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6.ステップアップしたい
しおりを挟む「ねぇクロードさん。僕、産みたいって言ったけど、どうすれば赤ちゃんできるのかな…」
何かクロードさんは知ってるみたいだし、聞いたら教えてくれるかな?
さっきは成人してからって言ってたけど異世界に飛ばされた前日が18歳の誕生日だったからもう成人してるんだよね。
あ、でもこの国では成人年齢が違うのかも。後で聞かなくちゃ…!
黙ってしまった僕が俯いていると、不安になっていると思ったのか、クロードさんが優しく背中をさすってくれる。
「大丈夫だ。俺が一から教える。俺に身を委ねて、全て任せてくれればいい」
俺に任せろ、と言い切ってしまうクロードさんはとてもかっこいい。初心者の僕ができることは少ないしその時はおとなしく身を任せよう。
「って、そうじゃなくて。えっと、僕は男だから子宮がないでしょ?だから、クロードさんの精子をお腹に貰っても赤ちゃんは出来ないんじゃないかって。僕のいた世界で、男は妊娠出来ないのが当たり前だったの。ここじゃ違うの?」
ずっと疑問に思ってたことを頑張って伝える。上手く言えたか不安になってクロードさんを見ると、納得したような顔だったからちゃんと伝わったみたい。良かったぁ。
「ここでも男は妊娠出来ない。ナツキの世界と同じだ。だが、ナツキは子供を産める身体になれる。詳しくは俺も知らないが、国王が話してくれる。今からそれを聞きにいこう」
いつの間にか重くて煌びやかな扉の前に着いていた。王城に入ったことにも気が付かなかった。クロードさんしか見えてなかったから。
僕、危機感薄すぎだよね……クロードさんの腕の中は特に安心できて、体の力が抜けちゃうんだ。へにゃへにゃぁ、って。
だからいつも言葉とか幼くなっちゃうんだよねぇ、不思議。
いよいよ、僕に赤ちゃんが出来る秘密が明かされるんだと思うとすごく胸がドキドキしてきた。
緊張して、ついクロードさんにしがみついてしまう。
「大丈夫だ。国王は俺の兄貴だから、緊張しなくていいぞ。楽にしておけ」
いやいやいや…!
クロードさんのお兄さんが国王!?
ということはクロードさんって王弟だったの!?
今更クロードさんに緊張はしないけど、お兄さんって聞くと余計に緊張する。
それに、クロードさんの家族に「今から子供をつくります」って宣言しに行くようなものでしょ!?
恥ずかしいやら何やらで汗が出てきて喉も渇いてきた。
手がしっとりと濡れてる気がする。
僕、ヘマしないよね…?
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続き楽しみにしてます!!!
ナツキくん流されそうで意外と肝据わってる?(笑)
どう見ても隊長さんはナツキくん大好きでしょう〜〜〜
おばあちゃんの教育の賜物、ですかね(笑)
突然別の世界に飛ばされて動じないあたりナツキ強い。
きっとクロードさんはナツキを一目見て、ハートにズッキュン来ちゃったんでしょうね(笑)