上 下
171 / 279
その後

騎士団長だって本気の恋をする ※オウマ視点(少々BL臭がします)

しおりを挟む
 チビチャンが帰っちゃって俺は考えた。
 あのチビチャンの未来では俺はチビチャンのフィアンセらしい。
 んじゃ俺は初恋で今でも好きなあの人の事が吹っ切れたのかな、て。

 俺だって本命位いるのよ?

 皆は俺の事遊び人だと思っているみたいだけどさ。
 本命に告れないから遊び歩いているだけなんよ。
 俺ってばちょっと普通の恋愛するんには問題あるから。

 その問題を知ってんのはミヤハル様だけなんだよねぇ。

 魔王もエントも知らないよ。
 俺だって秘密の1つや2つあるんです~。

 いや、2つは無いかな?
 俺基本オープンで生きてるからねん。

 でもさ、チビチャンが来て俺は自分の初恋を諦めきれたのかななんて。
 2000年引きずった初恋諦めきれたんかなって。
 そう思うと、確認したくなってみた。
 玉砕覚悟って言うやつ。
 チビチャンとくっ付くならソレはソレで良いとは思うよ?
 だけど、あの人に何も言わずにソレを決めてしまえない。

 俺てば女々しいなぁ。

 あ、女々しいて女の人ディスってる訳じゃないよ?
 言葉のあやね。

 だから俺は確認しに行くことにした。
 俺の恋心がもう諦めきれるレベルなのか、まだ諦めきれないモノなのか。

 :::

「う~んアムカさんの作る飲茶最高ねん♡」

「喜んで貰えると作り甲斐があるな、小籠包も食べるかい?」

「食べる食べる~♪」

 そう言う訳で俺は今、書庫でアムカさんに飲茶を振舞って貰っている。
 これ趣味の域超えてるって絶対。

「俺ね、食べ物の中でアムカさんの作る食事が1番好きなんよ」

「それはそれは光栄だ」

「魔王の好物はミヤハル様の作ったハンバーグ。エントの好物はミヤハル様の作ったオムライス。2人とも未だにマザコン引きずってるよね~、魔王はその内王妃さん手料理が好物になるのかな?」

「王妃の嬢ちゃんはまだ包丁も持ったことないはずだったな」

「遠い道のりになりそうだよね~、魔王が餌付けしたから料理にかんしては性別が逆転しちゃったところあるよねん」

「男でも料理を作るのが好きな奴もいるからな、俺もその1人だが」

「うん、アムカさんが料理作るの好きで良かった。たまにスラム街に炊き出しに来てたんよね?」

「良く知っているな!?」

「俺、それで凄い飢えしのがせて貰ったから。だから俺にとって1番の家の味はアムカさんの料理の味になっちゃってる訳なのよん」

「そうか、お前はスラムに居たことがあったんだな。お前が少しでも幸せを感じてくれたなら、無駄な行為では無かったんだな」

「無駄じゃないよん!俺にとってはすんごく大切な出来事!だからねん、アムカさんだけに俺の秘密教えちゃうよん♪魔王もエントも知らない、俺とミヤハル様だけしか知らない秘密……俺ね、実は体が半分女の子なの」

 ドサドサドサッ!

 アムカが持っていた大量の本を落とし、その場を沈黙が支配した。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

王命を忘れた恋

須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』  そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。  強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?  そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。

「本当に僕の子供なのか検査して調べたい」子供と顔が似てないと責められ離婚と多額の慰謝料を請求された。

window
恋愛
ソフィア伯爵令嬢は公爵位を継いだ恋人で幼馴染のジャックと結婚して公爵夫人になった。何一つ不自由のない環境で誰もが羨むような生活をして、二人の子供に恵まれて幸福の絶頂期でもあった。 「長男は僕に似てるけど、次男の顔は全く似てないから病院で検査したい」 ある日ジャックからそう言われてソフィアは、時間が止まったような気持ちで精神的な打撃を受けた。すぐに返す言葉が出てこなかった。この出来事がきっかけで仲睦まじい夫婦にひびが入り崩れ出していく。

婚約破棄されたら魔法が解けました

かな
恋愛
「クロエ・ベネット。お前との婚約は破棄する。」 それは学園の卒業パーティーでの出来事だった。……やっぱり、ダメだったんだ。周りがザワザワと騒ぎ出す中、ただ1人『クロエ・ベネット』だけは冷静に事実を受け止めていた。乙女ゲームの世界に転生してから10年。国外追放を回避する為に、そして后妃となる為に努力し続けて来たその時間が無駄になった瞬間だった。そんな彼女に追い打ちをかけるかのように、王太子であるエドワード・ホワイトは聖女を新たな婚約者とすることを発表した。その後はトントン拍子にことが運び、冤罪をかけられ、ゲームのシナリオ通り国外追放になった。そして、魔物に襲われて死ぬ。……そんな運命を辿るはずだった。 「こんなことなら、転生なんてしたくなかった。元の世界に戻りたい……」 あろうことか、最後の願いとしてそう思った瞬間に、全身が光り出したのだ。そして気がつくと、なんと前世の姿に戻っていた!しかもそれを第二王子であるアルベルトに見られていて……。 「……まさかこんなことになるなんてね。……それでどうする?あの2人復讐でもしちゃう?今の君なら、それができるよ。」 死を覚悟した絶望から転生特典を得た主人公の大逆転溺愛ラブストーリー! ※最初の5話は毎日18時に投稿、それ以降は毎週土曜日の18時に投稿する予定です

お嬢様はお亡くなりになりました。

豆狸
恋愛
「お嬢様は……十日前にお亡くなりになりました」 「な……なにを言っている?」

「不吉な子」と罵られたので娘を連れて家を出ましたが、どうやら「幸運を呼ぶ子」だったようです。

荒瀬ヤヒロ
恋愛
マリッサの額にはうっすらと痣がある。 その痣のせいで姑に嫌われ、生まれた娘にも同じ痣があったことで「気味が悪い!不吉な子に違いない」と言われてしまう。 自分のことは我慢できるが娘を傷つけるのは許せない。そう思ったマリッサは離婚して家を出て、新たな出会いを得て幸せになるが……

完結 そんなにその方が大切ならば身を引きます、さようなら。

音爽(ネソウ)
恋愛
相思相愛で結ばれたクリステルとジョルジュ。 だが、新婚初夜は泥酔してお預けに、その後も余所余所しい態度で一向に寝室に現れない。不審に思った彼女は眠れない日々を送る。 そして、ある晩に玄関ドアが開く音に気が付いた。使われていない離れに彼は通っていたのだ。 そこには匿われていた美少年が棲んでいて……

夫の不貞現場を目撃してしまいました

秋月乃衣
恋愛
伯爵夫人ミレーユは、夫との間に子供が授からないまま、閨を共にしなくなって一年。 何故か夫から閨を拒否されてしまっているが、理由が分からない。 そんな時に夜会中の庭園で、夫と未亡人のマデリーンが、情事に耽っている場面を目撃してしまう。 なろう様でも掲載しております。

処理中です...