138 / 257
《112話》
しおりを挟む
「従来は手術室の清潔度はNASA基準でクラス1000(1万立方フィートあたりの0.5μm以上の最大空中塵埃数が1000以下)、バイオクリーンであれば、クラス100の清潔度が必要とされてきた。しかしながら、現在では、空中浮遊塵埃の大きさの基準を0.1μmに設定するISO基準(JIS基準)が使用され、ISOのクリーンルーム清浄度はISO 6(1立法メートルあたりの0.1μm以上の最大空中塵埃数が1000000以下)、バイオクリーン手術室であれば、ISO 5(1立法メートルあたりの0.1μm以上の最大空中塵埃数が100000以下)が必要とされている。さらに、日本医療福祉設備協会が作成した「病院空調設備の設計管理指針2013年度版」では、手術室の清浄度をクラス分類し、一般手術室はクラスⅡ(清潔区域)、バイオクリーン手術室はクラスⅠ(高度清潔区域)を推奨している。ここで注意しなければならないのは、この空中塵埃数に基づく清潔度の評価は、あくまで室内の静穏状態での基準であることである。室内で人や器材が動くとき空中塵埃数は著しく増加する。
手術室には、天井に塵埃を除去するため、HEPAフィルタ(high efficiency particulate air filter)が装備されている。そこから送り出される清潔な空気は、天井から術野に向かう垂直層流を形成して四方の壁の床面近くにある空気取り込み口から排気される。層流を維持するためには、一定の風量確保が必要であるが、過度の風量を術野に送れば患者の体温の低下、術野の乾燥につながる。手術室の清潔度を達成するためには、手術室のドアの開閉を最小限にとどめ、入室は最小限の人数にする。帽子とマスクは正しく着用する、などの基本的な注意が特に重要である。
ドアの開閉により、廊下など外部から不潔な空気が清潔度の高い手術室内に入り込まないよう、室内圧は15Pa以上の陽圧に保たれている。そのため手術室には微差圧ダンパ(レリーフダンパ)が装着されている。例外として、手術室で空気感染予防策を行う場合(結核菌保菌者の手術など)は、手術室内部の汚染された空気が外部に漏れ出ないように室内を陰圧にする。この場合、手術終了後も一定期間(通常1時間程度)換気が行われる。
手術室では、清潔な環境を保つため、一定の換気回数が推奨されている。換気により室内の空気がHEPAフィルタを介した清潔な空気と入れ替わるため、換気すればするほど室内の清潔度は上がることになる。通常の手術室では35~45回/時が、バイオクリーン手術室では120~200回/時の換気回数が推奨されている。しかしながら、過度の換気は設備の負担になり、送気による患者体温の低下、室内騒音などが発生する。
温度・湿度
温度管理は患者の体温管理、感染制御などの観点から重要である。一般手術室の温度は22~24~26℃、湿度45~50~60%が推奨されている。心臓外科手術の場合は代謝を制御するために室温はやや低く、逆に小児や新生児が関与する手術ではやや高く設定することが好ましいとされているが、絶対的な基準ではない。
手術室では、天井からの間接照明に、直接照明として無影灯が使用される。日本医療福祉設備協会の基準では、手術室は医療スタッフ側の作業的要素の強い「診療・検査部門」に分類され、医療スタッフの作業効率を高める設定となっている。わが国では、手術室は全般で1,000ルクス(lx)、術野は10,000~100,000ルクスが推奨されており、これは一般病室の100ルクス、枕元300ルクスに比べるとはるかに明るい基準である。腹腔鏡下手術などでは、術野の視認性を保つため、室内の照明は暗くして腹壁外部からの光を抑制する。また、最近、無影灯や天井照明の蛍光灯にLEDが使用される傾向にあるが、LED光は青色系統の光を含み術野の赤色の再現性が低いことが指摘されている。
広さ
わが国には手術室の適切な広さに関して、確立された基準はない。手術室は広ければよいとの錯覚を起こしやすいが、広すぎる手術室は未使用部分の清潔度管理が不十分となりやすいことには注意が必要である。米国建築学会は、一般的な手術では最低37.16m2が必要で、心臓手術、整形外科手術、脳神経外科手術(多くの機器を要する手術)では少なくとも約55.74m2が必要としている。ただし、手術室の必要な広さは、術式や手術で使用される機器とともに変遷していくものであり、この基準ではCTやMRIを設置した特殊な手術室は想定されていない。
手術室で使用する手洗い水は、かつては滅菌水が使用されていたが、現在は、適切に管理された水道水でよいとされている。管理された水道水とは水道法で「遊里残留塩素濃度0.1mg/L以上、1mLの検水で形成される一般細菌集落数が100以下で、大腸菌が検出されない」水であるが、ここではエンドトキシンなどは管理の対象となっていない。また、水道水でよいとする基準は、必ずしも手洗いで用いるシンクや蛇口の清潔を意味するものではない」
「ドクター…手術室に大興奮ね………」
「サイヒ様、のお陰、です」
サラが誕生日プレゼントに手術室を頼むと、王宮の使われていない大部屋に、次の日見事な手術室が出来上がっていた。
全能神の愛が凄い。
そしてそれに興奮するセブン。
またサラにほっぺチューをして気絶させそうな勢いでテンションが上がっている。
ナナによってソレは阻止されたが。
「久しぶりに呪文聞いたわね」
「呪文?何の事、ですか?」
「サラちゃんが(ドクターに)大人にして貰ったら教えてあげるわ♡」
「???」
とにかくこれで手術は可能そうである。
後は早馬を用意してクロイツから優秀なスタッフを数日内に来させるだけ。
「クックックッ、勝った!この手術は俺の勝ちだ―――――っ!!!」
「本当に嬉しそう、です、ね、セブンさん」
「後で素面に戻った時が楽しそうだわ」
勿論この日の夜テンション上げすぎたのを恥じて、ベッドで頭を抱えながら転がるセブンが居たらしい。
手術室には、天井に塵埃を除去するため、HEPAフィルタ(high efficiency particulate air filter)が装備されている。そこから送り出される清潔な空気は、天井から術野に向かう垂直層流を形成して四方の壁の床面近くにある空気取り込み口から排気される。層流を維持するためには、一定の風量確保が必要であるが、過度の風量を術野に送れば患者の体温の低下、術野の乾燥につながる。手術室の清潔度を達成するためには、手術室のドアの開閉を最小限にとどめ、入室は最小限の人数にする。帽子とマスクは正しく着用する、などの基本的な注意が特に重要である。
ドアの開閉により、廊下など外部から不潔な空気が清潔度の高い手術室内に入り込まないよう、室内圧は15Pa以上の陽圧に保たれている。そのため手術室には微差圧ダンパ(レリーフダンパ)が装着されている。例外として、手術室で空気感染予防策を行う場合(結核菌保菌者の手術など)は、手術室内部の汚染された空気が外部に漏れ出ないように室内を陰圧にする。この場合、手術終了後も一定期間(通常1時間程度)換気が行われる。
手術室では、清潔な環境を保つため、一定の換気回数が推奨されている。換気により室内の空気がHEPAフィルタを介した清潔な空気と入れ替わるため、換気すればするほど室内の清潔度は上がることになる。通常の手術室では35~45回/時が、バイオクリーン手術室では120~200回/時の換気回数が推奨されている。しかしながら、過度の換気は設備の負担になり、送気による患者体温の低下、室内騒音などが発生する。
温度・湿度
温度管理は患者の体温管理、感染制御などの観点から重要である。一般手術室の温度は22~24~26℃、湿度45~50~60%が推奨されている。心臓外科手術の場合は代謝を制御するために室温はやや低く、逆に小児や新生児が関与する手術ではやや高く設定することが好ましいとされているが、絶対的な基準ではない。
手術室では、天井からの間接照明に、直接照明として無影灯が使用される。日本医療福祉設備協会の基準では、手術室は医療スタッフ側の作業的要素の強い「診療・検査部門」に分類され、医療スタッフの作業効率を高める設定となっている。わが国では、手術室は全般で1,000ルクス(lx)、術野は10,000~100,000ルクスが推奨されており、これは一般病室の100ルクス、枕元300ルクスに比べるとはるかに明るい基準である。腹腔鏡下手術などでは、術野の視認性を保つため、室内の照明は暗くして腹壁外部からの光を抑制する。また、最近、無影灯や天井照明の蛍光灯にLEDが使用される傾向にあるが、LED光は青色系統の光を含み術野の赤色の再現性が低いことが指摘されている。
広さ
わが国には手術室の適切な広さに関して、確立された基準はない。手術室は広ければよいとの錯覚を起こしやすいが、広すぎる手術室は未使用部分の清潔度管理が不十分となりやすいことには注意が必要である。米国建築学会は、一般的な手術では最低37.16m2が必要で、心臓手術、整形外科手術、脳神経外科手術(多くの機器を要する手術)では少なくとも約55.74m2が必要としている。ただし、手術室の必要な広さは、術式や手術で使用される機器とともに変遷していくものであり、この基準ではCTやMRIを設置した特殊な手術室は想定されていない。
手術室で使用する手洗い水は、かつては滅菌水が使用されていたが、現在は、適切に管理された水道水でよいとされている。管理された水道水とは水道法で「遊里残留塩素濃度0.1mg/L以上、1mLの検水で形成される一般細菌集落数が100以下で、大腸菌が検出されない」水であるが、ここではエンドトキシンなどは管理の対象となっていない。また、水道水でよいとする基準は、必ずしも手洗いで用いるシンクや蛇口の清潔を意味するものではない」
「ドクター…手術室に大興奮ね………」
「サイヒ様、のお陰、です」
サラが誕生日プレゼントに手術室を頼むと、王宮の使われていない大部屋に、次の日見事な手術室が出来上がっていた。
全能神の愛が凄い。
そしてそれに興奮するセブン。
またサラにほっぺチューをして気絶させそうな勢いでテンションが上がっている。
ナナによってソレは阻止されたが。
「久しぶりに呪文聞いたわね」
「呪文?何の事、ですか?」
「サラちゃんが(ドクターに)大人にして貰ったら教えてあげるわ♡」
「???」
とにかくこれで手術は可能そうである。
後は早馬を用意してクロイツから優秀なスタッフを数日内に来させるだけ。
「クックックッ、勝った!この手術は俺の勝ちだ―――――っ!!!」
「本当に嬉しそう、です、ね、セブンさん」
「後で素面に戻った時が楽しそうだわ」
勿論この日の夜テンション上げすぎたのを恥じて、ベッドで頭を抱えながら転がるセブンが居たらしい。
0
お気に入りに追加
2,807
あなたにおすすめの小説
【完結】「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と言っていた婚約者と婚約破棄したいだけだったのに、なぜか聖女になってしまいました
As-me.com
恋愛
完結しました。
とある日、偶然にも婚約者が「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」とお友達に楽しそうに宣言するのを聞いてしまいました。
例え2番目でもちゃんと愛しているから結婚にはなんの問題も無いとおっしゃっていますが……そんな婚約者様がとんでもない問題児だと発覚します。
なんてことでしょう。愛も無い、信頼も無い、領地にメリットも無い。そんな無い無い尽くしの婚約者様と結婚しても幸せになれる気がしません。
ねぇ、婚約者様。私はあなたと結婚なんてしたくありませんわ。絶対婚約破棄しますから!
あなたはあなたで、1番好きな人と結婚してくださいな。
※この作品は『「俺は2番目に好きな女と結婚するんだ」と婚約者が言っていたので、1番好きな女性と結婚させてあげることにしました。 』を書き直しています。内容はほぼ一緒ですが、細かい設定や登場人物の性格などを書き直す予定です。
【完結】「私は善意に殺された」
まほりろ
恋愛
筆頭公爵家の娘である私が、母親は身分が低い王太子殿下の後ろ盾になるため、彼の婚約者になるのは自然な流れだった。
誰もが私が王太子妃になると信じて疑わなかった。
私も殿下と婚約してから一度も、彼との結婚を疑ったことはない。
だが殿下が病に倒れ、その治療のため異世界から聖女が召喚され二人が愛し合ったことで……全ての運命が狂い出す。
どなたにも悪意はなかった……私が不運な星の下に生まれた……ただそれだけ。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します。
※他サイトにも投稿中。
※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。
「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」
※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!
王子様は王妃の出産後すぐ離縁するつもりです~貴方が欲しいのは私の魔力を受け継ぐ世継ぎだけですよね?~
五月ふう
恋愛
ここはロマリア国の大神殿。ロマリア歴417年。雪が降りしきる冬の夜。
「最初から……子供を奪って……離縁するつもりだったのでしょう?」
ロマリア国王子エドワーズの妃、セラ・スチュワートは無表情で言った。セラは両手両足を拘束され、王子エドワーズの前に跪いている。
「……子供をどこに隠した?!」
質問には答えず、エドワーズはセラを怒鳴りつけた。背が高く黒い髪を持つ美しい王子エドワードの顔が、醜く歪んでいる。
「教えてあげない。」
その目には何の感情も浮かんでいない。セラは魔導士達が作る魔法陣の中央に座っていた。魔法陣は少しずつセラから魔力を奪っていく。
(もう……限界ね)
セラは生まれたときから誰よりも強い魔力を持っていた。その強い魔力は彼女から大切なものを奪い、不幸をもたらすものだった。魔力が人並み外れて強くなければ、セラはエドワーズの妃に望まれることも、大切な人と引き離されることもなかったはずだ。
「ちくしょう!もういいっ!セラの魔力を奪え!」
「良いのかしら?魔力がすべて失われたら、私は死んでしまうわよ?貴方の探し物は、きっと見つからないままになるでしょう。」
「魔力を失い、死にたくなかったら、子供の居場所を教えろ!」
「嫌よ。貴方には……絶対見つけられない場所に……隠しておいたから……。」
セラの体は白く光っている。魔力は彼女の生命力を維持するものだ。魔力がなくなれば、セラは空っぽの動かない人形になってしまう。
「もういいっ!母親がいなくなれば、赤子はすぐに見つかるっ。さあ、この死にぞこないから全ての魔力を奪え!」
広い神殿にエドワーズのわめき声が響いた。耳を澄ませば、ゴゴオオオという、吹雪の音が聞こえてくる。
(ねえ、もう一度だけ……貴方に会いたかったわ。)
セラは目を閉じて、大切な元婚約者の顔を思い浮かべる。彼はセラが残したものを見つけて、幸せになってくれるだろうか。
「セラの魔力をすべて奪うまで、あと少しです!」
魔法陣は目を開けていられないほどのまばゆい光を放っている。セラに残された魔力が根こそぎ奪われていく。もはや抵抗は無意味だった。
(ああ……ついに終わるのね……。)
ついにセラは力を失い、糸が切れた人形のようにその場に崩れ落ちた。
「ねえ、***…………。ずっと貴方を……愛していたわ……。」
彼の傍にいる間、一度も伝えたことのなかった想いをセラは最後にそっと呟いた。
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
【完結】わたしの欲しい言葉
彩華(あやはな)
恋愛
わたしはいらない子。
双子の妹は聖女。生まれた時から、両親は妹を可愛がった。
はじめての旅行でわたしは置いて行かれた。
わたしは・・・。
数年後、王太子と結婚した聖女たちの前に現れた帝国の使者。彼女は一足の靴を彼らの前にさしだしたー。
*ドロッとしています。
念のためティッシュをご用意ください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる