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その後

TSってどう思う?

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「だからフラグって言ったじゃないのん!」

 愛らしい声が叫びをあげる。
 楽しい事は好きだけど、出来るなら傍観者でいたい。
 そんな愉快犯なのだオウマは。

 で、なにがフラグなのかと言うと。
 前回アムカが「自分に被害が無ければいい」と言った言葉にたいしてである。

 見事アムカなフラグを回収した。
 ついでに鮮やかに周囲も巻き込まれていた。

 豊かな巻き髪の、眼鏡をかけたクール系美女に、少女が文句を言っている。

 短いがサラサラの髪。
 少し釣り気味の大きな瞳。
 まろみを帯びた頬。
 八重歯がチャーミングである。

 そう、オウマは男が10人居たら8人は振り返りそうな美少女になっていた。
 胸は人並みにある。
 少なくともユラよりは大きい。

 クール系美女はもっと大きい。
 爆乳と言っても過言ではない。
 目の前の美女が本来は男だと知らなければ、オウマだって甘い言葉で誘いをかけたであろう。
 だが、目の前の存在は男なのだ。
 しかも自分より遙かに年上の。

「性別が変わったのは我々だけか?」

「知んない。まだ調べてない」

「原因は?」

「あのお姉様たちに決まってるでしょーがん!」

 お姉様たち。
 腐海の住民の古代種2人である。

「ではお2人を探すのが先決だな」

「普通先に主の状態を確認しに行かないもんじゃない?」

「魔王様達が巻き込まれていない訳が無いだろう」

「嫌すぎる断言!でも説得力あるのがまた嫌ん!」

 そしてオウマは王宮を歩き回る事となる。

 結果………。

 夜のような黒髪に月色の瞳の美女。
 背の高いスレンダー美人である。
 背も高くスタイルが良いが、胸だけはほぼ膨らみが無い。
 真に残念である。
 もうお気づきであろう、魔王その人だ。

 灰銀の髪に青銀の瞳の美女。
 スレンダー美人にそっくりだが胸の大きさだけは違う。
 こちらは中々のものをお持ちであった。
 こちらも気付いているであろう、宰相エントビーストだ。

 夕日色の髪に深紅の瞳。
 中肉中背だがその顔は端正で整っている。
 成長期を脱し切れていない美少年が居た。
 気付いているよね、リコリスである。

 魔王と同じ漆黒の髪に黒曜石の瞳。
 性別を感じさせない絶世の美貌。
 幼さを感じさせるが成長期特有の若木のようなスラリとした体形の美少年。
 背後からエントビーストに抱きしめられている。
 勿論ミヤハルである。

 ダークブラウンの肩に付きそうなぐらいの長さの髪に紅茶色の瞳。
 柔和な顔立ち。
 童顔系の美青年。
 何かショックを受けているらしい半泣きなこの人物。
 ユラである。

 前回もうミヤハルに乗せられないと決心したにもかかわらず、もう既に挫けた様だ。
 甘い誘いを断り切れなかったのだろう。
 今回も事の発端は古代種2人のせいで正解であった。

 魔王は自分の胸に手を当てて「兄上は大きいのに何故我は胸が小さいのだ…?」とショックを受けている。
 
 エントビーストは性別が違ってもやることは変わらない。
 ミヤハルを抱き込んでいる。

 ミヤハルは性別が変わっても違和感がない。
 もともと性別が分かりにくい美貌だったのだ。
 変わったのは胸がなくなって身長が伸びたことくらいだ。
 ミヤハルの身長が伸び、エントビーストの身長が縮まっているので何時もより顔が近い。
 エントビーストが何処か嬉しそうなのはこの為であろう。
 相変わらずミヤハルさえいれば何でも良いらしい。

 そしてユラ。
 何故か半泣き。
 何となくオウマは察した。

「ユラ様…自分迄巻き込まれると思って無かったんね?」

「うぅ…男になってるし、男になってもセックスシンボルの大きさがミヤハルちゃんより小さいなんて…グスッ」

(ミヤハル様男でもデカいのか……)

 最強だ。
 パーフェクトだ。
 あの美貌にデカいセックスシンボル。
 男児趣味のお姉様方が放っておくまい。
 ソレを知っているからエントビーストはミヤハルを抱えて離さないのだろう。

「これ、何時まで続くんのん?」

「う~ん分からんなぁ」

 ニッコリと笑ってミヤハルが答えた。
 暫く女の姿で過ごすのか…。
 オウマはとっとと諦めたのであった。
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