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中国分割と世界戦略始動-東アジアの風雲-
第784話 『2万対3千』
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天正二十一年三月十三日(1592/4/24) 明軍丙路
丙路を通る楊鎬軍は決戦を前に十分な休息をとり、隘路を白雲へ向けて進軍中であった。
「副官、では策の通りにいたそう」
「承知しました」
当初、昨日の作戦会議では隘路を一点突破するというものであった。
しかしよくよく考えれば、逆茂木や鉄条網などでバリケードは設置してあるだろうし、事実その報告も斥候から入っていた。それならば走り抜けることはできず、肥前軍の鉄砲の的になる。
隘路を通れるように障害物をどかそうにも時間がかかり、その間に殲滅されてしまうのだ。
「敵は一点に集中して兵を配しておろうの……」
「は、今のこの状況を兵法にてらして考えるのならば、寡兵をさらに分け、大軍に当たらせる理由がありません。もっとも狭い場所に落とし穴や逆茂木を設けて我らの進軍を防ぎ、手銃にて攻撃をしかけるのが上策と考えるでしょう」
「うむ。ゆえに我らは軍を8つの師(2,500人)となし、左右の山にて敵と決戦を行うという訳だな」
「はい。しかし敵に気取られては逃げられてしまいます。兵糧を奪うにはここで敵を叩かなければなりませんので、気付かれては元も子もありません。ですから直前までは隘路を進み、敵を発見もしくは攻撃があったならば速やかに山中に入って敵と戦う、これが策でございます」
「だが、1つ気になることがある」
楊鎬は険しい表情で眉間に皺を寄せた。
「もし肥前軍が、竜岩浦の時のようにすさまじい威力の火砲を備えていたならばどうする?」
副官は全く動じず返答した。
「確かにその可能性は否定できませんが、仮に敵らが大砲を用いようとしても、山中で用いるのは容易ではないでしょう。急峻な地形に木々の茂みは、敵の火砲の狙いを定める障害となるでしょう。なぜなら同士討ちとなるからです」
副官はさらに続ける。
「それに斥候の報せによれば肥前軍の兵力はわずか三千。たとえ最新式の武器を持っていたとしても、数的優位は揺るぎません。8つの師に分かれて交互に攻撃すれば、間違いなく勝てるでしょう」
楊鎬は深くうなずき、遠くに見える山並みに目を凝らした。
「そうだな。しかし油断は禁物だ。この戦いに勝利すれば、白雲への道は開かれる。全軍に伝えよ。周囲を警戒しつつ、油断なく進めと」
「はっ」
隘路を粛々と進む兵士たちは緊張した面持ちであったが、確かな足取りで進んでいく。やがて、先頭の部隊が隘路のもっとも狭い場所に差し掛かった。
道の両脇には深い森が広がり、不気味な静けさが辺りを包んでいる。
■第6師団司令部
「参謀長、もっとも数が多い丙路の状況はいかがだ?」
「はっ。敵は変わりなく隘路を行軍しております。その長さは7~8kmにも及びます」
「ふむ、それほど長きにわたって行軍しておれば、命令も届きづらいであろうが……変わりはなしか。然れど、どうにも引っ掛かるの。甲軍と乙軍は何らかの策を用いてきたが、まさか何もなしという訳でもあるまい」
師団長である高橋紹運は参謀長の屋山中務少輔種速に聞いた。
「然れば、敵が隘路でなく山中に動いて戦うならば、わが軍の地の利は消えまする。ゆえにもし、敵が山中を来たならば戦わず、退いて第2の策にて敵を迎え撃つ、斯様に命令をなさればよいかと存じます」
「うむ。そうであるな、では良きに計らえ」
「はは」
■肥前国丙軍陣地
土岐大隅守頼長が陣を構えたのは、隘路のもっとも狭い箇所を見渡せる台地であった。
「なに? 敵が山中に分け入って来たならば、戦わずに退けと?」
「は。師団司令部からの命令にございます」
確かに2万対3千では勝負にならない。鉄砲の優位と地の利がなくなれば、純粋に数の論理となるのだ。
「それを考えればこの隘路にて迎え撃つ策も、上の上という策ではないの……」
隘路において攻撃を仕掛けるなど、古今の兵法書に飽きるほど書かれている。いっぱしの将軍であれば何らかの対応をするはずなのだ。いかにもな地形には、いかにもなワナがある。
「なるほど、遅滞ではなく、逃げろと。第2の策の通りであるな。あい分かった」
■楊鎬軍
突如、鋭い銃声が空気を切り裂いた。森の中から、閃光と白煙が噴き出す。待ち伏せしていた肥前軍の銃撃だった。
「攻撃だ! 分かれろ!」
楊鎬が命令を出すと、すぐさま各師の師長が左右に4つずつに分かれて山中に分け入った。2万の明軍、全軍が山中に入って銅鑼や太鼓を鳴らしながら肥前軍に攻めかかったのだ。
最初の銃撃の後に山を登っていた明軍の先発隊が肥前国軍と遭遇した。
「敵だ! かかれっ!」
という声が響き渡り、散発的な銃声と小競り合いのような戦闘が起きたが、それはほんのわずかな間であった。銃撃戦は短時間で終わり、肥前軍は森の奥へと姿を消した。
「敵はどこだ! ?」
「追え! 逃すな!」
兵士たちの声が森の中にこだまするが、肥前国軍が撤退していることは明らかであった。
楊鎬は眉間に深い皺を刻みながら考え込む。
「……数の不利を悟って即座に撤退したか?」
楊鎬は深追いをすることは避け、肥前国軍が残して行った兵糧を鹵獲することを重視した。平壌侵攻のためには兵糧は絶対不可欠なのである。
しかし防御線を敷いていたにもかかわらず、数の不利があったとはいえ、こうも簡単に肥前国軍が撤退した事を楊鎬は不審に思わざるを得なかった。
「何かおかしい……」
楊鎬はつぶやいた。
「まるで、我々を誘い込んでいるかのようだ……」
副官も同じ意見を述べる。
「確かに……不自然です。まるで我らの動きを読んで、はじめから自軍の撤退を予測していたかのようにも見えます」
楊鎬は険しい表情で周囲を見渡したが、やはり肥前国軍発見の報は耳に入ってこなかった。
「全軍に伝えよ。警戒を怠るな。敵の罠かもしれん」
楊鎬の命令が伝達される中、不気味な静寂が森全体を包み込む。その時、大地を揺るがすような轟音が響き渡った。
「何事だ! ?」
驚愕する明軍兵士たちの頭上に、無数の砲弾が降り注ぐ。
「うわああああ!」
凄まじい爆音と土煙が山中に響き渡る。180門の榴弾砲が一斉に火を噴き、明軍の頭上に降り注いだのだ。密集していた部隊は壊滅状態となり、散開していた兵士たちも爆風と破片によって次々と倒れていく。
「何事だ! ?」
楊鎬は状況を把握しようとするが、情報が錯綜して収拾がつかない。
「どこだ? どこから撃ってきているのだ?」
肥前国陸軍は、南北に伸びる街道の向こう側の山中の陣地から砲撃していた。
「ば、馬鹿な……どれだけの距離があるというのだ?」
竜岩浦における戦闘でも榴弾砲は使用されたが、1,000m~1,500mの距離においてであった。有効射程を最大に使った砲撃は街道を飛び越えて、密集しつつあった明軍を直撃したのだ。
その砲撃は明軍の戦意を完全に喪失させ、兵士たちは我先にと逃げ惑い、指揮系統は崩壊した。将校たちは兵士たちを統制できず、ただ混乱に拍車をかけるだけであった。
砲撃が止むと、不気味な静寂が山中に訪れた。
楊鎬は生き残った明軍兵士たちをかき集め、周囲を警戒しながら見通しのきく隘路へ下り、街道を目指した。それ以外の命令が届かなかった兵士は、山の斜面を東へ東へと逃げ出す。
しかし、そこには肥前軍が用意した更なる罠が待ち受けていた。
「撃て!」
頼長の号令一下、一斉射撃が開始された。
隘路の出口には、南北に伸びる塹壕から銃口が突き出され、明軍を待ち構えていたのだ。山の斜面から街道へ下りた兵達にも、くの字型に配置された塹壕から十字砲火が浴びせられる。
隘路から街道に出た明軍は正面から斉射を受け、山の斜面を駆け下りた兵士たちも十字砲火の網から逃れることはできず、次々と倒れていく。
明軍の兵士たちは地獄絵図と化した戦場から逃れようと必死にもがいたが、肥前軍の正確な射撃の前に為す術もなく倒れていった。
2万の軍勢は、肥前軍の巧妙な戦術の前に壊滅的な打撃を受けたのだ。
次回予告 第785話 『掃討戦』
丙路を通る楊鎬軍は決戦を前に十分な休息をとり、隘路を白雲へ向けて進軍中であった。
「副官、では策の通りにいたそう」
「承知しました」
当初、昨日の作戦会議では隘路を一点突破するというものであった。
しかしよくよく考えれば、逆茂木や鉄条網などでバリケードは設置してあるだろうし、事実その報告も斥候から入っていた。それならば走り抜けることはできず、肥前軍の鉄砲の的になる。
隘路を通れるように障害物をどかそうにも時間がかかり、その間に殲滅されてしまうのだ。
「敵は一点に集中して兵を配しておろうの……」
「は、今のこの状況を兵法にてらして考えるのならば、寡兵をさらに分け、大軍に当たらせる理由がありません。もっとも狭い場所に落とし穴や逆茂木を設けて我らの進軍を防ぎ、手銃にて攻撃をしかけるのが上策と考えるでしょう」
「うむ。ゆえに我らは軍を8つの師(2,500人)となし、左右の山にて敵と決戦を行うという訳だな」
「はい。しかし敵に気取られては逃げられてしまいます。兵糧を奪うにはここで敵を叩かなければなりませんので、気付かれては元も子もありません。ですから直前までは隘路を進み、敵を発見もしくは攻撃があったならば速やかに山中に入って敵と戦う、これが策でございます」
「だが、1つ気になることがある」
楊鎬は険しい表情で眉間に皺を寄せた。
「もし肥前軍が、竜岩浦の時のようにすさまじい威力の火砲を備えていたならばどうする?」
副官は全く動じず返答した。
「確かにその可能性は否定できませんが、仮に敵らが大砲を用いようとしても、山中で用いるのは容易ではないでしょう。急峻な地形に木々の茂みは、敵の火砲の狙いを定める障害となるでしょう。なぜなら同士討ちとなるからです」
副官はさらに続ける。
「それに斥候の報せによれば肥前軍の兵力はわずか三千。たとえ最新式の武器を持っていたとしても、数的優位は揺るぎません。8つの師に分かれて交互に攻撃すれば、間違いなく勝てるでしょう」
楊鎬は深くうなずき、遠くに見える山並みに目を凝らした。
「そうだな。しかし油断は禁物だ。この戦いに勝利すれば、白雲への道は開かれる。全軍に伝えよ。周囲を警戒しつつ、油断なく進めと」
「はっ」
隘路を粛々と進む兵士たちは緊張した面持ちであったが、確かな足取りで進んでいく。やがて、先頭の部隊が隘路のもっとも狭い場所に差し掛かった。
道の両脇には深い森が広がり、不気味な静けさが辺りを包んでいる。
■第6師団司令部
「参謀長、もっとも数が多い丙路の状況はいかがだ?」
「はっ。敵は変わりなく隘路を行軍しております。その長さは7~8kmにも及びます」
「ふむ、それほど長きにわたって行軍しておれば、命令も届きづらいであろうが……変わりはなしか。然れど、どうにも引っ掛かるの。甲軍と乙軍は何らかの策を用いてきたが、まさか何もなしという訳でもあるまい」
師団長である高橋紹運は参謀長の屋山中務少輔種速に聞いた。
「然れば、敵が隘路でなく山中に動いて戦うならば、わが軍の地の利は消えまする。ゆえにもし、敵が山中を来たならば戦わず、退いて第2の策にて敵を迎え撃つ、斯様に命令をなさればよいかと存じます」
「うむ。そうであるな、では良きに計らえ」
「はは」
■肥前国丙軍陣地
土岐大隅守頼長が陣を構えたのは、隘路のもっとも狭い箇所を見渡せる台地であった。
「なに? 敵が山中に分け入って来たならば、戦わずに退けと?」
「は。師団司令部からの命令にございます」
確かに2万対3千では勝負にならない。鉄砲の優位と地の利がなくなれば、純粋に数の論理となるのだ。
「それを考えればこの隘路にて迎え撃つ策も、上の上という策ではないの……」
隘路において攻撃を仕掛けるなど、古今の兵法書に飽きるほど書かれている。いっぱしの将軍であれば何らかの対応をするはずなのだ。いかにもな地形には、いかにもなワナがある。
「なるほど、遅滞ではなく、逃げろと。第2の策の通りであるな。あい分かった」
■楊鎬軍
突如、鋭い銃声が空気を切り裂いた。森の中から、閃光と白煙が噴き出す。待ち伏せしていた肥前軍の銃撃だった。
「攻撃だ! 分かれろ!」
楊鎬が命令を出すと、すぐさま各師の師長が左右に4つずつに分かれて山中に分け入った。2万の明軍、全軍が山中に入って銅鑼や太鼓を鳴らしながら肥前軍に攻めかかったのだ。
最初の銃撃の後に山を登っていた明軍の先発隊が肥前国軍と遭遇した。
「敵だ! かかれっ!」
という声が響き渡り、散発的な銃声と小競り合いのような戦闘が起きたが、それはほんのわずかな間であった。銃撃戦は短時間で終わり、肥前軍は森の奥へと姿を消した。
「敵はどこだ! ?」
「追え! 逃すな!」
兵士たちの声が森の中にこだまするが、肥前国軍が撤退していることは明らかであった。
楊鎬は眉間に深い皺を刻みながら考え込む。
「……数の不利を悟って即座に撤退したか?」
楊鎬は深追いをすることは避け、肥前国軍が残して行った兵糧を鹵獲することを重視した。平壌侵攻のためには兵糧は絶対不可欠なのである。
しかし防御線を敷いていたにもかかわらず、数の不利があったとはいえ、こうも簡単に肥前国軍が撤退した事を楊鎬は不審に思わざるを得なかった。
「何かおかしい……」
楊鎬はつぶやいた。
「まるで、我々を誘い込んでいるかのようだ……」
副官も同じ意見を述べる。
「確かに……不自然です。まるで我らの動きを読んで、はじめから自軍の撤退を予測していたかのようにも見えます」
楊鎬は険しい表情で周囲を見渡したが、やはり肥前国軍発見の報は耳に入ってこなかった。
「全軍に伝えよ。警戒を怠るな。敵の罠かもしれん」
楊鎬の命令が伝達される中、不気味な静寂が森全体を包み込む。その時、大地を揺るがすような轟音が響き渡った。
「何事だ! ?」
驚愕する明軍兵士たちの頭上に、無数の砲弾が降り注ぐ。
「うわああああ!」
凄まじい爆音と土煙が山中に響き渡る。180門の榴弾砲が一斉に火を噴き、明軍の頭上に降り注いだのだ。密集していた部隊は壊滅状態となり、散開していた兵士たちも爆風と破片によって次々と倒れていく。
「何事だ! ?」
楊鎬は状況を把握しようとするが、情報が錯綜して収拾がつかない。
「どこだ? どこから撃ってきているのだ?」
肥前国陸軍は、南北に伸びる街道の向こう側の山中の陣地から砲撃していた。
「ば、馬鹿な……どれだけの距離があるというのだ?」
竜岩浦における戦闘でも榴弾砲は使用されたが、1,000m~1,500mの距離においてであった。有効射程を最大に使った砲撃は街道を飛び越えて、密集しつつあった明軍を直撃したのだ。
その砲撃は明軍の戦意を完全に喪失させ、兵士たちは我先にと逃げ惑い、指揮系統は崩壊した。将校たちは兵士たちを統制できず、ただ混乱に拍車をかけるだけであった。
砲撃が止むと、不気味な静寂が山中に訪れた。
楊鎬は生き残った明軍兵士たちをかき集め、周囲を警戒しながら見通しのきく隘路へ下り、街道を目指した。それ以外の命令が届かなかった兵士は、山の斜面を東へ東へと逃げ出す。
しかし、そこには肥前軍が用意した更なる罠が待ち受けていた。
「撃て!」
頼長の号令一下、一斉射撃が開始された。
隘路の出口には、南北に伸びる塹壕から銃口が突き出され、明軍を待ち構えていたのだ。山の斜面から街道へ下りた兵達にも、くの字型に配置された塹壕から十字砲火が浴びせられる。
隘路から街道に出た明軍は正面から斉射を受け、山の斜面を駆け下りた兵士たちも十字砲火の網から逃れることはできず、次々と倒れていく。
明軍の兵士たちは地獄絵図と化した戦場から逃れようと必死にもがいたが、肥前軍の正確な射撃の前に為す術もなく倒れていった。
2万の軍勢は、肥前軍の巧妙な戦術の前に壊滅的な打撃を受けたのだ。
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