。
それくらいにはセツナにはサイヒに対しての牽制力があるのだ。
王宮中を探しても見つからないセツナ。
そしてサイヒは正攻法で探すことを止めて、数多の情報が集まるところに行くことにした。
:::
「やぁ、ベイエイト。最近は何も大変な事件はないのかな?」
「リリーの旦那!ここだけの話ですが近頃幼い見目の良い子供が行方をくらます事件が起きてるんですよ!」
ここだけの話と言いながら大きな声のベイエイトの声は店中に響いていた。
何時もの事なので誰も気にはしないが。
「ほう、幼い子供が?」
「だいたい3歳から10歳になるまでくらいの子供が居なくなってるみたいですぜ」
「それはそれは一大事だ。何かそれに絡むような変な噂はないのかベイエイト?」
「そう言えばドペ・リロータ子爵の羽振りが最近良くなったと聞いてますぜ?」
「成程、ドペ・リロータ子爵な……」
長い空色の髪をくるくると指に巻き付け、リリー・オブ・ザ・ヴァリーは目が笑っていない凶悪な笑顔を浮かべた。
サイヒとお茶をするのを何よりも楽しみにしている幼女が何処かに行ったとは思われない。
王宮は瞬く間に大騒ぎになった。
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魔王は思う所もあるみたいだが…。
5歳児相手に本気になる魔王は少し大人げないが、伴侶命の魔王では仕方ないだろうと皆が思っている。
そしてセツナはすでに母親に弟子入りしている。
全能神を虜にするお菓子を作るために。
素晴らしい意欲の5歳児である。
5歳児の幼女を誑かす全能神を凄いと言うべきか…?
そんなセツナがサイヒとのお茶との時間に姿を消すはずがないのだ。
間違いなく他者が関係しているだろう。
全能神のサイヒは信仰者も多いが敵も多い。
誰かがサイヒを制するためにセツナを攫ったのかもしれない。
それくらいにはセツナにはサイヒに対しての牽制力があるのだ。
王宮中を探しても見つからないセツナ。
そしてサイヒは正攻法で探すことを止めて、数多の情報が集まるところに行くことにした。
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「やぁ、ベイエイト。最近は何も大変な事件はないのかな?」
「リリーの旦那!ここだけの話ですが近頃幼い見目の良い子供が行方をくらます事件が起きてるんですよ!」
ここだけの話と言いながら大きな声のベイエイトの声は店中に響いていた。
何時もの事なので誰も気にはしないが。
「ほう、幼い子供が?」
「だいたい3歳から10歳になるまでくらいの子供が居なくなってるみたいですぜ」
「それはそれは一大事だ。何かそれに絡むような変な噂はないのかベイエイト?」
「そう言えばドペ・リロータ子爵の羽振りが最近良くなったと聞いてますぜ?」
「成程、ドペ・リロータ子爵な……」
長い空色の髪をくるくると指に巻き付け、リリー・オブ・ザ・ヴァリーは目が笑っていない凶悪な笑顔を浮かべた。
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