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その後

騎士団長だって本気の恋をする4

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 本日の天気は良好。
 雲1つ無い青空がすみ切っている。
 そして魔国で待ち合わせスポットとなっている噴水の前でオウマは約束の時間30分前から待っていた。

 本日のオウマの服装はローブである。
 男女兼用のモノでペールブルーの色合いが爽やかだ。
 下にカーキ色のスキニーのパンツを履いているため男が着ていても違和感はない。
 足元もユニセックスのサンダル。
 シンプルながらも出来るだけ可愛いやつを選んだ。
 下着?
 それは後でのお楽しみである。

 化粧などはしていない。

 女の子として今日は扱ってもらいたいけど、化粧をすれば気味が悪くてアムカが引くと思ったのだ。
 何せ騎士団長。
 体の奥に女の子を隠していても、見た目は完全な男である。
 一応騎士団の中では華奢な部類に入るが、それでも男装の令嬢だとか、そんなのに紛れると頭1つ分背が高いし、体の造りは少しばかり大きい。
 筋肉が膨らむ系の筋肉ではないため、全身をしっかりしなやかな筋肉で包まれているが、ソレは服を着ている時点では分からない。

 ミヤハルは化粧をしたがっていたが。

「ミヤハル様自分は化粧しないくせに……」

 それだけ応援してくれている事は分かるが、やはり男としてそだったので化粧に抵抗はあった。
 アムカがしているのを見たいと言うならしてみても良いど…。
 多分女装度が上がる。
 逆に気持ち悪くなる。
 今くらいの恰好が1番良いだろう。

 ドキドキして時間のたつスピードが分からない。
 もう何時間も待っている気がするし、さっき噴水前に着いた気がする。

 初夏なので少しばかり暑い。
 汗臭くならないか心配である。

 男の汗は臭い。
 何故だろう、女の汗は臭く感じないのに…オウマはそう思い自分の体質を呪った。
 男臭い匂いがしませんように!!

  実際のところ、男性は女性よりも皮脂量が約2倍多く、この皮脂が酸化・分解することでにおいの原因になることが研究で明らかになっている。
 さらに、男性はわきのにおいの原因となる菌の割合が高いこともわかっており、男性の汗の方がにおいを感じるというのは、あながち間違いではないといえる。
 また男は毛が多いため、そこで菌が繁殖しやすい。
 男の方が臭いがこもる原因である。
 まぁオウマはムダ毛の類は一切無いのでその辺りは問題が無いと言って良いだろう。
 オウマのムダ毛の一切ない、きめ細かい白い肌を羨んでいる女性は実は王宮には結構いたりする。
 男の知らないところで女も努力してるのである。
 パートナーがいる男性は是非彼女の努力を顧みてみて欲しい。

「オウマ、待たせたか?」

 オウマの背後からバリトンボイスが聞こえた。
 何だか何時もより声が甘い気がする。
 その声にドキドキと胸を高鳴らせながらオウマは声の主を確認した。

「待たせたな、まずは食事でも行こうか」

「う、うん………」

(アムカさんが格好良すぎるぅぅぅっぅぅぅぅぅぅっ!!!)

 何時もの司書の恰好でないジャケットに細身のボトムを着こなすアムカはイケオジだ。
 周りの女もチラリラとアムカを見ている。
 眼鏡が何時もの黒縁眼鏡でなく細い銀のフレームなのがアムカの雰囲気に良く似合っていた。
 大人の男にしか出せない色気が出ている、確実に。
 その色気にオウマはあてられた。

「可愛い恰好をしているな」

「ひゃぁぁアムカさんが誑しだよぉおぉ!!」

「はいはい、ほら行こうな」

 そして自然な動作でオウマの腰に手を廻しエスコートしだした。
 あまりにも慣れているのが丸分かりだ。

(アムカさん何か慣れてるな…今までいっぱいの女の人と恋愛してきたんだろうな………)

「オウマ、香水か何か付けているか?」

「いんや、付けてないんよ?」

「良い香りがする、ではこれはオウマ自身の香りか」

 ふっ、とアムカが微笑を浮かべた。

(アムカさんが性質が悪いよぉぉぉ助けて古代種ぅぅぅぅぅぅぅっぅ!!!)

 こんな時だけ都合よく古代種に助けを求めるオウマだった。

 まぁ古代種ひっそりと付いて来ているんだけど、それは誰もが予想できていたことであろう。
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