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《74話》
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今年の風邪は質が悪い。
1度罹っても抗体がちゃんと出来ないのか、また同じ菌に罹る例が多数ある。
そんな患者をセブンの診療所では診察していた訳だが。
治療する側であるセブンが2度目の風邪を引いた。
熱が39℃をオーバーしている。
仕方ないので診療所は暫く休診である。
そしてサラは思わぬ休みを手に入れたが、これと言って休みの日にする事が無いサラは暇を持て余していた。
何かした方が良いとはサラも思っている。
何もしないとアーシュの事を思い出すからだ。
何処かに行ってしまったアーシュ。
あれからサラも探してみたが尻尾の影1つ見当たらない。
「アーシュさん、何して、る、でしょう…」
あれから食欲がわかない。
昼食はセブンが作って来た弁当を食べないと怒られるので、有難くアラサーの男の手料理をいただいている。
相変わらずやたらと美味しいが、胸がいっぱいであまり食欲はわかない。
なので朝と夜は何も食べない事も多い。
それでも朝も夜の抜くと何故かセブンに気付かれてしまうので、夜は具沢山のスープを作って食べれる量を食べている。
なので本日は遅い時間から買い出しである。
遅めに買い物に行くと見切り品があって安く済むのだ。
マジックバックであるエコバックに大量に材料を入れて、サラはトボトボ歩いて帰る。
馬車には乗らない。
歩きたい気分なのだ。
歩いて通えない距離でもないし、馬車など贅沢なものに乗るくらいなら他の事にお金を使いたい。
最近肌の調子が変わってきた気がする。
胸が痛いのが悩みでもある。
腰当たりの肉付きが良くなってきた気がする。
髪の艶をナナ並みにしたいのだが、どうすればサキュバスレベルの肌と髪の艶を手に入れれるのだろうか?
取り合えず高級な基礎化粧品でも購入しようか?
そろそろ年齢的にメイクも覚えた方が良いんじゃないだろうか?
基礎化粧品も化粧品も値が張る。
安いものはダメとナナから言われている。
良いものは高いものが多い。
食費が浮く分貯金して、サラは化粧品を買うべく貯金中だ。
買いに行く時にはナナに付いて来て貰おう。
サラが1人で行ったら良いカモにされるのが目に見えている。
サラ自身もその自覚がある。
「お化粧、覚えたら、アーシュさん、の、隣に居ても、馬鹿にされない、でしょう、か?」
アーシュは成人男性だ。
年齢はセブンより少し下くらいか?
体がしんどい時に母親の事を呼んでいたのが印象的で、サラはアーシュはセブンよりは若いんじゃないかと見ていた。
大人の男はそうそう母親を呼ばないだろう。
アーシュは大人っぽく見えるだけで、もしかしたら結構若いのかも知れない。
そうだったら良いとサラは思う。
大人の男の横に立つには自分は子供過ぎる。
サラは無意識にそう思っているのだ。
アパートももう近い。
やはり考え事をしながら歩くと時間の感覚が狂ってしまう。
とはいえ別に明日の予定がある訳では無い。
帰宅が少し遅くても問題がない。
玄関の前に来るまでサラはそう思っていた。
金色の長髪の男が玄関前で蹲っているのを見るまでは。
「な、んで…?」
男が顔を上げる。
切れ長の水色の目と視線が交わる。
サラを見て、男ーアーシュはニコ、と小さな笑顔を浮かべた。
水色の目は潤んでいて肌が赤い。
汗もかいている様だ。
一目で体調が悪いのが分かった。
「アーシュさん、家、入って下さ、い……」
アーシュの姿を見つけ、サラの心臓は胸を突き破りそうなくらい激しく動くのだった。
1度罹っても抗体がちゃんと出来ないのか、また同じ菌に罹る例が多数ある。
そんな患者をセブンの診療所では診察していた訳だが。
治療する側であるセブンが2度目の風邪を引いた。
熱が39℃をオーバーしている。
仕方ないので診療所は暫く休診である。
そしてサラは思わぬ休みを手に入れたが、これと言って休みの日にする事が無いサラは暇を持て余していた。
何かした方が良いとはサラも思っている。
何もしないとアーシュの事を思い出すからだ。
何処かに行ってしまったアーシュ。
あれからサラも探してみたが尻尾の影1つ見当たらない。
「アーシュさん、何して、る、でしょう…」
あれから食欲がわかない。
昼食はセブンが作って来た弁当を食べないと怒られるので、有難くアラサーの男の手料理をいただいている。
相変わらずやたらと美味しいが、胸がいっぱいであまり食欲はわかない。
なので朝と夜は何も食べない事も多い。
それでも朝も夜の抜くと何故かセブンに気付かれてしまうので、夜は具沢山のスープを作って食べれる量を食べている。
なので本日は遅い時間から買い出しである。
遅めに買い物に行くと見切り品があって安く済むのだ。
マジックバックであるエコバックに大量に材料を入れて、サラはトボトボ歩いて帰る。
馬車には乗らない。
歩きたい気分なのだ。
歩いて通えない距離でもないし、馬車など贅沢なものに乗るくらいなら他の事にお金を使いたい。
最近肌の調子が変わってきた気がする。
胸が痛いのが悩みでもある。
腰当たりの肉付きが良くなってきた気がする。
髪の艶をナナ並みにしたいのだが、どうすればサキュバスレベルの肌と髪の艶を手に入れれるのだろうか?
取り合えず高級な基礎化粧品でも購入しようか?
そろそろ年齢的にメイクも覚えた方が良いんじゃないだろうか?
基礎化粧品も化粧品も値が張る。
安いものはダメとナナから言われている。
良いものは高いものが多い。
食費が浮く分貯金して、サラは化粧品を買うべく貯金中だ。
買いに行く時にはナナに付いて来て貰おう。
サラが1人で行ったら良いカモにされるのが目に見えている。
サラ自身もその自覚がある。
「お化粧、覚えたら、アーシュさん、の、隣に居ても、馬鹿にされない、でしょう、か?」
アーシュは成人男性だ。
年齢はセブンより少し下くらいか?
体がしんどい時に母親の事を呼んでいたのが印象的で、サラはアーシュはセブンよりは若いんじゃないかと見ていた。
大人の男はそうそう母親を呼ばないだろう。
アーシュは大人っぽく見えるだけで、もしかしたら結構若いのかも知れない。
そうだったら良いとサラは思う。
大人の男の横に立つには自分は子供過ぎる。
サラは無意識にそう思っているのだ。
アパートももう近い。
やはり考え事をしながら歩くと時間の感覚が狂ってしまう。
とはいえ別に明日の予定がある訳では無い。
帰宅が少し遅くても問題がない。
玄関の前に来るまでサラはそう思っていた。
金色の長髪の男が玄関前で蹲っているのを見るまでは。
「な、んで…?」
男が顔を上げる。
切れ長の水色の目と視線が交わる。
サラを見て、男ーアーシュはニコ、と小さな笑顔を浮かべた。
水色の目は潤んでいて肌が赤い。
汗もかいている様だ。
一目で体調が悪いのが分かった。
「アーシュさん、家、入って下さ、い……」
アーシュの姿を見つけ、サラの心臓は胸を突き破りそうなくらい激しく動くのだった。
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